微かな光 | ナノ

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「(ちくしょう…!いちいち反応しやがって…!)」



痣はどんどんとサスケの左半身に広がり、サスケの顔が歪んでいく。



「っ、サスケ…!」

「サスケくん…」


「(ぐっ…!あいつらに心配されるとはな…。
、こんなものに…飲み込まれて…

たまるか!)」



サスケの頭の中には自分を心配しているナルト、サクラ、そしてユカリの姿がいた。

何が起こったのか分からない。
ただやがてサスケの体に広がっていた痣は退いていったのだ。




「!」

「(呪印が退いた!?)」



この痣が退いた現象に試験官含む上忍達はかなり驚いてるようだ。

そしてそれが退いたサスケの反撃は再開する。



「いくぜ」

「!」



サスケは空中で相手を何度も蹴り、そしてその後、とどめの一発。



「(獅子連弾!!)」



その攻撃が効いたのだろう。

相手は血を吐き出して倒れ込んで動かない。
それに対してサスケは立ち上がる。


そして…




「これ以上の試合は私が止めますね…よって…

第一回戦勝者うちはサスケ…予選通過です!」



サスケの勝利が決まったのだ。




「「やったー!!」」



その瞬間、ナルトと声が重なる。

よかった、本当によかった。


だけどだいぶ限界なのだろう。
サスケは一度よろめき、瞬時に移動したカカシ先生に支えられた。



「サスケー!へへ…お前さお前さダッセー勝ち方しやがって!ボロボロじゃねーかバーカ!!」

「ったくウスラトンカチが…」



サスケはそう言ったナルトに対してボロボロだけれどもそう言い返した。

しかしやっぱりもうサスケの体はボロボロだ。
痛みからかサスケの顔が歪む。



「!サスケ!大丈…「…ユカリ」



そう声をかけようとした時、静かにサクラに呼ばれる。
そして手を引かれて今いる場所から少し離れ、近くの周りには誰もいなくなる。

何だろう、と思いサクラの方を見るとサクラの表情は辛そうで険しかったのだ。



「…?サクラ?」

「…あのサスケくんの首の痣、何でできたか知ってる?」

「え…?ううん、知らないけど…サクラは知ってるの?」

「あれは…」



サクラから言われたのはサスケの首にできている痣のことだった。

何でできたのか私は知らない。
死の森での第二試験の時、意識をなくしていた私が目覚めた時にすでにサスケにその痣があったからだ。


こんなことを聞くってことはサクラはその原因を知っているのかな。
だからそう聞き返すとサクラは下を向き何かを考えているようだ。



「………」



サクラの思考は第二の試験の時のサスケが異常なチャクラで音忍と戦った時の後のことだ。 




「約束してくれ…この痣のことはユカリとナルトには言うな」

「えっ」

「いいか…これもチームワークだ…あいつらに余計な気を遣われても困るんでな…。
つってもユカリはなんとなくで気付きそうだが…でも絶対に言うな」






「(サスケくんはそう言った…でももうユカリも痣のことは分かってる…だから…)」

「サクラ…?」



サクラはしばらく黙っていたけれど、やがて下を向いていた顔を上げて私を見る。

そして言った。




「あの痣は…サスケくんが大蛇丸って奴からユカリを庇った時にできたの」

「、…え」



それは私にとって衝撃的な言葉だった。
サクラの言葉に私は一瞬思考回路が止まる。




「それって…私を庇ったせいでサスケが…」

「…だからサスケくんの痣の心配なんて気安くしないで!あの痣は…

ユカリのせいでできたんだから」

「…っ!」



何それ。初耳だ。

なんだ、それは。

つまり私のせいでサスケに痣ができて、あんなにサスケが苦しんで…。




「…っ…!」



知らなかった知らなかった。

私、最低だ。
無神経で何も知らなくて…。


そう言ってサクラは私に背を向けて元の場所に戻っていく。

私はもう何がなんだか分からなくなって、ただ無気力に、そして身体を震わせるだけだった。




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