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「チッ…来ちゃったかぁ」
臨也はそう呟いたが莉緒は全く状況が飲み込めず、飛んできた自販機に呆気にとられてると、臨也にいきなりグイッと腕を引かれ抱き寄せられた。
(え?え?今度はなに…!)
いきなり抱き寄せられ混乱してると、つい数秒前まで莉緒が立っていた所に道路標識が突き刺さった。
(なんでこんなものが…!)
有り得ない光景を目の当たりにしさらに混乱が増す。
標識が飛んできた方向を見ると、バーテンダーの格好をした長身で金髪の男が立っていた。
(まさか…この人が投げたの…そんな、有り得ない…)
「なんだぁ、シズちゃん。来ちゃったの?今日は会わないで帰れると思ったんだけどなぁ。」
臨也はそう言って、先ほどとは違う皮肉に満ちた笑顔を見せた。
「くせぇと思って来てみればよォ、池袋には来るなって言ったよなァ、いーざぁーやぁーくんよぉぉぉ!」
シズちゃんと呼ばれた男は怒声をあげ、近くにあった電柱に手をかけると、なんとそれを引き抜いた。
「とんだ邪魔が入ったね、ひとまず逃げようか。莉緒ちゃん、走るよ。」
そう言うが早いか、臨也は莉緒の手を引いて走り出した。
「逃げんなぁぁァ!」
金髪の男はそう叫び電柱を投げて来る。
(てか、折原さん走るの速っ…)
何が起こったのかはっきりと理解できないまま、臨也に手を引かれひたすら走った。
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