黒子のバスケ(長) | ナノ




07:友達

薄汚れたフランス人形を引き出しから出した瞬間人形が赤い涙を流す。

『なっ…』

吃驚して人形を投げてしまいそうになるが小さくか細い声が聞こえた。

「…トモダチ…」
『えっ、何…』
「トモダチ…サガシテ…」

どうやらこのフランス人形は友達を探して欲しいみたいだ。
これもこの廃校から出る鍵になるのだろうか?

ポーン

<ミッション>
友達を探せ
報酬:???

報酬が?としか書かれておらず分からない。
ただミッションはクリアしなくちゃいけないので人形の目元を優しく服の袖で拭いてあげる。

『お友達探してあげるから泣かないで』
「アリガトウ」

心なしか人形が笑った気がする。
校長室から出て鍵を掛けた職員室のドアに近寄り廊下の様子を窺う。
ゾンビの呻き声等が聞こえないので鍵を開けて左右を確認して廊下に出た。
勿論先程のフランス人形を抱き抱えながら。

「トクベツトウヘ」

人形がスッと指を指す。
特別棟に行けと指示された。
そこに友達が居るのだろう。

『分かった』

階段を上り2階の渡り廊下を歩く。
勿論ゾンビに出会う事になってしまったが自分から遠く離れていたので無視をして早足で歩いた。

壁に特別棟と書かれたプレートが見えて目の前には化学室、右は階段があって左に行けば家庭科室がある。
人形は左側を指差す。

家庭科室のプレートの下に安全保障エリアと書かれていた。
ドアには鍵が掛かっている。
職員室から持ってきた鍵の1つが正解だったらしく中に簡単に入る事が出来た。

2020.6.26.



[ 9/18 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -