隠しシナリオ2あの子は誰? 謎の坂上くん(女PS) | ナノ
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女主人公・PS追加・ゲームオーバー無し
隠しシナリオ2
あの子は誰? 謎の坂上君

「誰かと思ったら荒井さんじゃない。一瞬、私の脳裏を嫌な考えがよぎった。……もしかして、私に用事だったのかしら?例の七不思議のことで…………」


1、その場から逃げ出す』→(最短)→【END私がサカガミくん?】


2、そのまま様子をみる』を選んだ場合
「私、知らないのに……。新堂さんだって、ずいぶんそそっかしいと思うな……。……とにかく、そのサカガミ君って人を捜してみようか」


1、そうしよう』→(風間さんと出会う)→【END私がサカガミくん?】

2、やっぱりやめておこう』→(細田さんと出会う)→【END私がサカガミくん?】



夏休みが、間近に迫っていたある日のこと……。
私は、ようやく完成した原稿を手に、新聞部の部室へ向かっていた。
今回の特集は、学校の七不思議。

……思えば、日野先輩からこの企画を持ち掛けられた時から、私の運命は決まっていたのかもしれない。
七不思議の取材の時から、本当にいろんなことがあったわ。
いろんなことがあり過ぎて、記事をまとめるのに苦労したもの。

でも、苦労した分だけに、この原稿にはちょっと自信あるんだ。
日野先輩、誉めてくれるかしら?

「部長とも話していたんだが……。
君になら、安心して新聞部を任せられる。
頼もしい後輩を持って幸せだよ」
……なんてこと、いわれちゃったらどうしよう。
部長なんて大役、私には荷が重いけど……。

断ったりしたら角が立っちゃうわよね。
倉田部長かぁ……。
なかなかかっこいいじゃない。
…………って、気が早すぎるかしら?
うふふふ……。

さてと、部室についたわ。
日野先輩は、もう来てるかしら?
私は、意気揚々と部室のドアをノックした。
「失礼しまーす」
……あっ、いるいる。
うふふ、早くこの原稿を読んでもらわなきゃ。

「なんだ、倉田じゃないか。
やっと原稿が完成したのか?
ずいぶん遅かったんだな。
まあ、とにかく後で読んでおくからそこに置いといてくれる?」
……えっ?
たった、それだけ?

なんだか想像してたのと違う。


1、原稿を置いて帰る
2、今すぐ読んでくれるよう頼む



『1、原稿を置いて帰る』



「……わかりました。
じゃあ、ここに原稿を置いておきますから、後で必ず読んで下さいね」
「ああ、わかってる。ちゃんと読むよ」

その言葉に安心して、私は部室を後にした。
……と、数歩も歩かないうちに部室のドアが開いて、

「おい、倉田。
ちょっと……」
……って、日野先輩が手招きするの。
もう読んじゃったのかしら?
私、ウキウキしながら部室へ引き返したわ。



『2、今すぐ読んでくれるよう頼む』



「先輩……!
そんなこといわないで、今、ここで読んで下さい。
命懸けで取材したんです……。
必死に記事をまとめたんです……。
あまり時間がないというのなら、さっと目を通すだけでもかまいません!
どうかお願いします!」

……一生懸命頼んだわ。

「わかった!
わかったから、そんなに詰め寄るなよ」
その勢いに飲まれたのか、日野先輩は目を丸くしながら、コクコクとうなずいてた。
そして、慌てて私の原稿を手に取る。

「そんなにいうからには、かなり内容に自信があるんだろうな」
「もちろんです」
私は自信たっぷりに答えた。
「そうか……」
それだけいうと、日野先輩は静かに原稿を読み始めた。

最初は眺めてるって感じだったけど、そのうちに真剣な眼差しに変わっていって……。
あっという間に読み終えちゃった。



※以下同文※



いっきに読み終えたってことは、読みやすくまとまってたってことよね。
……さあ、なんていうかしら?
ベタ誉めされた時は、けんそんした方が奥ゆかしいかしら?
それとも、素直に喜んだ方がかわいいのかなぁ。
ああ、ドキドキする……。

「倉田……」
原稿をトントンと揃えながら、日野先輩がゆっくりと口を開いた。
「はい!」
期待を込めて次の言葉を待つ……。
……と?

「……駄目だね」
……えっ?
「使えないよ、こんなんじゃ」
…………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………………………
ガーーーン!
ショック……!!

「文章は稚拙だし、構成だって甘い。
誤字脱字だって、けっこう目についたぞ。
小学生の作文じゃないんだからさ……。
もっとしっかりした原稿を書いてくれなきゃ困るよ。
それに……。

七不思議だっていうのに、六話しかないじゃないか。
いくらクラブ活動でも、こんな完成されてない記事を使うわけにはいかないね」
…………ひどい。
日野先輩ったら、そこまでけなさなくてもいいじゃない……。

「倉田に、特集の企画を任せるのは早すぎたな。
ま、気にするな。
……もう帰っていいぞ」
そ、そんなぁ……。
あんなに苦労したのに、たったそれだけなの?

しかも、せっかく書いた記事をボツだなんて…………。


1、もう一度チャンスが欲しいと頼み込む
2、すごすごと引き下がる



『1、もう一度チャンスが欲しいと頼み込む』



「お願いします!
日野先輩……。
もう一度、私にチャンスを下さい!」

「ああ?
何いってるんだよ。 
倉田には、まだ無理だって。
さ、早く帰りな」

取り付く島もなく、私は日野先輩に追い立てられるように部室を出た。

「先輩……!
……日野先輩!」
私は部室のドアを叩いて、先輩の名を呼んだ。
……もう一度だけ、チャンスが欲しい!
すると……?
ドアがカチャリと開いて、日野先輩の顔が覗いた。

「倉田……。
この後、人と会う約束があるんだ。
君がいると話ができないから、早く帰ってくれよ」
そして、バタンと音を立ててドアが閉じられる。

……もう!
聞く耳持たないってことね。
イーーーッだ!
私……、ついカッとなってドアを蹴飛ばしたの。
……その時。
「倉田さん……?」
突然、背後から声がした。

驚いて振り返ると、見知らぬ男の子が立っている。
……誰!?
私ったら、とんでもないところを見られちゃった。
恥ずかしくって、顔が見れない……。
もう七不思議なんて、どうなったっていい。

早くこの場から逃げ出したい……。
「あ……。
さ、さよなら……」
私は、顔を合わせないように下を向いたまま、そそくさとその場を離れた。

男の子が……。
新聞部の部室が、遠ざかって行く。
「やあ、サカガミ。
お前に頼みがあったんだ。
早く、中に入れよ……」
遥か後ろの方で、日野先輩の嬉しそうな声が聞こえてきた。
……サカガミ?

それが、あの男の子の名前なの……?



『2、すごすごと引き下がる』



なんだか、すっかりやる気が失せちゃった。
私は原稿を手に、すごすごとドアへ歩いた。
「……さようなら」
ぶっきらぼうに挨拶だけ済ませて外へ出る。

……と、その時日野先輩の呟きが聞こえて来た。
「こんなことなら、最初からサカガミに取材させておけばよかったな……」
……サカガミ?
いったい誰のことだろう?
新聞部にそんな人いたかしら?
うーん、まだよく覚えていないからなぁ。



※以下同文※



ちょっと興味あるけど……ま、いっか。
日野先輩の知り合いみたいだから、明日にでも聞いてみようっと。

……その翌朝。
「恵美ちゃーーーん!」
登校中の通学路で、私を呼び止める声がした。
ポンと肩を叩かれて振り返ると……。

……なんだ、福沢さんじゃない。
「恵美ちゃん、おはよう。
ね、ちょっと聞きたいんだけどさ。
この前の七不思議って、いつ新聞になるの?
私、早く読みたくって……」
……うっ!

朝一番から、痛い所を突く質問だなぁ……。

記事がボツになったなんていったら、やっぱりショックかしら?

うーん、そうかといって変に期待させるのも悪いし……。


1、素直に事実を話す
2、適当にごまかす
3、調子のいいことをいっておく



『1、素直に事実を話す』



「実はさぁ……。
あの記事、ボツになっちゃったの」

「えっ……?」
……しまった!
福沢さんたら、泣きそうな顔になっちゃった。
ここはごまかすしかないわ。
「な、なーんてね。
ジョークよ、ジョーク。
あれねぇ……。
いつ頃になるのか、ちょっと私にもわかんないんだ。

明日かもしれないし……。
五年後ぐらいかもしれない……。
あは、あはははは……」
「五年後……?」
「うーん、三年後だったかなぁ……。
あはは……。
そ、それじゃ私、急ぐから先行くね。

……じゃ!」

私は適当にごまかすと、その場からダッシュで逃げ出した。



『2、適当にごまかす』



「ああ、あれね……。
……うーん、いつ頃かなぁ。
私にもちょっとわかんないんだ。
ごめんねぇ。
あは、あはははは……」

「ふーん、そうなの?」
「うん、そうなの。
あはは……。
そ、それじゃ私、急ぐから先行くね。
……じゃ!」

私は適当にごまかすと、その場からダッシュで逃げ出した。



『3、調子のいいことをいっておく』



「ああ、あれ?
ヤダ、とっくに新聞になってるよ。
……まだ見てなかった?
おかしいなぁ。掲示板にも貼ってたはずなのに……。
誰かが剥がしちゃったのかなぁ?」

「そうなの……!?」
「そ、そうだよ。
うーん、まだ新聞部に残ってたかしら……。
残ってなかったと思うなぁ。
そうだ……!
私、部室に行って調べておくね。
それで、残ってなかったら諦めて。

あはは……。
多分、残ってなかったから……。
そ、それじゃ私、急ぐから先行くね。
……じゃ!」

私は、調子のいい言葉を並べておいて、その場から一目散に逃げ出した。



※以下同文※



「あ、待って…………」
福沢さんが何かいって追いかけて来るけど、そんなことまで聞いてられない。

ボロが出ないうちにどこかに隠れなきゃ。
……早く教室に入っちゃうのが一番ね。

慌てて階段を駆け上がり、三階の廊下の突き当たりにある一年E組の教室まで走る。
あと三メートル……。
二メートル……。
一メートル……。
ついた……!
……と思った瞬間、目の前に突然人影が現れた。

あっ……と思った時には、私は廊下の上に倒れてたわ。
人影と衝突しちゃったのね。
「ううっ……」
人影の方も、うずくまって頭を押さえてる。
あ……。
誰かと思ったら荒井さんじゃない。

一瞬、私の脳裏を嫌な考えがよぎった。

……もしかして、私に用事だったのかしら?

例の七不思議のことで…………。


1、その場から逃げ出す
(最短)


2、そのまま様子をみる
(新堂さん)