日常編 | ナノ




「……あー!もう嫌だっ!」



暑い夏、嬉しい夏休み。
しかし沢田家にとっては嬉しいなんて程遠かったの。

今、家ではツナ、獄寺くん、武と私で勉強会をしていた。
…とは言っても補習の宿題をやっているんだけどね。

ああ、もう補習の宿題なんて飽きたなぁ。



「うるせぇな!だいたいお前、中間と期末の差ありえねーだろ!」

「獄寺くん、うるさい!
だいたい私は解答欄間違えちゃったからしょーがないの!」


「「「(……ある意味馬鹿だよな…)」」」



そう、私は今回のテストでは見事解答欄を間違えて赤点というものを取ってしまった。

そんな私のやってしまった失態にみんな呆れて、言い合ってた獄寺くんさえも何も言うことが出来なくなったらしい。



そして黙々と勉強会は始まる。




「なぁ杏、ここ教えてくんね?」

「ん?あ、これはね〜…」

「杏…ここ分かんないんだけど…」

「これは…「10代目!そいつじゃなくて俺に聞いてください!」……」



私も補習対象であるけれど、ツナと武に勉強を教えていた。

ツナに教える時に限っては獄寺くんに邪魔されたけど。



「ありがとな、杏!おかげでだいたい解けたぜ!」

「武すごいっ、全部あってる!
じゃあさ、問7解る?全然解んなくて…」

「…俺もさっぱり解んなかったぜ」



どうやらこの問題はかなり難しいらしい。
頭が良くて私達を馬鹿にしていた獄寺くんさえ解らないのだから。

しかしさっきから獄寺くんの様子が変だ。
何だかガン見されてるような気がする。

……気のせいだよね。


あーそれにしてもやっぱり勉強は好きじゃない。

…!そうだ!




「みんな、ちょっと待ってて!差し入れ持ってくるー!」

「え、ちょ、杏!?」



私はあることを思い出して素早く部屋を出て台所に向かう。
驚きながらもツナと武は差し入れを少し楽しみにしてくれていたみたい。



「………」



そんな中、獄寺くんが私が出て行った扉を黙って見ていたのは知らなかった。



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