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武器、それは・・・(1/2)







ピリリリリッーーーーー



突如鳴り響く携帯の着信音。



あ、電源落とすの忘れてた・・・。


今は取り込み中ですよっと、電源を切ろうとしたが、表示された番号に目を細めた。



<りゅう?>



「あ、なに?」



<どうかしましたか?>



「電話がきたんだけど・・・哀ちゃんからなんだよね」




彼女から電話が掛かってくることはあまりない。彼女の身に何か起こったのだろうか・・・



<・・・・りゅう、出る時間はありますか?>



「警察自体着いてないからね、大丈夫だよ。ちょっと待ってて」



<はい>



沖矢との無線をそのままに電話を取れば「もしもし、りゅうさん?」と声を抑えて出たのは間違いなく哀ちゃんだ。



「ん?どうした?なにかあった?」



ーーー実は・・・ーーー



哀ちゃんから聞いた話では何でも、子供たちが帰ってこなくて、昼間に博士が冗談交じりで言った言葉を真に受けてしまったのでは?という事になり、子供たちがいるであろう場所まで来たそうだ。



「・・・誰かがいるの?」



ーーーえぇ、相手は拳銃を持っているみたい。それと、そのっ・・・ーーー



「・・・ベルモットでも見かけた?」



言葉の歯切れが悪い彼女に可能性を上げれば、息を飲むような音が耳に届いた。


―――見掛けたのはバイクだけ、気のせいかもしれないんだけどっ・・・―――



「哀ちゃん、落ち着いて。いい?あなたは出来るだけ姿を隠した位置で待機して」



因みに子供たちは?と問えば、危ないから親御さんに迎えに来てもらい帰ったという。それに関しては良かったとは思うけれど・・・



ーーーでも、早くここから離れたほうがーーー



「すぐに行動に移せば目に留まりやすい。いい?今からベルモットの方が退散せざる得ない状況を作るから、あなたも博士も姿が見られない位置で身を隠して」



ーーー退散せざるえない状況?ーーー




「すぐにそっちに刑事が行くようにする」




ーーーえっ!?ーーー



驚く哀ちゃんに、ジッとしてるのよ?と再度言い、すぐに電話を切った。




「・・・・・・・・・」



ハァーと、大きくため息を吐き、携帯を見た。



<・・・私が電話しましょうか?>



「うーん、いや、大丈夫」



<まさかあなたの口から刑事に電話する、と出てくるとは。妹もさぞ驚いていましたね>



「・・・うっさいわ」



耳元で聞こえる沖矢の言葉に悪態を吐いた後、ある電話番号に掛けた。




ーーーもしもし、りゅう?あなたから電話が掛かってくるなんて驚いちゃったけど、嬉しいわ。でも今ちょっと手が離せなくてーーー



かけた相手は佐藤。彼女は電話を出た瞬間から勢いよく一気に言葉を発した。




「・・・いや、忙しいかな、とは思ったんだけど、ちょっとあんたに手を貸してもらいたくて」



ーーー私に?いいわよ。なに?ーーー



用件聞く前にいいわよって・・・;



「今ね、哀ちゃんと博士が監禁されているかもしれない人が居るところにいるの」




ーーーええっ!?ーーー




「場所は米花の森、相手は影での確認らしいんだけど拳銃を持ってるみたい」



ーーー米花の森ね、分かった!ーーー



「佐藤」



ーーー何?ーーー



「忙しい時にごめん」



ーーー何言ってんのよ、あなたから手を貸してもらいたいなんて言われたら喜んで貸しちゃうわ。そうじゃなくても、事が事だから刑事として当たり前のことなの。あなたが謝る必要ないのーーー



「・・・ありがと。でもくれぐれも気を付けて。あなたが言ってた得体のしれない何か、かなり危ない可能性があるからーーー」



ーーーえぇ、分かったわーーー



ピッと電話を切ればイヤホンから聞こえてくる、フッとした笑い声。



「・・・何笑ってんのよ?」



<いえ?随分と素直になったと思いまして>




「はぁ!?」



<いえ、こっちの話ですのでお気にせず。それより、タワーに登るんでしょう?>



「えぇ、とりあえず中には潜り込めたから後は登るだけ・・・あ」



<どうしました?>



「警察が到着したみたい」



<・・・奴は?>



「・・・いる」



<十分に気を付けてくださいね?>



「了解」



それだけ言って通信を切った。少しの物音でも気づかれる可能性があるからーーー



相手はあの組織の連中なのだから。




陰から刑事たちがタワーの中に入ってくるのを見ていれば‘奴’が一緒にいる刑事たちを拳銃で殴り気を失わせていた。



殴られる方は可哀想なものだけど、私からしてみれば動きやすくはなった、かな・・・




奴の後ろから静かに着いていけば、ボウヤや水谷さん、そして今回の犯人である本上かずきの姿があった。




ナイフをコナンへと振り下ろす本上、それを止めたのは松本管理官の銃だった。



バァンーーと銃声が響き渡り、ナイフを落とし腕を抑えて蹲る本上。




「間に合ったか。怪我はありませんか?」



警視庁の松本です。と警察手帳を見せながら近づいてくる彼を見て、水谷さんはホッとしたような表情を浮かべた。



だが、コナンは逆に警戒し、麻酔針を松本へと向けた。



「一緒に署に来てもらおうか」



グイッと本上の腕を引っ張り立たせた所で、コナンが麻酔針を発射するが、直前で避けられ、それは水谷さんへと向かい、彼は気を失った。



「っ・・・(しまった!)」



「くそっ!!捕まってたまるか!!」



本上は腕を離された事で、松本へとスタンガンを向けて向かっていったが、彼に鳩尾へと拳を叩き込む松本。



本上も気を失い、その場に意識があるのは、コナンと松本、そして陰に隠れているりゅうだけだ。



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