日常編 | ナノ



「ただいまー」



家に着き、玄関の扉を開けるが返事がない。
出掛けてるのだろうか。

特に気にかけずにリビングに向かったその瞬間ーーー…





パアアンパン




「「「「「「「「ハッピーバースデー、杏!」」」」」」」」


「、え…?」




リビングには美味しそうなたくさんの料理。

そしてそこにいるのはツナ、隼人、武にディーノにお兄ちゃん、了平さん、ハルちゃんもいる。
もちろんいつも家にいるリボーンやランボくん、イーピンちゃんにビアンキ、奈々さんもだ。

ビアンキはトナカイの仮面みたいなのをしていて面白い。




クラッカーの音と同時に言われた言葉。

それは紛れもなく私がずっと考えていた…



「なんで…?」

「なんでって…杏、前に言ってたでしょ?誕生日が今日だって。
それに俺、絶対祝うって言わなかったっけ?」

「っツナ…!」



嬉しくて瞳から涙が溢れてくる。

そして思わずツナに抱きついてしまった。



「うっわああ!ちょ、杏…!」



ツナは顔が真っ赤だ。

だけどとにかく嬉しくて。
みんなは抱きついたことに対し、目が点になったり、不機嫌になったみたいだ。




「ランボさん杏に抱きつくなー!ツナのコノヤロー!」

「うわっ、ランボ、やめろって!」



そんなツナにランボくんは手榴弾を投げようとしたがツナが慌てて阻止している。

そんなツナ達の様子から場に笑いが生まれた。




「……みんな私の誕生日なんて覚えてないと思ってた…」



その時ぼそりと呟いた私の言葉にみんな反応した。






「忘れるわけねーって!ちゃんと覚えてたぜ?」

「…ま、まぁ分かりやすい日だったからな!」

「極限におめでとうだぞー!」



武に隼人に了平さん。




「もちろんハルだって覚えてましたよ!」

「私の記憶力をなめないで」

「杏ちゃんは私の娘よ、知ってて当然だわ!」

「ランボさん知ってたもんねー!」

「!△★@%」




ハルちゃんにビアンキ、奈々さん、ランボくん、イーピンちゃん。



「みんな知らなかったら俺達から伝えるつもりだったんだけどな」

「その必要はなかった。良い友達に出会えたな」



ディーノにお兄ちゃん。



「いつもありがとう、杏!」

「あたし達が忘れるわけないじゃない」



京子に花。

そしてーーー…



「本妻の誕生日くらい覚えてるのは当然だ。9代目からも手紙が届いてるぞ」

「誕生日おめでとう、杏」



リボーンにツナ。


みんな私の誕生日を覚えていてくれた。


あ、どうしよう。
涙をこらえきれない。




「みんな…ありがとう…!」




私は精一杯の気持ちで感謝をした。

そんな私を温かく見守っている皆。



「ふふっ。クリスマスの女子会って言って杏を家から連れ出すことに成功して良かった!ね、花?」

「ええ、そうね。杏に楽しんでもらえたみたいだし」

「…え?あれってクリスマス会じゃなかったの?」



京子と花の会話に一人疑問を持つ私。

どうやら二人によれば私をクリスマス会と言って家から出し、その間に家でパーティーの準備をしていたようだ。

私はそれを聞いて嬉しさと共に再び涙が出た。



「それじゃあ料理食べますよー!」



ハルちゃんの一声で皆わいわいと料理を取り囲むように座る。

明るさが絶えないバースデーパーティー。



たくさんの友達に囲まれたくさんのプレゼント。


今日、12月25日は私にとって今までで一番楽しい日になっていた。



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