摩由さんが猫?的な物を捕まえると言っていた日から数日がたった


結局その日は猫?に会えなかったらしい


少しつまらなそうに屯所に帰って来て煙草をふかしていたのを覚えている

でも俺が生けた薔薇を見てその表情が和らいだのを少しだけ誇らしい気持ちになって見ていた






摩由さんは不思議な人だと思う






どう言う言葉で言えばいいのかは分からないが



掴みどころのない人



何時も見せる残虐な面とは裏腹に、とても優しい面をたま〜に見せる

一体どちらがあの人の顔なのだろう?と思う事もしばしば






基本、真撰組副長もそう言う感じ

鬼と言われ極悪非道な面と仲間想いな面が見られる
でもソレは真撰組を大切にしてるから、仲間を大切にしてるから、自分の武士道を貫いているから
そんな彼の姿が俺は少し好きだったりする

もちろん、むやみやたらに殴られるのは好きじゃないけど
むしろ嫌だ


この前も新しいミントンラケットを折られた
確かに勤務中に素振りしてた俺も悪いかもだけど、何も折る事はないと思う
うん。
絶対ない。
刀は武士の魂というが、ラケットだって俺の魂だ!
毎度毎度簡単にへし折られちゃ困る


だいたいあの人には情けって言う物が少し足りないよね!
俺がさ、張り込みでアンパンしか食べてないの分かってて隣でラーメンとか、ハンバーガーとか、フライドチキンとか普通食べないから!

そりゃ顔面にアンパンスパーキングしちゃうから!!
俺悪くないから!!







・・・・あれ?なんの話してたんだけ?
アンパンスパーキング??
いや、違う違う。

摩由さんの話だった




なんて言うんだけ??ジャイアン方式??
悪い奴がたまに良い事をしたら、すんげー良い奴に見える
アレ。


摩由さんに結構あてはまると思う



摩由さんの非道さは副長とはちょっと違う
副長は結構単純だから非道な事をしてもその裏に何かがあるって何となく分かる

けれども

摩由さんの場合はまったくもって分からない
本当の非道、外道、無情、情け容赦なし
そんな感じだ



その時はまったくその冷酷な意味が分からない



でも



暫くしてからその意味が分かったりする




そしてそこで見せる彼女の優しさに俺は感服するんだ



だってそれはただの優しさじゃない
簡単にかけられる優しさじゃないんだ
あまりにも深く、自分の他人への思いやりがバカみたいにうつる
そんな感じだ






だけども、今回のこの件に関して
俺はイマイチ理解が出来ない
彼女のその破天荒ともいえるその言葉に俺をはじめとする真撰組全員が耳を疑ったのは言うまでも無い


それは彼女が猫?探しから数日経った頃起きたんだ







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