誰かに会うのではないか、こんな風に手を繋いでいるのを見られたらリヴァイの沽券に関わってしまう、と焦った気持ちを隠せずに手を引こうとするが、それをリヴァイは許さない。
「あの、どこに…」
「色々言いてぇことも話してぇこともあるが…まずは場所を変える。見せたいものがあると言ったろ」
ナマエからも聞きたいことがたくさんあるが、先ほどのリヴァイの色々な言葉がぐるぐると頭を周り、うまく声に出せない。あれが夢でなければものすごいことを言われた気がする。
「…ここだ」
「え?ここって…?」
兵団を一旦出て、ぐるりと裏手に回ったところにあったこじんまりとした家の前でリヴァイが立ち止まる。幸い誰にも見られずに辿り着くことが出来たが、何故この家に?と混乱のまま手を引かれ続けた。
「まぁとりあえず…座れ」
「え、でも…どちら様のお家なんでしょう…?」
殺風景な家だった。テーブルと椅子、それにいくつかのカップや水差しなど必要最低限のものしかなく、まるでこれから誰かが越してくるのを待っているようだ。
「ナマエの家だ」
「はぁ、私の………私の?」
漸く手を離して椅子に座ったリヴァイが告げた簡潔な言葉に頷きかけて、固まった。間違いでなければ今、リヴァイはナマエの家だと言わなかったか。
「えっと…誰の家なんでしょう…?」
「だからお前の家だと言ってるだろ」
「は…はいっ…?何言って…何言ってるんですか!?」
さも当然、というように、座ったままナマエを見上げたリヴァイが心外そうに片眉をあげた。
「相談もせずに決めちまったのは悪かったが、ここなら兵団の裏だし安全だ。何より俺も帰ってきやすい」
「だから何言って…家って…家ですよ!?」
落ち着け、とナマエに掌を向けたリヴァイの淡々とした説明を、どうにか落ち着いて必死に頭に入れていく。
曰く、この世界での戸籍が出来たナマエは職や家を持つことが出来るようになったという。兵士でもないナマエが四六時中兵団にいたのでは気が休まらないだろうと、エルヴィンとリヴァイが部屋を探していたところこの家を貸し出しているのを見つけたらしい。
「見ての通り兵団の真裏だからな。あまりに近すぎて嫌だとなかなか借り手が見つからなかったらしい」
「でも…家なんて、私、家賃を払えるお金が…」
「ナマエの家ではあるが、俺が借り手になっている。その点は心配するな」
「っ、はいっ!?」
色々考えてくれたのは嬉しいが、ナマエの薄給では先立つものが心配だ。だがあっさりと告げられたリヴァイの言葉にナマエは目を剥いた。
「リヴァイさん…何…何を…」
「本当はこうなる前にきちんと話すつもりだったんだが…お前が俺のことを避けまくってたからな」
「さ、避けてたわけじゃ…」
「…さっきのクソみてぇな話を聞いてりゃ、ナマエがどんな気持ちで何を考えて急に焦ったのか、それなりに想像はつく」
「…ごめんなさい」
「壁外調査から帰ってきた俺らを見たのか」
静かな問いかけにゆっくりと頷いた。誤魔化すことも嘘をつくこともしたくない。
「…気分がいいもんでもねぇだろ。だから来るなと言ったんだ」
「でも…私がちゃんと知るべきでした。逃げてたのは…私の方です」
リヴァイの青灰色の瞳が先を促すように細められた。向かいの椅子に腰を下ろしたナマエは、一つ息を吐いて唇を開く。想いを聞いて欲しかった。
「…リヴァイさんもご存知の通り、私の世界には争いごとはありません。いえ、あるんですが身近ではないんです」
「そうだったな」
「だから軍隊も…調査兵団とか駐屯兵団みたいに常に戦いの場に身を投じているような軍隊は存在しないんです。少なくとも私が住んでいた国には」
だから「兵士長」がこんなに重いものだと知らなかった。人類の希望と呼ばれることが、こんなにも重責なのだと理解していなかったのだ。
「私にとってのリヴァイさんは…兵士長だけどただのリヴァイさんで…。あの、説明がうまく出来ないんですけど、兵士長っていう役割はあるけど普通の人というか…」
「…あぁ」
「でもそれがそうじゃないって彼女に突きつけられて…本当は私なんかが簡単にそばにいられる人じゃなかったんだって。あまりに私が無知だったから…」
知識としては知っていても、理解はしていなかった。平和ボケしたナマエの頭では、巨人と戦うことが、壁外調査に向かうことがどれだけの意味を持ち、その全ての期待がリヴァイに向けられているなんて思いもしなかった。
「だから…せめてちゃんとこの世界のことを知ろうと思ったんです。知って、ちゃんと理解して、その上で私が出来ることを探そうと」
「それがあの馬鹿みてぇな詰め込みってことか」
「う…すみません」
小さく縮こまるナマエを尻目に、リヴァイの纏う雰囲気はひどく穏やかで優しい。
「…お前は分かってねぇんだろうな」
「え…?」
「お前がそうやって俺を…俺たちに普通の人間として接してることが、どれだけ救われることなのか分かってねぇだろ」
「え、ええと…?」
眉間に皺を寄せたのはいつもと逆でナマエの方だった。それに喉の奥で笑い、リヴァイが何かを堪えるようにゆっくりと天井を見上げる。
「さっきの女の言葉を聞いただろ。俺を人類最強の兵士として神格化し、それを崩そうとする奴を排除する」
「…はい」
「あそこまで極端な奴は珍しいが、大なり小なり誰もがそんな幻想を抱いてる。俺だけじゃねぇ。エルヴィンにもミケにもハンジにも…言うなれば調査兵団ってやつに希望を抱いてる奴らも少なくねぇんだ」
「はい…わかります」
「俺たちはそれを背負っていくと決めてここにいる。死んでいった奴らに報うためにも、途中で投げ出すわけにはいかねぇんだ」
そう言い切ったリヴァイは天井から目線を戻し、しっかりとナマエと目を合わせた。そこに宿る決意の色にナマエも背筋を伸ばす。
「俺はこれからも進み続ける。もしかしたら壁外で命を落とすかもしれない。こればっかりは分からねぇ。巨人と相対すればいつだって情報不足だからな」
「は、い…」
震えそうになる声を必死に押さえた。リヴァイの進む道が平坦ではないと分かってはいたが、それを直接彼の口から告げられると背筋が冷えていく。
「…だが俺は死ぬ気はねぇ。ナマエ、お前は俺と共に生きていきたいと、そう言ったな」
「っ…!」
今度こそ身体が震える。誕生日のあの日、リヴァイに告げた気持ちに揺るぎはない。だがリヴァイの背負う重さを知れば知るほど、自分が隣にいるのは不釣り合いなのではないかと足が竦む思いがしたのも事実だ。
「ナマエ、その気持ちに今も変わりはねぇか」
「え…?」
「…ああいう男前な台詞は、俺に言わせろってんだ」
「え、えと…リヴァイさん…?」
急に不貞腐れたように呟いたリヴァイに首を傾げるナマエ。パチパチと目を瞬かせたナマエが座る椅子の前に、立ち上がったリヴァイがゆっくりと進んでくる。
「お前が俺と一緒に生きていきたいと…元の世界でなくこの世界を…俺を選んでくれるなら、この家で俺の帰りを待っていてほしい」
「っ、それって…」
「俺の帰る場所になってくれ、なんて気障ったらしいが…ナマエがこの家で笑顔で待っていてくれる限り、俺は必ずお前の元に帰ると約束する。元の世界を捨てて俺を選べ、ナマエ」
そう言って手を伸ばしたリヴァイの胸に思いきり飛び込んだ。ギュッと強く抱きついたナマエをしっかりと受け止めて、リヴァイの力強い腕がナマエの背中に回る。
「最初っから、そのつもりです…!」
「…後悔はしねぇか」
「しません。後悔するくらいなら…自分で幸せを掴み取りに行きます」
「はっ…それでこそ俺が惚れた女だ」
小さく笑ったリヴァイの振動がナマエの心臓に伝わってきた。「好きだ」と鼓膜を震わせた小さな愛の言葉を胸に、ナマエは元の世界へとサヨナラを告げた。
▼
「家をプレゼントするなんて、さっすが人類最強はスケールが違うねぇ!」
「私もリヴァイから相談は受けた時は驚いたものだよ」
「…流石にびっくりしました」
ナマエが淹れた紅茶を片手に、ハンジが大袈裟に首を振った。今日はナマエが持つ元の世界の知識を元に、医療体制の見直しの相談をエルヴィンとハンジから受ける日で、三人は束の間の休憩を謳歌していた。
「でもナマエ…本当にいいの?元の世界への手がかりを探すのやめちゃって」
「…はい。その時間を兵団のために使った方が有意義ですから」
「ありがとう、ナマエ」
ナマエの清々しい横顔にハンジも「そっか」と優しく答え、エルヴィンは心からの礼を送った。
そして紅茶を啜りながら何食わぬ顔で問いかけた。
「時にナマエ、リヴァイとはどうなったんだ?」
「えっと…」
「そうそう、リヴァイがこの前すっげぇ怖い顔でエルヴィンに突きつけた人事異動の要望があっただろ?どうせナマエ絡みなんだろうなぁと思ったんだけど…」
「あはは…」
ナマエに詰め寄ってきたあの女兵士は駐屯兵団に異動になったらしい。ナマエがきっかけというより、異性関係で何度も問題を起こしていたようだ。
「それで?リヴァイとは付き合ってるんだろう?」
「何言ってんだよエルヴィン。当たり前じゃん。なんせ家をプレゼントして、さらに同棲してるようなものなんだから」
「ど、同棲って…」
ナマエが引っ越してから一ヶ月が経つが、リヴァイもちょくちょく泊まりに来ていた。兵団の真裏とはいっても誰も寄り付かないような場所だからか、リヴァイも誰かに見られることをあまり気にしていないようだ。
「とにかく良かったよ。これでリヴァイもより一層最強度があがるね!」
「あぁ、めでたいことだ」
「…私なんかがリヴァイさんの隣にいていいのかなって今でも思うことはあります」
エルヴィンとハンジの祝福を苦笑で受け取りつつも思わず本音が溢れてしまう。
兵士でないどころか、違う世界から来た自分ではもしかしたら一生リヴァイの全てを理解することは出来ないのかもしれない。
「ナマエはそのままでいいんだ」
「エルヴィン団長…?」
「リヴァイにとって…我々にとってナマエがそのままでいてくれることが、何よりも力になる」
「え…?」
「そうそう!私たちって変人奇人の集まりでしょ?ナマエくらい良識的でマトモな神経の子がいないと崩壊しちゃうよ」
「別の世界から来たってだけで十分変人だと思いますよ」
それもそうか、と笑うハンジにナマエも声を上げて笑った。この人たちが笑って過ごせる場所になれるように、ナマエはナマエなりに努力するだけだ。
「それはそうと、ナマエ、エルヴィンについて中央に行くんだって?」
「あ、そうなんです。中央の方には珍しい食材もあるみたいですし、皆さんの身体のためになるようなものがあればって」
「ナマエはほんっとに勉強熱心だねぇ…。ところでそれはリヴァイは…」
ハンジが半笑いで問いかけた瞬間、ガコンッと凄まじい音とともに団長室の扉が開かれた。開かれた、というよりも吹き飛ばされたに近い。
「…オイ、エルヴィンのクソ野郎はいるか」
「リ、リヴァイさん…?」
「リヴァイ…仮にも団長の私にそんな…」
「黙れクソが。ナマエを中央の豚どものところに連れていくとはどういう了見だ」
「誤解だ。ナマエのメインはそれではなくて…」
「そ、そうですよ!私が中央にある八百屋さんを見たいって言ったらエルヴィン団長が丁度夜会があるからって…たまたま連れて行ってくださることになったんです」
「ほう…ならエルヴィン、ナマエは夜会には出ねぇんだな?」
「…それは」
「あ、夜会にはご一緒させて頂きますよ?夜会がどんなものかは分かりませんが、とりあえず立ってるだけで大丈夫だと…」
「よしエルヴィン、表に出ろ」
慌てて仲介に入るナマエを優しく腕の中に引き寄せたリヴァイだが、視線だけは射抜くようにエルヴィンを睨みつけている。下を向いて必死に笑いを耐えているハンジも震える肩は隠せていない。
「まぁ待てリヴァイ。ナマエを悪いようにはしないと約束する。兵士のためにもナマエのためにも、新しい食材を開拓するのは団長の役目だろう」
「お前の考えはよく分かった。とりあえず表に出ろ。話はそれからだ」
「あの、リヴァイさん、」
「落ち着けと言っているんだ。ほら、お前もナマエの晴れ姿は見たいだろう?」
「黙れ。見るのは俺だけでいい。エルヴィン、てめぇも見るな」
「リヴァイさん、あの、リヴァイさん」
「無茶を言うな。大体お前が夜会の誘いを片っ端から断るから全て私が行くことになるんだろう」
「はっ、知るか。それこそ団長の仕事だろうが。とにかくナマエを巻き込むな。中央に連れていくことは俺が許さねぇ」
「えっ…」
いつも通り頭上で交わされる応酬になんとか入ろうと足掻いていたナマエだが、きっぱりとリヴァイに言い切られたことにしゅんと肩を落としてしまった。
「…オイ、ナマエ、どうした」
「中央、行けないんですか…?」
「お前…そんなに夜会に出てぇのかよ」
「夜会?夜会なんてどうでもいいんですよ。卸業者さんから聞いたんですけど、中央で扱ってる食材の中に睡眠不足と疲労を解消する新しい野草があるんですって」
「…それがなんだ」
「値段も高くないみたいですし、そこの卸業者を通せば調査兵団でも使える流通経路があるんです。だから…」
「直接確かめにいきたいと?駄目だ、俺がいる時にしろ」
リヴァイの胸に手を当てて必死に言い募るナマエに絆されそうになるが、心を鬼にして首を振る。いつも通りに甘ったるくなりそうな雰囲気に、エルヴィンとハンジはそっと視線を逸らした。
「…それがほんとに効くならリヴァイさんも少しは疲れが取れるかなって思ったのに」
「は……俺のためか…?」
「そうですよ?何回言ってもちゃんと休んでくれないですし、いつも私を甘やかしてばっかりで…」
「…それが一番疲れが取れるんだが」
「駄目です!睡眠は一番大切なんですから」
キッとリヴァイを睨みつけるナマエだが、見上げる体勢のそれは全く怖くない。そればかりかただただ可愛らしいだけで、リヴァイは緩みそうになる頬を慌てて引き締めた。
「…分かった。善処する」
「本当に?約束ですよ?」
「あぁ。それよりもナマエ、そんなに中央に行きたいなら俺が休みの日に一緒に行けばいいじゃねぇか」
「…え?」
「近頃お互い働きっぱなしだからな。エルヴィン、三日ほど休みをくれ。俺とナマエ、二人分だ」
「リヴァイ、お前な…」
「夜会には出ねぇが、中央に行くついでに貴族のご機嫌取りの挨拶くらいは行ってやる。手土産はお前が用意しろよ」
「…いいだろう」
ぱあっと顔を輝かせたナマエと、それを優しく見守るリヴァイ。とりあえず余所でやってくれ、と遠くを見つめるエルヴィンとハンジの姿は、二人の目にはもちろん入っていないようだった。
▼
「ねぇリヴァイさん」
「なんだ?」
「あの…変なことを聞くようですけど…」
とろとろと微睡むような意識の中、ナマエは隣に寄り添うリヴァイに視線をやった。徐々に増えてきた荷物の中にはリヴァイのものも多く、この家が名実ともに二人の住処になっていることに頬が緩んでしまう。
そんな穏やかな夜、しっかりとナマエを抱え込んでベッドに入ったリヴァイの目はまだ冴えているようだ。
「兵団に住んでる時…その、リヴァイさんが全然触れ合ってくれなかったのって…何か理由があるんですか?」
ずっと聞いてみたかったことだった。
ナマエがこの家に住み始めてから、リヴァイは頻繁にナマエに触れるようになっていた。いつものように髪を撫でるのはもちろん、キッチンで料理をしている時に後ろから抱き締めてきたり、二人で寄り添っている時にキスを落としたりと、今までのリヴァイが嘘のようにナマエのどこかに触れたがっているようだ。
「あぁ…気づいてたか」
「というより…最近のリヴァイさんに比べると全然そういうのなかったなって…」
元々が淡白なのかと思っていたが、今のリヴァイを見るにどうも違うらしい。兵団という仕事場だから自分を律していたのだろうかと考える反面、実はあの頃何か不興を買っていたのではないかと今更不安になったのが本音だった。
そう告げたナマエにリヴァイの鋭い瞳が僅かに丸くなる。
「ちげぇよ。我慢してたに決まってんだろ」
「あ、やっぱり…仕事場ですもんね、そんなところで…」
「まぁ間違っちゃいねぇが…それが一番の理由じゃねぇな」
「え…?」
「確かに一度ナマエに触れたら、際限なく触りたくなるだろうと思っていたからなるべく我慢していたのもあるな。兵団内では思う時に思う存分触れ合えるわけじゃねぇしな」
「はぁ…」
「だがそれよりも…ちゃんとお前に気持ちを伝えてなかっただろ」
「あ…」
「誕生日の日はなんつーか…まぁ感極まったのもあってうまく伝えられなくてな。そうこうするうちに壁外調査が近くなってバタバタしやがるし…それが終わったと思ったらお前が思いっきり避けてくれてたからな」
「う…ごめんなさい…」
「そのタイミングでこの家の話が出たからちょうどいいと思ってな。ここなら誰を気にすることなくナマエとの時間も過ごせるだろ」
そう言ってさらりとナマエの髪を楽しそうに梳くリヴァイの顔が思いの外近くにあった。その端正な顔を眺めているうちに、少しだけ意地の悪い質問をしたくなる。
「でも…もし私が元の世界に帰りたいって言って、この家に住むことを拒否したらどうするつもりだったんですか?」
「…あ?」
「いえっ、もし、もしですよ?」
途端に低くなった声に慌てて冗談だと否定する。だがリヴァイの眉間に寄った皺は簡単には解れてくれなそうだ。
「お前な…俺がそんな失敗をすると思うか」
「…というと?」
「逃がさねぇに決まってんだろ。どんな手を使ってもな」
ともすれば横暴にも聞こえるそれすらナマエをこの世界に縛る甘い束縛に感じるのは、髪の先から指先まで全てリヴァイに溺れているからだろうか。
それでもいいか、とリヴァイの胸元に擦り寄ったナマエの左手を取り、リヴァイはそこへそっと唇を寄せた。
「…お前の世界には俺だけがいればいい」
巨人が闊歩する地獄から助け出して居場所を与えてくれたリヴァイの心音に耳を澄ませるように、ナマエはそっと瞳を閉じる。
確かに掴み取ったこの幸せな御伽話がずっと続くことを祈って、ナマエとリヴァイは互いの温もりに溺れていったのだった。
-fin
prev next