いよいよ…



「ふぁっ!?」
ぐ! と一瞬の圧迫感を持って奥まで侵入した指が、ぬちぬちと卑猥な音の衣を纏って抜き差しされるではないか。そのまま指がくるくる回り、まるで天化の粘膜が発を欲するのを待っているかのような、ねっとりと熱情にまみれた動きで天化を攻める。ああ!
「ぅぁっ、ぁ……や、王サマ、やめっ……あっだめ、さ!」
「可愛い声、出てきたな……もっと聴かせて? 天化ちゃん?」
「るっさい! やめ! ろ! やっ、ぁんッ!」
熱の篭ったその指が最奥でぐっと曲げられる。またその指を伸ばしては優しく優しく掻き回す。天化の内部を熱く拓くように、瞬間に溢れた痛みすらむず痒さとなって天化を襲った。声なく悶えた脚が思わず発の首を締めるほどに。
「っだーもう! 足癖悪ィな!」
困った顔で笑いながら許してしまうのだから発も重症だ。バタバタ呼吸するように暴れた足裏を左手で撫でてやれば、
「ふひゃっ!?」
とんでもない、あられもない場所が発の指を咥え込んでちぎらんばかりに締め付ける。
「いつもより感度高いな。足で感じんだ?」
「ぅ、るっ、せぇさ……!」
天化の語彙が尽きてきた。当意即妙な舌戦が好きな割に、その実天化の罵倒の語彙は至極少ない。それこそまさに
「オトコノコだなー天化。淫乱。」
その言葉に尽きる。口喧嘩ではいつだって勝てやしないオトコノコ。好きなことを素直に好きだと言えないオトコノコ。そんな裏腹で愛すべきオトコノコはすっかり雄々しく立ち上がり、蜜に濡れて泣いているのに。こんな時ばかり声を低く息を混ぜて届ける発は卑怯だ。それでも違うと首を振る天化と、それも違うと天化とは反対側に桃色の首を振る、憐れなほどに赤く張り詰めた熱の塊。すっかり指が丸まってしまった右足を口に招けば天化がさらに身を捩る。やだやだ、そんな子供のような駄々を捏ねながら。
「やだって…まだこっちも一番気持ちいいとこも触ってないぜ? もうびしょびしょにしてる癖によ」
「!」
そうだ。それが一番の問題なのだ。
発の指に追いかけられる身体の中身が熱くて仕方がないのに、未だに一番気持ちがいい一点にも、本来の性感の源である性器にも触れてやっていない。それにも関わらず全身が快感にうち震え、今にも吐精してしまいそうだった。発の目にもそれは一目瞭然だ。そんなにも感じ入ってしまうのがたまらなく悔しくてならない。
「もっと感じていいんだぜ? ふぇーんふぁ」
「ばっ、王サマ! 喋んなぁっ……ぁっ」

足先を咥えられただけではないか。
[ 3/3 ]
|≫
offline-top




[TOP 地図 連載 短編 off 日記 ]
- 発 天 途 上 郷 -



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -