凛香→Nさん
2014/08/01
クロロ・ヒソカ・イルミについて、どんな解釈を持っているか?という質問を頂きました。質問を下さった方、ありがとうございます!!早速お返事させて頂きますね。
◆ クロロ=ルシルフル
基本的に作品内に自分のキャラ解釈を書いているので、読んでいる方はお気づきかもしれませんが、私の中のクロロのイメージは端的に言うと「残忍で冷酷」です。自分と自分の許した存在(旅団員)以外の人間が、目の前で生きようと死のうと心はピクリとも反応しない。そんな冷酷さを持つ人間だと思っています。
それと同時に、大変理知的であり、全ての物事を理性と理屈で考えている存在だと思います。彼にも感情があり、喜怒哀楽を感じるには感じるのですが、それが理性の範疇を超えることはない。どんな感情も理性で押さえつけ、また、理性でコントロールする男、それがクロロ=ルシルフルだと思います。
例えば、ウヴォーが死んで「悲しい」と感じるとします。普通の人間なら、その悲しみで泣き喚いたりヒステリックになったりすると思いますが、彼は「あぁ、自分は今悲しんでいるんだな」と感じるのみで、「悲しい」という感情に振り回されて行動したりしない。「彼が死んで悲しい」「彼を弔いたい」そういう感情を俯瞰して見て、「では、それを実行するためにベストな行動は何か」そう考えその先をシミュレーションしてから、初めて行動する。そんな思考回路になっているのではないかと思います。
自分自身を俯瞰する存在がいて、それの外側でさらにその存在を観測する存在がいて……といった感じで自分自身を極めて客観的に見ている存在だと考えています。自分と旅団にとって益になるかならないか、メリット・デメリットを意識的無意識的に考えながら生きている。彼の行動全ては理屈で説明つくものだけで、理論の展開が出来ない行動は一切しない、クロロはそういった存在なのだと思っています。
だからこそ、逆に説明のつかないものーー「感情」には非常に疎いと思います。ゴンも尋ねていますが「関係ない人間を無差別に殺せる」のも、「殺す」ことの必要性を感じたから。または「生かしておく」必要性を感じなかったから。ーーだから殺した。「殺す必要性」や「生かしておく必要性のなさ」は彼はすらすらと九九を唱えるより簡単に説明することが出来ますが、「どうして殺そうと思ったのか」「殺して心は痛まないのか」といった感情や心の奥深くにある動機は自分でもよく分かっていないんじゃないかと思います。必要だからそうした。それ以外の答えは上手く答えられないんじゃないでしょうか。
ここまでが解釈で、こっから先は私の妄想になりますが、クロロは「理性的で理知的である」からこそ、感情で動く人間を酷く愚かな存在だと感じています。だけど、それと同時にそんな強烈な感情を持った人間に理解不能だと思いながらもほんの少し羨ましいと憧れを感じていまーーーーというか、感じているといいなぁ(願望)
まぁ、そんな願望と解釈があって、長編夢主との出会い&展開はあんな感じになりましたw
それと、私独自のキャラ考察というかキャラ解釈というか、まぁ、有体に言えば、妄想ですが、彼は個人的に流星街の上の人間と取引があると思っています。いつか考察として別ページを設ける予定でしたが、クロロについてちょっと語らせて頂きたいと思います。
冨樫先生はゼロ巻に一問一答でクロロのことについてこんな風に語っています(以下引用)
◆幻影旅団の中で一番のお気に入りのキャラと、その理由を教えてください。
◆団長ですね。ちょっと話それますけど、オレ立候補するやつって信用出来ないんですよ。だから政治にも政治家にも根強い不信感があって、立候補するような奴が共通して持っている「何か」が結局諸悪の根源のような気がしてならないんですよ。話を戻しますと団長は望んで団長になったわけではないんですよ。まぁ、作品で説明するつもりなので詳しくは触れませんが「決まったことだから頑張る」って性格だったり設定が好きなんですよ。オレ自身にないものなので。オレだったら意に沿わずに決定されたら、無視するかふてくされてだれるんですけど、頑張っちゃう人ってすごいなぁと思うわけです。
要約すると、
@クロロは自ら望んで団長になったわけではない
A決まったことだから頑張る
Bクロロは意に沿わないことだけど頑張っている(のでは?憶測です)
ということになります。
クロロが団長をしていること、つまりは幻影旅団の活動は『誰か』に請われて求められてやっていることーーということになります。
幻影旅団の活動『主に窃盗と殺人、稀に慈善活動』、これが『誰か』に請われて求められている。では、誰が求めているか?
答えは明白ーーー、『流星街の人間』です。しかも、クロロに団長になれと言える存在の人間、『流星街の上層部・上の人間』となります。
ここで、流星街がどんな街か考えましょう。
流星街。それはなにを捨てても許される場所。政治的空白地であり、ここには誰が何を捨てても一切の干渉がない。しかし、政治的空白地であるが無法地帯と言うわけではなく、議会制度がある模様。住民同士の同族意識は非常に高く、何らかの事情で虐げられた場合には自爆テロまでして報復をしたこともあるほど。
私は流星街の人間は、『外の世界から奪われ虐げられ続けた存在』だと考えています。自分の中で富を築き上げても、外に奪われてしまう。どんなにどんなに頑張っても報いが全くない世界。そんな世界が流星街だと思います。
では、奪われ続けた人間が、歯を向ける時、それはどんな形となって表れるか?
ーー私は、その答えが『幻影旅団』だと思っています。
自分たちを虐げ奪ってきた憎い憎い『外の世界』
彼らから、奪い返そう、何もかもーーー。
住民たち(一部の住民かもしれませんが)はそう考え、力を持つ存在の誕生を願い続けていた。そして、力を持つ人間は現れた、それがクロロ=ルシルフルと、その仲間たちだった。議会は彼らに目をつけ、そして命じた、
【外の世界から奪われたモノを取り返せーー】と
だから、クロロは奪い、そして、殺す。
外の世界のものだから殺しても奪っても良心の呵責が生まれることはない。話は冒頭部分に戻りますが、クロロが「残忍で冷酷」と言ったのは、そういう意味です。外の世界だから外の人間だから気にするほどのことでもない。そう考えているのではないかと思います。
でも、『A決まったことだから頑張る』、その根底には『優しさ』があると思います。おそらく、クロロは自分側だと思った人間ーー旅団員・流星街出身者ーーには、優しいのだと思います。
前述のようにな関わりが旅団と流星街の間であると思っているので、私は「クロロは自分の『欲しい』という欲望に従って旅団を動かしている」というよりは「理念に従って旅団を動かして」おり、クロロ自身の『欲しい』という欲望はそこまで強くないのではないかと思っています。
どのタイミングどんなお宝を奪うか、それがおそらくクロロに一任されているだけで、クロロ自身がどうしても欲しいってわけではないんじゃないかと思っています。
『何かが欲しい』っていう感情・欲望ではなくて、『外の世界から奪う』ためには何が一番効果的なのかということを理知的理性的に考えて決めているのでしょう。だから、一通り愛でたあとはそれを惜しげも無く手放してしまうのではないでしょうか。
だからこそ、私の小説内でのクロロは『幻影旅団の団長であること』これに並々ならぬ想いを注いでおり、『旅団の活動』を第一に考えています。長編夢主が『写真のあの人』に執着するのと同じくらい、もしくはそれ以上に『幻影旅団の活動』へ確固たる意思を持っています。
長編小説内で、クロロを恋愛のお相手として書き進めていますが、実際のところ、クロロにとっての優先第一位はどんなことがあっても『幻影旅団』であって、夢主が入り込む余地はないと思っています。でも、だからこそ、そんなクロロを崩したいと思い、小説を書いているのかもしれませんね。
ちなみに、私が考えるクロロにピッタリな夢主は、クロロのそういった苦しみ・重圧を理解し支えることのできる流星街出身夢主・または流星街時代を共に生きた夢主ーーなのではないかと思っています。
なんだか、長くなってしまいましたが、この辺りが私のクロロ解釈となります。妄想過多な解釈ですが、こんな解釈もありだな、と思って頂けると嬉しいですね!