「学校終わった終わった〜。家帰ったら何しよっかな〜…」
ツナは眠そうにしながら一人下校していた。 だがその眠さも次の光景で一気に覚める。
「何これ〜!!?」
沢田家の前にズラリとたくさんの男がスーツを着て並んでいたからだ。
それも怖そうな大人ばかり。
「あの…すいません、通っていいですか?」
「ダメだ。今は沢田家の人間しか通さないんだ」
「えっ……沢田綱吉…ですけど…」
「なっこの方が!」
ツナが怯えながらそう言うと、スーツの軍団は驚きで血相が変わり、即座にツナを通したのだ。
なのでツナは無事部屋に着いたのだが…。
「リボーン!!お前の仕業だな〜!!」
「待ってたぞ、ツナ」
部屋に着いても数人スーツ姿の男がいた。 そしてゆっくりとくつろいでいるリボーンにその奥には大きなソファー。
少しずつそのソファーはこちらに動き出す。
「いよぉ、ボンゴレの大将。はるばる遊びに来てやったぜ。
俺はキャバッローネファミリー10代目ボス・ディーノだ」
そう言って振り向いたのは金髪で、かなりの美青年だった。
ディーノはリボーンにマフィアのボスとして育てられたため、ツナの兄弟子ということになる。
するとディーノはツナにとって心外な質問をしてきた。
「そういえば杏はいないのか?」
「えっ…杏の知り合い!?」
「知り合いっつーか何つーか…」
「ただいまー!」
ツナの質問返しにディーノが答えようとした時、 タイミングよく杏が帰ってきた。
家に入って部屋へと向かう私。
玄関にはいつもと見慣れない靴が何個か。 お客さんでも来てるのだろうか。
「ツナー。誰かお客さん来てる…の…」
そう思い、開いていたツナの部屋を覗きながら聞いてみると そこにはいるはずのない信じられない人がいたのだ。
「ディーノ…?」
「久しぶりだな、杏」
金髪で優しく微笑んでくれるのは紛れもなく…
「ディーノっ!!」
「うおっと…!」
「(え…杏がいきなりディーノさんに抱きついてる〜!! しかも杏、めっちゃ笑顔!何気ディーノさん顔赤い!)」
ディーノだった。
ディーノは私がイタリアにいた時にとてもお世話になった人。
それに…
「抱きつかれると照れるだろー! それに杏、喜ぶのはまだ早いぜ」
「え?」
照れながらも思わず抱きついてしまった私にそっと支えてくれたディーノ。
だがそれ以上にディーノのその言葉に驚いた。
一体何が…?
視点は変わりツナの家の前にて。
「…ほんとにここか…?」
一人の少年がスーツの男達の前に立ち、たたずんでいた。
「ボスはここに入りましたよ。それに…杏さんも」
「………そうか」
そう言ってその少年は先ほどより表情が和いで、ツナの家に入っていった。
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