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不思議な少女(2/2)








昨日、赤井君に家まで送ってもらって安静にしていれば足の痛みも大分引いたため、次の日には仕事に出勤が出来た。



親戚の子として偽って預かっていると言っている少女、実はマミィ・・・母親なのだが、それは内緒の出来事で・・・



母親は昔KGBに所属していて、そこで数年間黒の組織に潜入していたが正体がばれてAPTX4869を飲まされ幼児化してしまった所、私が匿っているのだが・・・


そんな母が朝、大きな爆弾を落としてくれた。



≪昨日の彼、赤井君。私気に入っちゃった≫


≪はっ!?≫


≪彼、いい男だし、私の事も結構疑ってたし頭も切れるようだから・・・‘こっち’側に巻き込んじゃおうかなって・・・テヘッ≫


≪テヘッ・・・じゃない!こっち側に引き込む!?馬鹿じゃないの?!マミィのこと知ってるのは私とダディとジェイムズさんだけでっ・・・≫



≪そのダディは仕事が忙しくて帰ってこない事が多い。ジェイムズさんは頼りにはなるが、後はお前だけとなると心許ないのでな。彼ならお前も好意を持っている様だし、向こうも・・・≫


≪なっ・・・・≫


≪図星だろう?母を舐めるな≫



そんな会話をして喧嘩腰に家を飛び出してきたのだ。



はぁー、とどこか憂鬱な気分で仕事場の門をくぐろうとすれば後ろから彼の声が聞こえてきた。



「朝から溜息か?」



ビクッ!と肩をビクつかせて恐る恐る振り返れば呆れたような表情の赤井君の姿。



「あっ・・赤井君、おはよう・・・」



「あぁ」



りゅうの隣に並べば行かないのか?と問われて慌てて彼と一緒に門をくぐった。



「・・・・あのさ、昨日マミィ・・・からなんか聞いたって・・・」



「・・・あぁ、お前の母親だそうだな」



驚いたと苦笑いの彼に私はもう完全に諦めた。



「・・・変な事に巻き込んでごめん・・・;」



「いや、気にするな」



「そもそもあの人、赤井君が居るのにあんな話するから・・・;」



「・・・まぁそれもあるが一番はお前の呼び方だな」



「え?」



赤井の言葉に足を止めれば彼はこちらをじっと見つめた。



「マミィ、彼女の名前がマミだから、そうとも思ったが、確かお前は母親の事をマミィと呼んでいたな、と思ってな」



「・・・・私、マミィって言ってた・・・?;」



マミと言ってるつもりだったと言えば「マミィと言っていたな」と赤井に言われて頭を抱えた。



「あー、もう・・・;マミィが態々偽名は私が呼びやすいようにマミにしたのに・・・;」



項垂れるりゅうを見て赤井はククッと喉を鳴らした。



「だが・・・お前の母親は元々俺に隠すつもりはないように見えたが・・・」



赤井は首を傾げながらそんな事を言えばりゅうが「あぁ、それは・・・」と言いかけてハッと口を閉ざした。



「それは・・・なんだ?」



「あー・・・いや、なんでもない」



きっとマミィは私が赤井に好意を抱いてるのを瞬時に見抜き、彼の人間性を短時間で観察し、バラすつもりだったのだろう。



私を支えてやってほしいと・・・母なりの気遣いなのだろうが・・・そんな事本人に言えるかっ・・・



「りゅう?」



顔を何処か紅くするりゅうに赤井が不思議そうな表情をして名を呼べば、彼女はチラッと赤井を見た。



「・・・もう巻き込んじゃったし、今更か・・・;これから今まで以上に相談とかしちゃうかも・・・」



あの人が悩みの種だと言えば彼はククッと喉を鳴らし「俺で良ければいつでも」と言ってくれた。



「・・・これからもよろしくね・・・秀一」



頬を少し赤らめて手を差し出しニコッと笑えば彼は一瞬目を見開いて手を握り返してくれた。




「あぁ、こちらこそ。りゅう」





          チャンチャン



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