貴方に隠し事は出来ない(クローリー)
私は人間、クローリーは吸血鬼。
縁があってクローリーに引き取られた私は成長するに従ってクローリーに恋という感情を抱き始めた。
吸血鬼に恋愛感情は無い。
だから口に出来ない。
「優花」
『あっ、クローリー』
「何か考え事かな?」
『…大した事じゃないよ』
「そう?」
クローリーから話しかけられている事に気づかなかった。
ベットに腰掛けていた筈なのにいつの間にか見える景色は天井とクローリーの顔。
『く、クローリー…何するの?』
「何もしないよ。…今は、だけどね?」
『…っ』
押し倒された事を脳が理解すると身体が熱を持ち始める。顔近いし、身体密着してるし、疑うようなクローリーの顔も格好良いななんて考えちゃうし…なんて誤魔化そう…?
「優花…昔から僕に隠し事は駄目だって言っただろう?正直に今考えてる事を言いなさい」
『…っ』
胸が爆発しそうな勢いで動いている。もう、逃げ道なんて無い。口に出すしかないのだ、私の芽生えたこの恋心を。
『クローリーが…好き…なの』
「……優花」
ちゅっ
驚いた表情を浮かべるより先にキスをされて私は静かに赤くなった顔を隠すようにクローリーを抱き締めた。
2017.2.2
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