あとがきとおまけ
二、三話で終わる予定だった本作品ですが、気がつけば長編化しておりました…
というのも、黎明録放送に多大なる影響を受けて、井吹くんや芹沢さんを起用しちゃったからですね。井吹くん大好きです!!
そもそもレジスタンス運動ってのは、一般的には圧政的な政府とか独裁者とかに対する民間人の抵抗運動のことなんですけど、主にWWUにおけるフランス人の対ドイツ運動のことをさすらしいです。
活動内容は、ナチス将校暗殺とか、軍事施設破壊とか、ストライキとか、サボタージュとか。
土方さんが政治家なのか貴族なのかはっきりさせられなかったのは、時代と国をしっかり決めなかったからですね。
パソコンとかGPSとか精密機器はあるのにエレベーターがない時代ですから(笑)
反省してます。
パラレルワールドということで苦し紛れの言い訳をしておきます。
あ、あとリーダーのキャラをきちんと定めなかったのも大いに反省してます。どうせ殺すし、と思って決めなかった所為で色々キャラがぶれてますよね…。
まぁ適当に新見さんとか殿内さんとか浪士1とかでいいかと思います。
とにもかくにも、最初は総司を殺す予定だったりしましたが(笑)、無事ハピエン(ベタ甘?)にできてよかったです。
土方さんがパパだと思った!というご感想を結構いただいたのですが、すいません、異母兄でした。
最後に、色々パロディすぎる設定にも関わらずここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
たくさんご感想や応援もいただけて、いつも励まされておりました。嬉しかったです!
おまけ
大切な存在をようやく手に入れた翌朝、一番に斎藤が駆け込んできた。
「土方さん大変です!また総司がいなくなりました!」
本当によくできた部下だと思う。
「斎藤落ち着け。総司ならここにいる」
俺を撃ってから一睡もしていなかったらしい総司は、俺にぴたりと張り付いたまま熟睡していた。
弟のあどけない寝顔を見ながら迎える朝が、こんなに幸せなものだとは。
初めて知った喜びに、自ずと頬も緩んでしまう。
「は、…………」
斎藤は幾度か瞬きをした後で、ようやく状況を飲み込んだらしい。
失礼しましたと言って下がろうとした。
「待て斎藤。悪いんだが、井吹を呼んできてくれねぇか?」
「井吹なら、隣の部屋で総司がいないと騒いでいるところです」
間もなく、斎藤に連れられて井吹がやってきた。
すやすやと眠り、起きる気配もない総司を見て、目を丸くさせている彼に話しかける。
「お前が井吹か」
芹沢さんから話だけは聞いていたものの、実際に井吹と対面するのはこれが初めてだ。
「あ、あんたが土方さんか?」
「あんたとは何だ。自分の主人をもっと敬ったらどうだ」
すかさず訂正を入れる斎藤を、俺は苦笑しながら遮った。
「別に俺は、井吹を使用人にする気はねぇよ」
「はぁ?俺は雑用係になったんじゃなかったのか?」
「総司の友達でいてくれればそれでいい」
「友達ぃ?!」
井吹は少し喧しい奴のようだ。
素っ頓狂な声を上げる彼に、俺は眉をしかめてみせた。
「総司が、お前のことを友達だと言っていた。もちろん、俺だって斎藤だって山崎だっているが、お前もコイツにとっちゃ大切な存在なんだろうからな。特別に傍にいることを許してやる」
井吹も総司の堅牢な心の壁を乗り越えられたのかと思うと少々癪に障ったが、少しでも変な真似をしたら痛めつけてやればいい。
おっといけねぇ、総司と「お前や井吹みてぇな奴のためにできることをしてみる」って約束したばかりだった。
痛めつけたら総司に嫌われちまうよな。
「土方さん……」
「何だ」
「あんたって面白い人だな」
ムカついた。
そしたら殴れねぇ俺の代わりに斎藤が殴ってくれた。
でかした斎藤。
「とにかく、お前が少しでも変な真似をしようものなら、俺は総司に嫌われねぇ程度にお前を痛めつけてやるからな。覚悟しとけ」
我ながら、言ってることが餓鬼みてぇだと思った。
「土方さんがブラコンだってことはよく分かった」
「………斎藤、そいつを今すぐ竹刀でボコボコにしてこい」
「御意」
「んなっ!?」
だがまぁ、人から事実を指摘されるほどムカつくこともないわけだ。
「ブラコンで何が悪いんだよ…なぁ、総司」
俺はぎゃあぎゃあ騒ぎながら斎藤に引きずられて出て行った井吹を尻目に、再び総司を抱き寄せた。
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