太陽みたいなキミに、
最近、私には気になる人ができました。
名前が分からなくて、“太陽くん”ってこっそり呼んでる。
「っしゃあ!!今日は俺の勝ちだからな!影山がアイス奢れよ!!!!」
「クッソ!仕方ねーな……」
あ、今日もきた。太陽くん。
いつもキラキラしてて、ニコニコしてて、とっても可愛くて素敵な人。
いつも少し怖そうな男の子と、ここまで競争してきて、負けたほうが奢る、ってことになっているみたい。
いつも烏野のジャージを着ているから、きっと烏野高校なんだろうな。
「あの!」
「た、太陽くん!」
「え?」
…やってしまった。ボーッとしてて、目の前にいきなり太陽くんが来たから、思わず頭の中で呼んでいた名前がそのまま口からでてしまった。死にたい。今すぐ消え去りたい……。
すると太陽くんはキョトンとしたあと、すぐに二カッと笑った。
「翔陽と太陽って似てるな!でも俺、太陽って名前じゃないよ!日向 翔陽!!」
「ひ、なたくん…」
「うん!お前、いつもいるよな!」
「えっ、あ、ここでバイトしてるの」
「名前は?」
「あ、え、みょうじなまえです」
「そうなのか!!みょうじさん、いつもサンキューな!」
「おい、そろそろ行くぞ」
怖そうな人に呼ばれた日向くんは、ニコニコしながら手を振って去っていった。
「ひなた しょうようくん…」
思わずにやけちゃう。
名前、知っちゃった…!
しかも名前呼ばれちゃった…!!
二人が付き合うのは、もう少し先のお話。
太陽みたいなキミに、
(恋をしています。)
あとがき
日向は今のところなまえちゃんのことを、なにも意識していませんが、このあと、きっと何かがあるんだと思います。
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