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「やあ、待ってたよ。」
そう言って向けられたら笑顔は今日も爽やか。
「で、なにか用ですか?」
「機嫌悪いねぇ、まあいいや。」
機嫌悪いのはあなたに呼び出されたせいですが!なにも良くないしね!
「で、話ってなんですか?」
「じゃあ早速だけど、俺に協力するつもりはない?」
「…へ?」
思ってもみない事だったので、間の抜けた声が出た。
「もちろんタダでとは言わないよ。君がこの世界で暮らしていくのに不便のない暮らしを提供するよ。
戸籍だって作ってあげられるよ。お金も残り少ないんでしょう?働くためには必要だよねぇ。
悪くない条件だと思うんだけど、どうかな?」
確かに悪くない条件だ。だけど重要な事を一つ聞いていない
「私は、どう協力すれば良いんですか?」
「ああ、言ってなかったね。俺と一緒に情報屋の仕事をしてほしいんだよ。
君はこの世界の未来を知っている。そんな君と俺が組めば最強の情報屋になれると思うんだ。」
全て教えろとは言わないよ。君はこの世界の流れを変えたくないみたいだしね、と臨也は付け足した。
臨也に協力して貰わなければ私はこの世界で生きていけないだろう。
だけどこの世界の未来を教えれば、全て臨也の思い通りになってしまうのではないかと思うと…
「少し…考えさせてください…」
「わかったよ。いい返事を待ってるよ。」
そう言うと臨也はまた爽やかな笑顔で手を振りながら去っていった。
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