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  devilish(赤黒)





※暴力表現があり






僕は人生において3番目くらいに入る全力疾走をしている。


目的地の部室。
荒々しく開けると目の前には横たわるボロボロに傷ついた男子生徒2人と、赤い髪をもつ生徒が1人。


「赤司くん!!」

「やぁテツヤ。こいつ等が君を傷つけたカス共だろ」

笑顔でボロボロの生徒を蹴る赤司くん。蹴られた生徒は咳き込む。そんなの気にも留めず、赤司くんはもう一度蹴った。


よく見るとボロボロの生徒2人には見覚えがあった。先日、僕が気に食わないのか文句と暴力を振るってきた人達だ。一発しか殴られてないため、大したケガはなく、そこまで気にはしていなかった。

「やめてください、赤司くん!」


「なんでこいつ等をかばうんだい?」

不思議そうに首を傾げた。


「…そんな人達どうでもいいんです」

僕が心配しているのは…。


「もしこのことが学校にバレたら部活を停止させられます」


なんて僕は非道なんだろう。心配すべき所はそこじゃないはずなのに。
昔の僕ならたとえ文句を言われ、殴られた相手だろうが心配する。それが普通の考えであり、反応だ。


けど僕はバスケを通して赤司くんと出会い、変わってしまった。


「なんだ、そんなことか。なら心配ないよ」

えっ…。

「僕がバレるような証拠残すと思うかい?」

「それは、ないですね」


赤司くんの言葉はスッと僕の心を納得させた。確かに赤司くんならそんな証拠は残すわけがない。僕の杞憂だったわけか…。


「じゃあ心配いらないので僕は行きますね」

「お、おい!助けてくれ!!」

蹴られて咳き込む生徒ではないもう1人が僕に助けを求めてきた。だが、僕の心に助けたいという気持ちはまったくない。本当に部活にとって問題がないなら、この人達がどうなろうとどうでもいい。

「赤司くんあとはよろしくお願いします」

僕は早々に出ようとした。

「ああ」

「おい!!」

まだ僕なんかに助けを求めようとして、手を伸ばしてき。けど

「テツヤに触わったら殺すよ」

赤司くんのその一言で手は止まる。

「ヒッ…」

「では、またあとで」

今度こそ僕は部室を後にした。
後ろからは

「テツヤを傷つけたんだから、こんなんじゃまだ足りないよ」
そんな声が聞こえる。


きっとあの2人はもう学校に来ることはないでしょう。


ああなった赤司くんはとても残酷で恐ろしい。

それを知っているのに止めない僕は…。




あぁ本当に僕はなんて人間なんだろう……。




end











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