赤頭巾ちゃんパロ 3








アイチは自分を助けてくれたオオカミ族の青年を見た。名前は櫂トシキと言い、親切に森を一緒付いていってくれるという。
慣れた道ではあるが物騒で薄暗いところ故に少しだけ恐ろしく感じるからか同行者がいることは嬉しかった。


「何しにこの森に行く」

「友達が風邪をひいたからそのお見舞いに」

「そうか…」

「櫂君はどうして?」


すると彼はだんまりで何も言わなかった。言い終えてから悪いことを言ってしまったのかもしれないと心配になりながら口を閉じた。


「特に深い意味はない」


そっか、と小さく相槌を打ちそこで会話が途絶えた。確かに彼は人を寄せ付けない空気と話し掛けづらい雰囲気がある。それ故にアイチもつい話すのが引けてしまう。


「あ、そうだ!」

「なんだ」

「お花を摘んで行こうと思ったんだ!」

「花?」

「花瓶に生ける花だよ」


アイチは丁寧にそう説明した。
レンの家の花瓶はいつも何も生けてはいない。彼曰く面倒と理由らしいがなんとなく花を可愛がるイメージも沸かなかったのか彼らしいとも思った。

すると櫂は近くに花畑がある、と言いだしアイチは彼に付いて行くことにした。




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