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馬鹿はからかい甲斐がある



「なまえさん」

「ん?」

「木兎さんが起きません」

「………だからあれほど早く寝ろって言ったのに」

「なんかすみません」

「いや、赤葦は悪くないよ…」

昨日光太郎は夜、クロと赤葦と月島くんを引き連れてずっと練習していた。
絶対に明日に響くと思った私は、「そろそろやめれば?」って忠告したのに、


「ヘイヘーイ!俺を誰だと思ってる!!明日も余裕で早起きするぜーーっ!」

と、私の言うことをあの馬鹿は聞かなかったのだ。

それで、この始末。
あいつそろそろ一回殴ってやろうか。


「いいよ…。赤葦は先に朝ご飯行きな」

「すみません。よろしくお願いします」

相変わらず律儀な赤葦は、頭を下げて食堂へ。本当にいい奴だ。



「さて、叩き起こすか」

そう意気込んで私は光太郎の元へ向かった。

「光太郎!起きて!」

部屋に入ると早速布団を奪い取り、光太郎の身体を揺する。

「あーー…なまえ…?」

「そうだよなまえだよ。さっさと起きろ」

「まだ無理だー……」

だ、か、ら、あれほど早く寝ろっつったでしょうが!!!


……こうなりゃ最終手段。

「ねぇ、光太郎…。私、マネージャー辞めるね。もう、光太郎には付き合いきれないの……。じゃあね」

「ッ嫌だあああああああああ!!」

いっそいで飛び起きた木兎の顔を覗き込んで私はニタリ顔。

「おはよう、光太郎」

「お、ま、マネージャー辞めんのか!?」

真剣な顔で聞いてくるけど、その寝癖で台無しよ。


「なわけないでしょー。ほらさっさと起きて朝ご飯行くよー」

ぽかんとしている光太郎の寝癖のついた髪を撫でて、私はルンルンで部屋を出たのだった。


可愛いなー光太郎は。
からかい甲斐がある。



「またやられたーーーーー!なまえめ!!」



馬鹿はからかい甲斐がある
(「いつかなまえに仕返ししてやるぞ…」)







あとがき

お馬鹿な木兎をからかうのが楽しいなまえちゃん。仲良しな二人の朝の一コマでした。




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