日常編 | ナノ



その後はプレゼント渡しになる。

だけどなんだかプレゼント渡しは特殊みたいで。
ボンゴレファミリーでは誕生日を迎える主役が参加者の用意したプレゼントや出し物に点数をつけるらしい。



「そして最下位は殺されるんだ」

「(うわー…なんだろう、その理不尽なルール。)」



…そう思ったことは秘密にしておこう。


要はゲーム式のこの方法。
既に武はお寿司を持ってきたから80点らしい。

そしてハルちゃんはターゲット柄の白スーツで85点、ビアンキのなんでも切れるピザで90点でみんな高得点だ。
…あ、ランボくんは1点だったけど。




「んじゃ次は杏の番だ。」

「はーい。じゃあちょっと待ってて!」



あらかじめ用意していたものを箱とボトルから出す。

うわー、0点はとりたくないなぁ。

私の用意したプレゼントは……



「リボーンの好きなエスプレッソを淹れてそれにに合わせたケーキ作ってみたよ!…どうかな?」



味はどうだろう。
あまり自信はないけれど。
エスプレッソの苦さとケーキの甘さが良い感じになってると思う。

いや、それより…。



「……ハルちゃんどうしたの?」



チラリと横を向くとケーキと私を交互して見てくるハルちゃん。

…どうしたんだろう。



「杏ちゃんの作ったケーキすごく美味しそうです!
今度ハルにも作ってください!!」

「え?あ、ありがとう!今度作るね!」



ハルちゃんが思ってたことは想像しなかったけど…そんなに褒めてもらえると嬉しい。

良かった、おにぎり実習からちゃんと料理の進歩したんだね!


そう思って嬉しそうにした杏だけれど、実際本人はお菓子系だけ上手くできることに気づいていないだけだ。



「確かに美味いな」

「本当!?」



ハルちゃんと話していた間にリボーンはケーキを食べていたようだ。
淹れたコーヒーもちゃんと飲んでくれている。



「あぁ、95点だぞ」

「やったっ!」



意外と高得点がもらえて内心ガッツポーズをした私。

次は最後、ツナの番らしい。




「さぁツナの番だぞ。棄権するなら0点で殺すからな。」

「な、そんなメチャクチャな!!」

「10代目、俺と組みましょう!」



もともとリボーンの誕生日が今日だと知らなかったツナは本当に何も用意していない。

そんなツナに話しかけたのはビアンキを見て死にかけていた獄寺だった。
今ビアンキはピザを焼きにいって部屋にはいないため獄寺は体調は立てる状態だ。

なのでツナと獄寺は組むことになり、二人の出し物は手品だった。





「タネもしかけもないこの箱にこのように10代目をとじこめます。
そしてこのようによく切れる剣をつきさしていきます」

「(わー、なんか本格的ですごいなぁ。ツナも隼人も頑張れー!)」



あまりにも本格的なものなのでみんなドキドキと緊張と楽しみが重なっているようだ。



「じゃあ10代目、うまくよけてくださいね!」

「え!(本当にタネないの〜!?)」



ヒソヒソと話す隼人とツナ。
何話してるんだろう。

早く見たいなぁ。


すると間もたたないうちにツナは死ぬ気になり自分で自分の入っている箱に剣を刺していった。
それも1本ではなく何本も。


え、ツナ、大丈夫なの!?



「わあぁああ!」

「キャアアア!」

「ぐぴゃーっ!」



それにプラスして入っている箱の表面も砕いてしまったのだ。



「さすがっス!」

「100点だぞ」



100点を貰ったと同時に死ぬ気状態が終わるツナ。
その途端、ものすごく体を痛そうにしている。

そしてボキボキっと明らかに骨が折れた音が聞こえた。


え、もしかして…。
ツナへの感動の目を向けていた私達だけれど、それを聞いて青ざめていってしまったのだ。



「いたーい、体が折れるぅ〜〜〜!!」



ツナ、骨が…!

こうして誕生日会は終わったのだが、ツナは誕生日を病院で向かえることになったのだ。



prev (しおり) next


back



- ナノ -