後書き


 2014年2月17日にプロローグを公開してから約4年半。書き終わるまでに4年半もかかってしまい、原作が先に完結してしまいました。
 4年半の間にこちらはのろま更新になったり、そもそも更新停止していた期間もあったりしました。昨年には移転もしましたので、その当時からこのお話を読み続けてきて下さった方がどれ程いらっしゃるのかわかりませんが、とにもかくにも、このページまで開いて下さったすべての皆様に心から感謝申し上げます。

 以前書いたことと重複してしまうのですが、4年半も引っ張っておいてこんな終わり方なんて期待外れ、と思われてもしかたのないラストだと思います。話の運び方、纏め方、解りにくさ、最後の無理矢理感……すべては私の力量不足によるもので、大変申し訳ないことです。
 ただこの結末は、何度も何度も考えて考え直してようやく辿り着いた、私が「これならば」と思える結末です。何卒ご容赦ください。

 実を言うとこのお話(主に三部)は、二部終了時点までに考えていたものとは大きく異なる展開となっています。それもやっぱり私の力量不足によるのですが、本当であれば、ジャーファル落ちの夢になるはずでした。
 その頃の構想では、シンドバッドは弟分妹分の行く末を見守り、時に手を貸し背中を押し、二人の変化や成長にほんの少しの寂しさを感じながらも祝福するような立ち位置だったと記憶しています。

 しかしながら、書いている間にシンドバッドのことがわからなくなり(もともと完璧に理解して書けていたというわけでもないのですが)、頂くコメントもシンドバッドとの仲を応援するものが増え(もちろん大変ありがたく拝見しておりました)、気づいたときにはすっかり迷走してしまって、どこにどう落ち着けば良いのか私自身わからなくなってしまいました。三部に入ってから3年もかかってしまったのはその為でもあります。
 完結は絶対にさせると決めていたので、投げ出すつもりはなかったのですが、三部は本当に難産でした。完結に向けて結末を改めて考え直したときに、シンドバッドと彼女の間にある感情はなんなのだろう、二人の関係性はどういうものなのだろうと考えてみて、どうにも名前を見つけられなくて。私にとってあの二人の関係性は、愛はあるしお互いに特別なんだけれど、家族愛とか友情とか恋とか、そういう枠に当てはめられるかというとそうでもないような、名状し難いものでした。

 世の中にはいろいろな二人がいて、その「二人」の数だけいろいろな関係性があり、必ずしもその全てにしっくりくる名前があるとは限らないということで、ここはどうか一つ納得して頂ければ大変ありがたく思います。


 夢書き歴もそこそこ長くなってきましたが、全100話+αという長いお話を完結まで書いたことは初めてで、正直今は少し放心状態です。
 頂いた拍手の数は、私がこれまでに書いたものの中で最多でした。
 更新停滞中にもたくさんのメッセージを頂きましたし、頂いたメッセージのどれもが温かいものでした。
 描写について褒めて頂けたことも、泣いたと言って頂けたことも、理想郷が初めてでした。
 好き嫌いの別れる設定と夢主に、拙くくどい文章だったにも関わらず、この連載について批判のようなコメントを頂いたことは一度もありません。
 本当に本当に、ありがたいことです。
 書くのが難しく頭を抱えたことはたくさんありましたが、皆様のお陰でこうして最後まで書ききれたと思っています。いくら感謝しても足りません。
 これまでに送って頂いたメッセージは全て大切に拝読しています。旧サイト時代に頂いたものを含め、時折読み返しておりました。
 感想や激励のコメントを下さった皆様のご期待にそうような結末を書けなかっただろうことは心残りではありますが、「完結させる」という形で少しでもご恩に報いることが出来ていれば幸いです。

 いつの間にか後書きまで長くなってしまいました。ことごとく冗長で申し訳ありません。
 こんな夢小説らしからぬ夢小説に終わりまでお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。

 それでは、随分長くなりましたが、素晴らしき原作への感謝と愛を以て結びとさせて頂きます。

 いつまでもずっと、大好きです。ありがとうございました!


20180901 小牧
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