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Nとトウコが再会する話1  


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N主♀です。キットN主♀ダヨー(泣)

ここから下はカッコイイN君はいません。
加えて扱いがひどい。

それでもいいよって方は↓




チェレン視点で進んでいきます


トウコがイッシュに帰還してからは、よくベルの所へ遊びに行っているらしい。
と言っても今やベルは博士の卵。おしゃべりが過ぎるとアララギ博士に止められてしまうとトウコは文句を言っていた。
今日は珍しく時間が空いたのでカノコタウンに戻ってみよう。
トウコに聞いておきたい事があるからね。Nのことについてだ。

故郷に到着するとさっそくトウコの家を訪ねる。

「おーいトウコ!いるんだろ?」
「チェレン?珍しいわね。ジムの仕事はいいの?」
「少し時間が空いたからさ。ちょっと話しておきたいことがある。」
「...ここじゃ悪いから取り敢えず中に入ってよ」
「おじゃまします」

「で。話って何?」
「単刀直入に言おう。君はこの2年間ずっとNのことを探していたんだろう?」
「違イマスヨ」「図星だね」「うっ」

「Nはイッシュに戻って来ているらしい。金曜日にライモンシティの観覧車前に居るって話だ。」
「ソレどこ情報?」
「学校の子ども達から」
「何で子どもがNの事知ってるのよ!?」
「緑髪でポケモンの声が聞こえる兄ちゃんが居るって言ってた。間違いない。」
「...それは間違いないないわね。」

「金曜日か。明後日ね...情報ありがとう!」
「会いにいくのかい?」
「まあね。」



「えー!金曜日はアララギ博士とフィールドワークに行く予定なのにぃ!」


「「ぎゃああああ!!」」


「ってベルいつの間に!?驚かさないでくれよ」
「アンタおじゃましますの一言ぐらい言いなさい!」
「研究所の仕事はどうしたんだい?」
「ちょっとくらいはバレないかなって(てへぺろ)」
「結構図太いわねアンタ...」
「えへへ〜(照)」
「うん。褒めてないからね?」
「トウコと一緒にN君に会いに行きたかったのになあ〜」
「なんでアンタが一緒に来るのよ」
「だからアタシの代わりにチェレンが一緒に行ってくれるって!」
「why!!?」

急に話を振られて上手く対応できなかった。ベルの奴なんて言った?トウコの怪訝な顔を見るに僕の聞き間違いではなかったようだ。そんな目でみるな。僕は無実だー!

「おいチェレン」
「僕は知らないっ!ベルに聞いてくれ!」

「この2年間でN君がどう変わったのか気にならない?ヒトとポケモンを見つめ直して彼が導き出した答え一体なんなのか?その答えはアタシも興味あるし、この機会にN君の話を聞ききたかったのにな〜って事」

「べ、ベルが研究者みたいな事言ってる!?」
「もうトウコったら!アタシだって研究者の端くれなんだよ〜?」

「というわけでチェレン!その答えをアタシの代わりに聞いてきて欲しいの!」
「そこまで言うんだったら...」

ベルの気迫に押されてその時は気づかなかったが、ベルの質問はトウコがNに聞けばいい事じゃないか?という疑問は僕やトウコの頭に浮かばなかった。

「チェレン金曜日大丈夫?」
「...ジムは休みにして学校は他の先生に任せるよ」
「決まりだね!報告まってるよおウフフ」



そして来たる金曜日。ライモンのポケセンの前で待ち合わせをしている。

「よっチェレン!待った?」
「別に。ほら早く行こう」
「感動の再会を果たしてやるわ!しっかり目に焼き付けておきなさい」

その言葉に一抹の不安を抱く。普通だったら感動的なシーンが予想されるが...
あのトウコだからなあ...うん。
そして観覧車に近づいていく。Nがこちらに気づいたようだ。目を見開いている。

『トウコ...?トウコなのかい!?』
「N...」
『ずっと会いたかった!!』

僕の事はアウトオブ眼中かよ。別に構わないが。
Nは両手は広げて笑顔を向けている。アイツも変わったんだな。
トウコに目線を送る。

...気のせいだろうか?彼女から絶対零度級の冷気を感じるのは。

『あぁ!夢でも見ているのかなボク』

Nはそう言いながらトウコに歩みを進めた。彼女もそれに応えNに駆け寄っていく。

『トウコ、ボクと友だちに―』

その瞬間彼女は華麗に跳び上がり、そして
彼女の膝がNの顔面にクリーンヒット!!
Nの体はきれいな放物線を描いて吹っ飛んでいった。
ポケウッド級の大迫力なシーンだな、と僕は他人事のようにその惨状を見ている。
コジョンドも真っ青なとびひざげりが決まった。


「てめー私に無断でイッシュに帰ってきやがってこんにゃろー!」
『ぐはあッ!!』

嗚呼、悲しきかな。{感動の再会}は見事に砕け散った。
Nのことを哀れに思う反面、トウコに対し「グッジョブ!よくやった」
と心の中でつぶやく。

『と、とうこ。アリガトウ』
「飛び蹴りくらってありがとうってアンタMなの?」
『ボクはNだ』
「知ってるつーの!」
『...ずっと前から言いたかったんだゲホゲホッ』

「ふぅん?まずは礼じゃなくてゴメンナサイって土下座するのが礼儀よね!」
『DOGEZA?』

「私の{はじめて}を台無しにしやがってこのー!」

は、はじめて?何のことだ?

「アンタのせいでベルとチェレンで仲良く旅する予定だったのにめちゃくちゃよ!」

そういうことか。彼女がそのように考えててくれたのは素直に嬉しい

トウコの猛攻は続いている。
N。まあ、いい奴だったよ―キミのことは忘れない。

トウコは容赦なくジャブを仕掛ける。彼女のパワーを侮ってはいけない。
昔それでメガネを粉砕されたことがあるからね。
観覧車の前で大騒ぎしていたのでギャラリーが集まってきていた。

『ちょ、ちょ、やめたまえトウコ!』
「うん。そこまでにしてあげたら?」

彼女は僕の意図を理解したらしく攻撃を止める。

「場所を移そうよ」

ライモンシティ内のベンチに腰掛ける。Nは満身創痍という感じだが表情は笑顔を浮かべている。そんなにトウコに会えて嬉しかったのかキミは。

『機嫌をなおしておくれよ、トウコ』
「トウコトウコうっさいわ!気安く呼ぶんじゃないわよ」
『...ゴメンナサイ』

Nはシュンとしている。叱られたヨーテリーのようだ。

「...まあ、プラズマ団のことについてはトウコ様の寛容な御心で水に流してあげてもいいかなー?」
『許してくれるのかい?』
「その話は置いておくとして、私の2年間をどう落とし前をつけてくれるのかしら?」
『え?』
「トウコはね。キミをずっと探していたんだよ?」
『そ、それホントなの??』
「...否定はしないわ」

『ボクもずっとキミに会いたかった!自分の気持ちに区切りをつけるのに少し時間がかかったけど、でも!ボクはキミのことを素晴らしいトレーナーの一人として向き合いたい!!』

「私はアンタを一発ぶん殴るためにアンタを探していた訳だけど」
『』

「...最後にあんな捨て台詞言ってサヨナラなんて卑怯よ」
『ゴメン。よく聞こえなかったからもう一度言って―』
「あー!もうっ!N!今からヒウンアイス買ってきなさい!チェレンの分もね」
「ここからヒウンは少し遠くないか?」
「いいのいいの!それにヒウンからライモンに出張店が来てるって。ベルが言ってたもん」

『...それでキミの気が済むのなら』

「それでこの件についても水に流してあげなくもないわよ?」
『行ってくる!!待っててくれたまえ!!!』

Nは死んだ目からキラキラと輝いた目に変わった。意外と単純な人間なのかもしれない
子供のような無垢な笑顔で鉄砲玉のように走っていく。


「私はアイスごときで買える安上がりな女じゃないわよ?」
「そう言うと思ったよ」

彼女はニッと笑顔を作り僕にウインクをする。
トウコは男勝りな部分があるが顔は超美人だ(これはベルの言葉を引用したものだが)
僕もトウコのことは可愛い女性だと思っている。下心があるわけじゃないぞ決して!

「チェレン。なんか様子変〜」
「な、なんだ?別にどこもなんともないよ?」
「...そう?」

これ以上は墓穴を掘りそうだったので話題を変えることにした。

「なぁ。Nの奴遅くないか?」
「言われてみれば...寄り道してたらタダじゃ置かないわよ」
「そもそもアイツ店の場所知ってるのかな?」
「あ」

「「...。」」

「ちょっとチェレン!探してきなさい!」
「なんで僕が!?だったらトウコも一緒に来いよ」
「あのバカが戻ってきたらどうするの。私はここに居るわ」
「...(メンドーだな)」

「オラ下僕!ぼさっとしてないでちゃっちゃとNを拉致ってくるんだよ!」
「誰が下僕だ!!」

ド○ンジョ様の如く僕に命令してベンチにふんぞり返るトウコの姿があった。

「まったくメンドーだな!!」

悪態をつきながらいつも彼女の言うことに従ってしまうのは僕の悪いところだ。
ホント今日は厄日だね。



その2へ続く


追記

男性陣の扱いひどすぎますねコレ




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