▼ 11話
そしてまた呼び出された。
「よー、ひばりん!こんな時間に呼び出しとは私への愛の告白?キャー、沙織ちゃん照れちゃうぜ!キャハハハハ!」
「冗談はやめてよ、きもちわるいよ。」
雲雀恭弥は露骨にに嫌そうな顔で言う。
そんなに嫌そうな顔されたら私でも傷つく。
いくら鬼でも傷つくから。
「わー、超ストレート!そんなとこも素敵!…キャハハ、冗談だって!」
「赤ん坊に呼ばれてね、君もついでに連れてこいって。」
「んん?しょうがねーな!寂しがり屋のひばりんの為に一緒に行ってやるぜ!」
そう言って雲雀の後ろについていく。
そして軽くトンファーで殴られる。
雲雀にちょっかい出してトンファーで殴られるのはいつもの事だ。
決してマゾなんかではないけど。
「でも、なんで呼ばれたのさ。」
「…沢田綱吉が人を殺したらしいよ。」
「…は?」
「だから、沢田綱吉が人を殺したらしいよ」
「キャハハ、あの虫も殺せなさそうな沢田がぁ?まじ…?本当にそうなら傑作だよ、沢田家の今日の夕飯はきっと赤飯だよ!!キャハハハハ!」
そしてまたトンファーで殴られた。
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目の前には一軒家、表札には沢田と書かれている。
ここは恐らく沢田綱吉の家だ。
「ここが沢田の家だよね?」
「そうだけど。」
「なんで沢田の家知ってんのぉ?…もしかしてストーカーしてたの?キャー、沙織ちゃんもストーカーされちゃうー!助けてー!キャハハハ!」
そう言って笑っていると雲雀から「うるさいよ」と言われて、案の定トンファーで思い切り殴られた。
「…ったぁー!」
「少し黙っててくれる?」
「わかったってー」
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