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見渡す限り桜の木が並んでおり新入生を歓迎するかのように花びらが舞っている。
去年中学を卒業して今年高校に、誠凛高校に入学した。
もちろん幼馴染みのあいつから一緒の学校に来いというメールがあったがそれを見なかったことにして。
去年お世話になった、黒子テツヤに誘われ誠凛へ行くと決めた。



新設校ということもあって門を潜れば部活勧誘の嵐が。

「ラグビー興味ない?」

「日本人なら野球でしょ!」

「水泳!超気持ちいいよ!」

「バスケー、バスケ部、バスケ部はいかがですかー?」

様々な部活があるが俺はテツヤとの約束を守るべくある方向に足を進めた。
もう一度、一緒にバスケをすること
それがテツヤとの約束だった。

「すみません、入部希望です」

受け付けに座っている先輩にあたる人に声をかけると挨拶と共に紙コップに入ったお茶と紙を1枚渡された。

「知ってると思うけど、誠凛うちは去年できた新設校なの」

お茶を有難く頂いていると女の先輩が説明を始めた。

「人数も不足してるから入ってくれるなら歓迎するわ。けど、一つ聞きたいことがあるの。その腕どうしたの?……骨折?」

当たり前の反応だろうか。
門を潜った当たりからたくさんの視線がこちらに向いていたがやはり包帯を巻いたこの左腕は目立つ。

「これ、事故にあってその時に。今リハビリしてるんで、試合出るなら冬辺りになります。それまでマネージャーとして参加したいと思ってるんですが……」

「……そうね、今のところマネージャーはいないから助かるわ」

「ありがとうございます」

じゃあこの紙に出身校と志望動機書いて。そう言われて下に視線を落とし書いていく。
出身校を先に書くと逃がさないという感じで話しかけられそうなので、先に志望動機を書き、出身校を書いた。
書き上げたと同時に席を立ち、これで失礼します。と、言いながらその場を立ち去った。
驚きの声を耳にしながらクラス表を見に校舎へと向かった。

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