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「つまり、君の住んでいた世界では俺達の事がライトノベルやアニメになってるってわけ?」
「はい、信じてもらえましたか?」

「確かにそれだと俺やシズちゃんの事を知ってるって言う説明にはなるけどねぇ。」

いきなり自分がアニメの世界の人間だと言われたのだ。信じられなくて当然だろう。

「どうしたら信じてくれますか?」

「そうだねぇ、じゃあ君がその物語で読んだ、未来に起こることを一つだけ教えてよ。
それが正しければ、この世界がライトノベルやアニメの世界だっていう証明になる。」

臨也らしい考えだ。今は証明出来るのはそれしかないだろう。
「わかりました。じゃあ一つだけ教えます。その代わり一つだけ教えてください。
今は何月ですか?」

「今は3月の終わりだよ。なにか関係でもあるの?」

3月ということはまだ物語が始まる前と言うことになる。
この時期に私が来てしまったと言うことは、大いに物語を変えてしまう可能性があるのではないか…

「今の質問で今はまだ物語が始まる前だって事が分かりました。
じゃあ、約束通り一つだけ教えますね。臨也さんは4月に入ったらある人と出会います。
エアコンみたいな名前の人ですよ。」

「へぇ、当たるかどうか楽しみにしておくよ。4月まであと少しだしねぇ。」

教えてしまって良かったんだろうかと若干の後悔。けれどこれぐらいで物語に影響が出ることはないだろう。

「これで満足ですか?」

「うん、今の所はね。それより君はこれからどうするの?住む所もなにもないんでしょう?」
「とりあえずはお金あるし、なんとか大丈夫です。」

ならいいけど、と言って臨也は爽やかな笑顔を見せた。

「じゃあ結果、報告するよ。
これ俺の連絡先入れといったから、困ったらいつでも連絡してね。」

と、手渡されたのは私の携帯。
いつの間に取られたのかは分からない。さすが妖怪鎌鼬と名乗るだけあるなぁ、などと考えていたら臨也は手を振りながら帰って行った。


これから有り金で私はどこまで生き延びられるのだろうか…

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