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「今日も来てくれたんだね」

親同士が知り合いで必然的に幼馴染みという関係になった。

「当たり前だろ」

互いの家の教育方針が違い、遊べる日はほとんどなかったがそれでも少しでも会いに行ける時間があれば積極的に行動を起こした。

「真冬、バスケしてみないか?」

そのせいか、そのおかげか分からないが俺はそいつに依存し、そいつも俺に依存していた……と思う。

「バスケ?……お前がやるなら、やる」

ちゃんと聞いたことがないから曖昧だがそうであると願いたい。

「そう言ってくれると思ってたよ」

自分だけ依存してるのは嫌だ。


それからこの関係は中学2年生まで続いた。
3年生のときに事故に逢い、この関係に亀裂が生じた。
大好きだったバスケが出来なくなり、大好きだった幼馴染みの性格が変わってしまい、どんどん大切なものが失われていくのが気がしてバスケをやめた。


けれど、彼が言ったんだ。一度バスケから離れた彼が。

「僕と一緒に、もう一度バスケしませんか」

何言ってるんだって一度、何度も思った。

「自分に問いかけてください。バスケ、好きなんでしょう?」

何度も何度も必死に訴えかけてくる彼を見て気付かされた。
どこかで迷ってるんじゃないか。本当はやりたいんじゃないか。
だから俺はその伸ばされた手を取ることを決めた。



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