唯心的インスパイア! | ナノ
食事時は勘弁して下さい

「げ」
「私を見ての一言がそれですか。」

只今昼休み。込み合う食堂の中、食券の販売機の前に並ぶ一人のチビを見つけ、私はすかさず前に回り込み彼の視界に無理やり入り込んだ。全力でまわれ右されたけど。私も私で執拗に視界に入り込もうと奮闘したけども。

「何食べるの何食べるの?」
「カレー・・・って腰に手を回すな離れろきしょい」
「カレー!?何それ可愛い!もえ!」
「うるせえ食べたいんだよ何か文句あっか!!」
「あ、ついでに私のラーメンも頼んどいて、塩。」
「テメーで並べ」
「ていうか一人?だったら私と一緒にはあはあ」
「いや安部と。あっちで焼きそば待ってる。」
「なんだ残念。まあ私も杏ちゃんと約束してますしおすし!」
「杏?ああ、関谷か。オレはてっきりお前の残念な脳が生み出したたった一人のお友達かと」
「うぎゃあん!」

そんな会話をしていたら私の本来の目的であるポテトが揚がったという食堂のおばさんの声が部屋内に響いた。食券の列は空くどころかどんどん混んできている。もうラーメンはいいや購買いって売れ残ったパンでも漁ろう。可愛い可愛いお弁当派の杏ちゃんが私を待ってる!!!早く行かねば!!!!!!!!

「名字」
「おあ?」
「ほい、とんこつラーメン」
「えっ!わああああありがとうってのおおおおおおおノットとんこつ!アイワント塩!塩ラーメンぷりーず!」
「すいませーんカレーととんこつ!あ、とんこつの方油分多めで!!」
「ちょ、ま!待ってエドさん!おかしい!これは何かがおかしい!」

まじでエドさん策士!!午後イチの授業何だったか覚えてる?そうだよ、体育だよ!
私が吐いてもいいっていうの長距離走ですけど!あれ、何?もしかしてお前が走れなくなったら俺が保健室まで連れてってやるよ的な?あれそういうこと?保健室だよ?あの保健室だよ?全くもうエドったら!これはあれだよね告白のそれと受け取っても何ら問題は無いよねノープロブレムなんですよねそうですよね今日も平和だとんこつ日和!

「名字、きたぞとんこつラーメン。」
「ああうんありがとう!」
「いやいやこちらこそありがとう。」
「え・・・!?(エドが私に優しい…!やっぱりあれって告白フラグなんじゃやだやっとデレてくれたのね名前ちゃん嬉しい…!)いやいやそんなでへへ。」
「ごちになります!じゃ、オレ先に教室戻るから。」
「ここでまさかの大誤さ――――――――ん!!!!!!!!!!!!!!!」



ていう昼休み。




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