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「39度か…まだ下がらないねぇ。」

そう言っておでこに触れた臨也の手は冷たくて気持ちがいい。

なんだか具合が悪いと思って、熱を計ってみると37度で微熱だなぁ、なんて思っていたのが昨日の朝のこと。
さらに具合が悪くなってきて、臨也に病院行ったら?と言われ嫌だと拒否したのが昨日の夕方。

夜中に熱が上がってきて、あの時素直に病院に行けば良かったと後悔した。

「何か食べられる?新羅から薬貰ってきたんだけど、何か食べなきゃ飲めないから。」

「……なにも食べたくない…。」

「でも何か食べなきゃ、薬飲めないし…薬飲まなきゃ良くならないよ?」

わかったと返事をすると、ちょっと待っててと言って、臨也は部屋から出て行った。

臨也が居なくなった部屋は少し広くなった感じがして、なんだか寂しくなった。


早く戻ってこないかなぁと考えていると
ごめんね、待った?とまるで私の心を見透かしたようなタイミングで臨也が帰ってきた

「これ、食べられる?お粥つくったんだけど。」

私が頷くと、良かったと言ってにこっと笑って見せた。
私が体を起こそうとすると、手を貸してくれた。こういうさり気ない臨也の優しさが好き。

「食べさせてあげようか?」

「い、いいよ…自分で食べられるし。」

「遠慮しないでよ。」

今日ぐらい良いかな、と甘えてみる事にすると、
はい、じゃああーんと言って差し出されたお粥を食べるととてもおいしかった。

「おいしかった、ありがとう。」
「それは良かった。薬飲んでちゃんと寝てね。」

そう言って頭をくしゃっと撫でてくれた。


「じゃあ、俺は仕事してるから、何かあったら遠慮なく呼んで。」

「うん、ありがとう。」

「どう致しまして。じゃあおやすみ。」

そう言って臨也はキスをした。
「…っ、か、風邪うつっちゃうよ!」

と慌てた様子で言うと

「風邪は誰かにうつした方が早く治るって言うでしょう?」
なんて言ってクスクスと笑いながら、部屋を出て行った。




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