唯心的インスパイア! | ナノ
意外性って萌えません?

「愛しのダーリン!何してるだっちゃー!!!!!」
「うわ出た」
「ちょ、そんな!」

放課後の教室。私は今日ゴミ捨て当番だった為、教室に戻った時にはがらんとした空間があるものだと思っていた。しかし違った。
エドとクラスメイトAがそこにはいたのだ。

「クラスメイトAて!名字さん酷くね!?安部!俺安部!」
「ああ・・・そんな奴もいたっけな・・・そう、爽やかでイケメンで・・・あいつを失ったのは痛かったな」
「ありがとうでも殺さないで!」
「で?お前は何の用だ。」
「エド発見したから抱きつきにきたそれまでだよ!」
「蹴るぞ。」

飛びついたら蹴られるって何その作用反作用?
私が仕方なく自分の机にあるカバンを取りに行こうと方向転換すると、彼らの机の上にあるものに視線が止まった。

「勉強?」
「テスト期間だからな。」
「俺化学苦手でさあ!エドに教えてもらってたんだよ!」
「放課後の教室でしかも二人っきりで密かな勉強会とか何それ可愛い・・・でも憎い・・・!」
「名字さん待ってたぶんそれ違う」
「ほっとけ安部こいつには響かない。」

少女漫画でよくあるこの光景をエドに蹴られもせずにやってのけるなんて安部・・・まじ安部!!!!
私なんて提案したら即刻没だったのに!
その時、エドとの距離感に急に緊張しだしたのか安部くんが立ち上がった。

「いや違うよ!俺お邪魔みたいだし、あとは彼女と一緒に勉強しなよエド。」
「は?誰が彼女。」
「名字さんだよ。」
「安部くん・・・!な、なんで知ってるの!?わ、私たちがこいbうぎゃあん!」
「やめてくれ気色悪い。座れ安部、あとここのmol式だがな」
「え、でも彼女机に突っ伏してるけど」
「気にするな」

うう・・・ううう・・・・
そんな私にそっとハンカチ差し出してくれる安部くんまじ安部くん・・・でも男子高生が普段からハンカチ持ち歩いてるって女子力半端ねーなおい!!私今日忘れたよおい!!
そんなミスター女子力の安部くんは再び自席に戻ってエドと勉強会を再開した。うらやましい・・・うらやましすぎるよそのポジション・・・!一体いくらつぎ込んだんだエドの24時間はいくらで買えたんだ教えてくれ・・・!!!!!

「なんか名字さんから盛大に誤解を受けてるんだけど。」
「あいつは変態だからな。」
「理由になってないよ」
「時に名字」
「はい!なんでしょうエドさん!」
「お前はこのテスト二日前という非常事態に家に帰って勉強をしなくてもいいのかすべきだろうそうだろうほら帰りたまへ!」
「饒舌エドさんに言われると帰りたくなってきたけど大丈夫です!」
「えっ」
「えっ・・・てエドさん私のこと勝手にアホ認定してたんですか」
「いや逆だ。」
「逆?」

アホの逆ってなんだ。天才?私のこと天才って?うそまじで?
いやエドはそんなこと言わない。思っても言わない。まあ今まで思われるような言動をとってきた覚えはまるでないけども。
私たちがこんな口論をしている最中で、安部くんは必死に化学のワークを解いている。そうだよ安部くん化学の峰岸先生はワークからほぼ出題すると評判の先生だよその調子だよがんばれ。
そんなことをぼんやり考えていたらエドが口を開いた。

「お前はテスト前は勉強する割と真面目なやつだと思ってたけど・・・テスト前すらも勉強しないアホだったんだな。」
「うぐうっ!な、成程たった今アホ認定されたんですね了解しました・・・!」
「了解は敬語じゃねえやり直せアホ」
「すみません承りました。」

き、帰国子女のクセして日本語にうるさいエドさん・・・でも怒ってても身長小さい椅子に座ってるから尚小さいやばい可愛いはあはあはあ

「息が荒い。」
「名字さんって本当にエドのこと好きなんだねー」
「運命ですから」
「・・・」
「あ、安部くん、この問題間違ってるよ。ここはLで考えないとだめだから、1000分のにしてmlから直さないとー」
「・・・え?」
「え?」
「「えええ!?」」
「何その驚き・・・!」




名前ちゃんは頭いいです。




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