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あれから一週間位が経った。
4月に入り、街は新生活を送る人々で賑わっている。
あの後、着替えなど必要な物をいろいろと揃えて所持金がだいぶ減ってしまった。
それからの約一週間、残り少ないお金でなんとか過ごしてきたけどそろそろ限界。
もう少しでお金は底をつく。
バイトしようと思った。けれど身分証明書すら持っていない私を雇ってくれる所なんとそうそうなかった。
今日こそはバイトを見つけなければ、そう思ったとき、
マナーモードにしていた携帯が鳴った。
かけてくる人は一人しか居ない。
「…もしもし。」
「やあ、莉緒ちゃん?元気だった?」
元気じゃないです。死にそうです。そう言いそうになったが止めた。
「元気ですよ。それよりどうしたんです?」
「ああ、君が言っていた子に会ったよ。エアコンみたいな名前のね。」
「そうですか、これで信じてもらえましたか?」
「君は未来のことを言い当てた訳だし、そういう約束だったから信じるよ、一応ね。
それで、今から会いたいんだけど、時間ある?この間のネットカフェの前で待ってるから。じゃあ、待ってるよ。」
そう言うと一方的に電話を切られた。こっちは行くって言ってませんけど!
そう思ったけれど、行かないと後々嫌なことが起きそうなので行くことにした。
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