微かな光 | ナノ

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「えーではこれより予選を始めますね。これからの予選は一対一の個人戦、つまり実戦形式の対戦とさせていただきます」



そう言う試験官に対して一気にみんなの緊張感が高まったのが分かる。

もちろん私もだ。


そして天井の方に電光掲示板が開かれる。




「これですね…えーこの電光掲示板に…一回戦ごとに対戦者の名前を2名ずつ表示します。
ではさっそくですが第一回戦の2名を発表しますね」



試験官がそう言うと、やがて掲示板に二人の名前が表示された。





ウチハ・サスケ
   VS
アカドウ・ヨロイ



「「!」」

「(……いきなりとはな…)」

「(そんな…!なんでサスケくんが…!)」



初っぱなの二人はサスケと、カブトさんの班員の口元を覆われている人だった。



「サスケ…」



サスケは大丈夫かな。
さっきサクラがこの予選出場を止めようとしたくらいなのに。

そう思いながらサスケを見るとサスケは私の視線に気づいたようで、私の前に来た。




「…んだよ、心配とかしてんじゃねぇだろうな」

「、え」

「バーカ、俺が負けるわけねぇだろ。勝ってくるから待ってろ」



サスケはそう言って軽く笑いながらポン、と私の頭を優しく叩く。

その行動にすごく驚いたものの、なんだか嬉しくて、不思議な気持ちになる。
ちょっとだけ顔が熱い。




「サスケ…頑張ってね!応援してるから!」

「…ああ」



サスケはまだあの変な痣のある首元を痛そうにしていたものの、戦う気は満々だ。

確かに首元が痛むなら中止した方がいいかも…と一瞬私もさっきサクラが止めようとした時に思った。

でも本人はそうではない。
なんたってサスケだ。
棄権、なんて言葉はサスケの中にあるわけないんだ。


だから私はとにかく、見守るしかない。



「………」



この時の様子をサクラが複雑そうな目で見ていたことは私には分からなかった。




そしてすぐに対戦者以外の者はこの会場の二階へ移動させられる。



「それでは…始めてください!」




みんなが見ている中、この試験官の声で第一回戦が始まった。







試合が始まり、始めはサスケは劣勢だった。

相手の人にチャクラを吸われ、かなり危なかったものの、二階にいる私達…いや、あれはリーさんだろう。
リーさんを見て何かを閃いたようだ。




「!!」



するとサスケは瞬時に相手を蹴り上げたのだ。



「くっ…影舞葉だと…!」

「くらえ!」



そう、これは影舞葉という体術だった。

そういえば中忍試験が始まる前、サスケがリーさんと勝負をしてたな。
リーさんがサスケの実力を知るためにサスケに勝負を仕掛けたんだった。

この影舞葉というのはその時にリーさんに喰らった攻撃の形だ。


それをまさかこの短期間で修得したなんて…!


すごいよサスケ。

そう思った瞬間だった。



「!!」

「…!」



サスケの首元から痣が再び反応し出したのだ。






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