尾行 1/2

 私には双子の兄がいる。
小さいころからずっと一緒。

幼稚園から中学までずっと一緒だった。クラスも一緒。
そして高校入学。高校に入ったら流石にクラス離れちゃうかな、なんて思ってたけど、結局は一緒になった。これが双子の絆ってやつなのかもしれない。

 今日も朝から仲良く登校。

「臨也、今日って宿題あった?」

「数学の54ページの問7。しかも今日の授業莉緒あてられるよ?」

「嘘!ヤバいんだけど!全然これっぽっちもやってないよ!」

「莉緒だから、そんな事だろうと思ったよ。」

そう言ってクスクス笑う私の片割れ。

「お願い、学校着いたら宿題見せて?」

「嫌だ。」

分ってた。キッパリと断られることぐらい分ってたよ!
でも私はめげない。

「お願い!」

「駄目。莉緒が悪い。」

「臨也のいじわる。」

「うん。」

「いいもん、シズちゃんに見せてもらうからーっ!」

「はあ?なんでそこでシズちゃんが出てくるわけ?」

朝からシズちゃんの名前を出したのは間違いだったみたい。
明らかに不機嫌になった。

「ごめんなさい。」

「しかたないなあ、今度からちゃんと自分でやれよ?」

「え!見せてくれるの?」

「今回だけだよ、まったく…」

なんだかんだ言って臨也は優しい。
そんな臨也の事が私は大好きだ。



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