未来への魔法 | ナノ
素直じゃない俺


目が覚めたら、
「おはよう。1番組組長さん。」
と言われた。

何がどうなっているんだ・・


「・・・は?」

「今まで僕が1番組組長だったんだけど、今日から組長・・いや、”元”組長看護兼監視になったから、薫に組長をやってもらおうと思って。」

「話がよく分からない。俺達敵だろう?」

「え、友達じゃん!」

「誰が友達だ!!」

「ねぇ、ここ僕の部屋なんだけど。」


俺達は今沖田の部屋にいる。
目が覚めてゆきに連れて行かれた先がここ。


「ゆき、僕は組長に戻るよ。」


ほら。沖田がそう言えばゆきは顔を歪める。
もし俺が沖田を殺していたらコイツは・・


「沖田のどこがいいんだか。」

「なに、薫。」

「別に。」


ゆきの泣き顔は一度だけ見たことがある。
あれはきっと忘れられない。
そしてもう二度と見たくない。


「まぁ、とにかく。沖田さんはもう組長じゃないから。
薫が組長だよ!」

「ちょっと、ゆき!」

「・・ま、別にいいけどね。」


素直じゃない俺
(たまには人助けもいいかな、)
(なんて思った。)


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