昨日から彼女の顔がうまく見れない。否、うまく見れないなんてもんじゃない。目が合いそうになったら彼女の顔に教科書をぶん投げる奇行に走るくらい見れたもんじゃない。なんだ僕はどっかの乙女か。
「なにお前らどうしたん?」
「私の顔が美しすぎて直視できないんだって。まあ分かりますけどね?」
「違います断じて違います」
「美しいって罪!」
「違うつってんだろ」
普段表さない僕の暴力的な言葉にラビが目を丸くした。
「じゃ、なんでさ?」
「なんでって…」
「理由があるんだろ。またこいつなんか変なこと始めたんか?」
「変なことっていうか…」
「そうそう、変なことなんかしてないぞ。襲っただけで」
「襲っ、!?」
「違います断じて違います!」
「あれ、もしかしてアレンあれが原因で私の顔見れないの?そんなによかった?」
「……」
「ちょっと無言にならないでくださいよ。違いますったら」
「またシて欲しいならいくらでもシてあげるよ」
「お前ら……」
「口元押さえて頭振らないでください!違うんですよ」
「美しいって罪」
「お前はもう黙れ」
僕の彼女は自意識過剰
(まあ良かったじゃん。チューできたんしょ?)
(なんで知って?!)
(あ、やっぱ?)
(……)
END