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目に見える変化(1/2)







「あー、これは・・・・;」



「子供たちの力だけでは無理でしょうね」



子供たちが居る場所へと来たりゅうと沖矢。そして途中で合流したコナンと灰原に子供達は顔を俯かせていた。




「昴、いけそう?」



「恐らくは・・・ですが」




沖矢と二人で引っくり返っているスノーモービルに近づき、手を置いた。



「おい、おめーら、危ねぇから少し離れてろ」



コナンが子供たちを自分の後ろへと下がらせれば三人は素直に「はい」と頷き下がった。




「つめたっ・・・」



「大丈夫ですか?」



「ん」



雪が少しだけ積もってしまったスノーモービルは、素手で触るとヒヤリと冷たかった。




「いきますよ、せーのっ・・・」



「っ・・・・」



沖矢の掛け声とともにりゅうも力を込めて押せばゆっくりとスノーモービルは動き出した。




少し経ってガンっと大きな音と共に倒れていたスノーモービルは戻った。




「ふぅ〜・・・・」



スリスリと手を擦り合わせて一息吐けばフワリと手を包まれた。



「わっ・・・昴?」




「霜焼けになる前に急いで戻りましょうか」




随分と冷たい、と呟く沖矢の手は同じように雪に晒されてたはずなのに温かくて・・・




「・・・いつも冷たいのにね、あんたの手」



なのに変なの。とクスッと笑えば沖矢も同じように笑った。



「それはきっと・・・あなたの手を温める為ですよ」




「・・・・気障」



その言葉に昴の笑み、胡散臭い、とジト目で見て言えば彼は喉を鳴らした。




「くくっ・・・手厳しいな」




二人でそんな話をしていればコナンが子供達に説教をしていて、哀ちゃんはそれをただジッと見ていた。



「おめーら!たまたま昴さんたちが居たから何とかなったものの、俺達だけだったらどうしようもなかったんだぞ!?」




「「「ごっ、ごめんなさい・・・」」」



「そもそもっ・・・」



コナンの言葉が続く前に、光彦と元太の言い合いが始まってしまった。



「元太君が悪いんです!調子に乗りすぎたんですよ!!」



「光彦だって喜んでたじゃんか!」



「限度ってものがあります!もっと考えて行動しないと!!」



「なんだとぉっ!!?」



二人の喧嘩が始まり、歩美が困ったような表情を浮かべた。


「ちょっ、ちょっと二人とも!!」



「俺が何も考えてねーみてぇーじゃんか!!」



「へぇー?何か考えてたんですか!?」



「当たり前だろう!!?おめーこそ、いっつも利口ぶりやがってよっ!!」



「あぁ!!なんですか、それ!!?元太君なんて!!」



「光彦なんて!!!」



喧嘩が徐々にヒートアップし、歩美は泣きそうな表情をしていた。その頭をポンポンと撫でれば「りゅうさんっ・・・」と涙を目に浮かべりゅうを見た。




そして歩美の横を通り過ぎ、言葉の刃となる前に、光彦の口をソッと手で塞いだ。



元太の背後には沖矢が居て、沖矢もまた元太の口を手で塞いだ。



「そこまで」



「これ以上は、口に出してはダメですよ」



「「むぐっ・・・」」




「光彦君、元太君。これ以上は止めよう?お互いに傷つけあって、何もいい事なんてない。一度クールダウンしようか?」



「「でもっ!!」」



「りゅうさんと、昴さんの言う通りだ!二人とも!言葉は一度吐き出しちまったらもう元には戻せないんだぞ?」



「「・・・・・・」」



コナンの言葉に二人はピリピリと睨み合う。



「言葉は刃物なんだ。使い方を間違えれば厄介な凶器になる」



コナンが続けて言葉を紡げば、ぐっと顔を顰める二人に、りゅうと沖矢は隣に並んで事の成り行きを見守る事にした。



「言葉のすれ違いで、一生の友達を失う事もあるんだ。一度すれ違ったら二度と会えないかもしれねぇぜ?」



その言葉に二人は顔を俯かせた。



そんな二人の頭に手を置くりゅう。そして視線を合わせる様に屈めば、光彦も元太もりゅうを見た。



「二人が傷つけあえば、一番傷つくのは誰?あなた達だけじゃなく・・・あなた達と一緒に遊んでいた歩美ちゃんが、一番傷つくんじゃない?」



「「あ・・・・」」



二人は歩美の方へと向けば、そこには泣きはしないものの、瞳には涙を溜めている歩美の姿があった。



その姿を見て更に顔を俯かせてしまう光彦と元太。



「さぁ、帰りましょうか」



このままじゃあ風邪ひいちゃう。とりゅうが言えば、二人は小さく頷いた。




さて、スノーモービル二台とスケボーで帰ろうか、と立ち上がったりゅうが向こうの方に見える光に気が付いた。




「・・・あ、車」



「「「え?」」」



たまたま通りがかった車に事情を話せば、泊まっているホテルまで行く予定だと言う彼に子供達を乗せてもらえるか聞けば、笑顔で頷いてくれた。



「じゃあ、私たちは後からすぐ追いつくから」



「うん、分かった。気を付けてね」



窓から顔を出すコナンに頷いて、運転席に座る男性に「お願いします」と言えば「あぁ」と返ってきて、車は走って行った。




「じゃあ私たちも帰ろうか」



「えぇ」



そして倒れていたスノーモービルに乗ろうとすれば沖矢は「交換です」と言って冷たいスノーモービルに乗った。



「・・・昴が風邪を引くよ?」



「私なら大丈夫ですよ。寒いのは慣れてる」



「・・・・最初に会った時、風邪ひいてなかった?」



バスジャック事件で会った時、赤井は確かマスクをして咳をしていたような気がする。



なのに寒いのに慣れてると言われても・・・;



「あれはただマスクをするための演技だ」



ベルモットが居たから顔を少しでも隠そうと思ってな、と笑う沖矢に苦笑いが漏れた。



バレバレだと思うの;目で・・・。と思ったがそれを口に出す事はしなかった。



そしてそのまま、二台で走り出した。



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