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やっと言えるーーー(2/3)






それから毎日一緒に居て、仕事をこなしていくうちに、ライとは仲が良くなった。


組織に居ながら一番ホッとする場所、それが相方になったライで・・・・



そんなライに惹かれるのにそんなに時間は掛からなかった。



けれどそれは決して叶わぬ想い・・・



惹かれ始めていると気がついてもそれを言葉に出すことは出来なかった・・・


彼は組織の人間でも、随分と優しい雰囲気で・・・


それでも、彼が組織の人間であることには変わらなくて・・・



自分の気持ちに蓋をした。



ライ・・・・


好き・・・だけど、決して好きになってはいけない人・・・


私は・・・組織とは敵対関係のCIAなのだから・・・



「・・・・ライから、情報を聞き出すのは無理だし、必要はない事なのが救いね」



自分より後に入った彼、彼に届く情報であれば確実に彼の上司である私には届いている情報なのだから・・・



敵対しているだけでもう、心が痛いのに更にそれに追い打ちをかけるような彼を騙すようなことをしなくていい事だけは・・・本当に良かったと思う。



「けど・・・想いを断ち切らないとね」



じゃないとこのままではいつか歯止めが利かなくなりそうでーーー


引き返せなくなりそうでーーー


組織壊滅の為に潜入した組織さえ、仕事さえほっぽって、逃げたくなってしまう前にーーー



仕事に専念しろ、とりゅうは毎日自分にそう言い聞かせながら日々過ごしていた。






そんなある日の事だった。



ジンから聞かされた衝撃の事実ーーーー



「ライが・・・FBI?」



「あぁ」



「組織を・・・裏切った?」



「あぁ、殺し損ねちまったがな」



チッと忌々し気に舌打ちするジンに何処かホッとする心。


しかしそれを気取らせるわけにはいかない。



「あー・・・折角私の仕事がライのおかげで軽減してたのにー・・・あいつ次会った時私の手で決着つけてやる」



私のこれからの仕事が増えることが目に見えていて、それの恨み・・・と言わんばかりに言えばジンがジッとこちらを見てきた。



「何?」



仕事でも減らしてくれんの?とニヤッと笑えばジンは「けっ・・・」と吐き捨てた。



「お前が奴に惚れてるんじゃないかと思ったが、俺の気のせいだったようだな」



「・・・・・・」



ジンの言葉に心底、こいつバカじゃないの?と言わんばかりの表情で見れば彼は喉を鳴らしながら去って行った。




内心バクバク物だった。ジンにまさか悟られているとは・・・



でも思い起こせば・・・・ライと二人でいる期間が長すぎた。



その間に私は大分変った事だろう。



組織に入ってライが来るまでの間、私は一匹狼を貫いていて、ジン以外話しかけるなオーラを出していたのに・・・(実際ジンにもそのようなオーラを出していたが彼は関係なしだったから・・・)



ライと出会って仕事を一緒にこなすうちに、他のメンバーともよく話すようになった・・・というか、話しかけられる方が多かったのだが・・・



「・・・・これでまた前の自分に戻れば・・・私がライが来て変わった事バレバレじゃん」



そしてそれは明らかに・・・彼に惚れていると言っているようなもの。


ジンはそんな事にはすぐに気がつくだろう。




「・・・・そろそろ潮時かもねー」



CIAからはもう何か月前からお前は一度戻って来いと言われていた。



私が掴んだ情報は結構役には立ってはいるがそろそろバレる可能性があると言われて、新しいスパイを送ったからと言われてはいた。



その時期に入ってきた人間を見る中で一番ぽいのは、キール。だと思う。



帰って来いと言われているのにも関わらずこの組織に居た理由、それはーーー



「・・・気持ちに蓋をして、断ち切らなきゃと思ってたのに・・・もうとっくに引き返せなくなってたなんてね・・・」



フッと笑ったりゅうの表情は寂しげだった。





それからりゅうはすぐに行動に移した。



組織の仕事の最中に、CIAの罠に嵌まり殺されそうになっているキールと数人の組織の人間を助けるために囮になって死んだと言う事実をでっち上げた。




晴れてCIAに戻ったりゅう。



組織では偽名を使っていたのでそうそうばれることはない。


奴らはりゅうをスパイだと一度も疑ってはいないのだから。



だが組織と接触があればバレる可能性が高いという事と、そうなった場合、キールが危険に晒される可能性がある為、組織関係とは全く関係ない事件へと回っていた。



二年ほど経った頃、いきなり上司から日本へ行ってくれないか?と言われて首を傾げながらも「了解」と答えた。



なんでも日本にいる仲間に仕事内容を聞けという事。暫くは日本に滞在し、その仕事に決着がつくまで戻ってくるなという事。



そして最後に、今回の任務は手助けなどはするが、殆どは単独で、独断で動けと言われた事。



もう内容の意味が分からなくて、首を傾げつつも、上司のいう事は絶対、断るという事などは出来ないので指示通り日本に来た。




そこに居た仲間に聞かされる事実ーーー



水無怜奈が意識不明の重体でFBIに組織の重要参考人として保護・・・確保されていると聞かされた。




「・・・・なるほど」



FBIねぇ・・・と思いながらりゅうは上司がなぜ今回の事を私に一任したのか、単独でと言ったのか・・・・



組織に関わる事は避けろと言われ続けていたのに、裏で調べまわっていた事、キールと連絡を取り合っていたことを知っていたのだろう。



だから、上司は私の気持ちを汲んで自由にさせてくれたのだ。



ありがたいと感謝しながら、仲間に聞いたキールこと、水無怜奈が居るであろう病院へと忍び込んだ。



そしてすぐに気がついた



ライが居ることに・・・・



「・・・・・・・・」



彼の姿を見た瞬間、ドクンと高鳴る鼓動。



それと同時に「やりにくいな」とも思った。


FBIに負ける程弱くはないつもりだ。


だけども、組織からも未だに‘銀の弾丸’と恐れられている彼がいるなら別だ。


彼の実力は三年間ともに仕事をした私が一番よく知っている。




「・・・・・独断で・・ねぇ」



こうなったら上司の言葉に甘えるとしよう。









りゅうは夜になって屋上へと出た。


そして水無怜奈の部屋であろう場所の窓へと一気に飛び降りた。



部屋の扉の前にはFBIの見張りが数人いて入れそうにない。


だったら、もう一つの入り口である窓しかないと思ったのだ。



なんとか窓の外にあるちょっとした足場に着地が出来てホッとする。



そしてチラッと中を見ればーーー



「フッ、丁度いい・・・ってあれ?誰、あのボウヤ・・・」



病室の中には目が覚めている水無怜奈とライの姿、そして小さい子供の姿。



一瞬首を傾げるがあのライが不敵に笑いながらボウヤと水無怜奈と話しているのだ。



問題はないか、と結論づけた。



そして聞こえてきた会話にニッと笑った。




「まさか組織から抜け出そうとしている私に、もう一度組織に戻れと言うんじゃないでしょうね?」



水無怜奈の言葉にライはフッと笑う。



「もちろん、その・・まさかだ」



それから二人と一人の子供で練られる作戦に、驚きながらも笑みを深めた。




「でもさ、この作戦、確かに赤井さんを殺すことで水無怜奈さんの疑いは晴れるかもしれないけど・・・完全には晴れないよね」



もしかしたら奴ら、CIAだと感づいている可能性があるとボウヤが言った。




「・・・・・・・」




その言葉に黙り込む赤井と水無怜奈。





この辺りでいいかな?と思いながら一気に窓を開けて「よっと・・・」と言いながら病室へと入った。



その瞬間、一気に緊張感に包まれる病室。




「誰!!!?」



叫ぶボウヤに銃を構えるライ。



そして目を見開く水無怜奈。



そんな様子をざっと見てフッと口角を上げた。




「武器なんか持ってない、だからそれ、下ろしてくれない?‘ライ’」




「お前はっ・・・・・」




銃を下ろしながら目を見開くライに「久しぶりー」と笑って手を振った。




「え?知り合い?っていうか・・・ライって・・・」



まさか組織の!?と驚き声を上げるボウヤにフッと笑った。




「シンフォニー、それが私のコードネームよ?」



「くっ・・・・」



折角の作戦が全部筒抜けかっ・・・と悔し気な表情をするボウヤに見下したように笑えば呆れたような声が上がる。




「・・・・あなた、そうやってボウヤを怖がらせて・・・悪趣味よ」



水無怜奈だ。そんな彼女に「あはは」と笑いながら近づいた。



「意識不明の重体だって聞いたけど大丈夫?」




「問題ないわ」



仲良さげに話す二人にコナンと赤井は顔を見合わせた。



「その作戦、結構いいとは思うけど、一押し足りないんでしょう?だったらこうしない?」




「え?」




「CIAと疑われてるのならその疑いを晴らせばいい」




「・・・・なるほどな」



りゅうの言葉に赤井はフッと笑った。



「あら?相変わらず回転が速いわねー」



「ふっ・・・お前がまさか・・・CIAだったとはな」



赤井の言葉にりゅうはニコリと笑った。


「どういうこと?」



コナンが首を傾げればりゅうはそちらを向いて説明した。



組織に潜入してた事、赤井とはそこで相棒だったこと、そして潮時だという事で新たにスパイを送り込むために死んだことにしてりゅうは組織を抜けた事。




「で、キールが組織に戻るのなら、私が生きていたことを組織にリークすればいい」



「なっ・・・でもそれじゃああなたがっ・・・」



水無怜奈が驚きに目を見開く。



「構わないよ。あんたが組織に疑われない事が今回の作戦の肝なんだから・・・」




「だが・・・俺が死んでお前が生きているとなればお前が集中攻撃されるぞ?」



「まぁそうなったらそうなった時。そん時考えるよ」



「相変わらず軽いな、お前は;」



りゅうの言葉に赤井が呆れたように言えばりゅうは笑った。



「でも・・・上が何ていうか・・・」



水無怜奈の言葉に「ノープログラム」と返した。



「私は好きに動いていいって・・・あなたと連絡取り合ってたのも、私が独自に調べてたのばれてたみたい・・・」



あははっと苦笑いすれば水無怜奈も苦笑いした。



「とりあえず・・・手を組みましょうよ。ライ」



「手を組む?」



「えぇ、私はCIAだけどこの件に関しては独断で一任されたし、私は独りで動く。キールを組織に送るのであればさっき言ったキールの弟を保護承認プログラムだっけ?それで保護する」



「あぁ」



「だったら、キールとFBIの綱渡しは私がやる」



悪い話じゃないでしょう?と言えば赤井はフッと笑った。




「敵であればやりずらいとは思ったが、味方であれば別だ。お前ほど心強い味方は居ない」



楽し気に笑い手を出す赤井にりゅうはニッと笑った。



「よろしく、そう言えば名乗ってなかったね。CIAのりゅうです」




「FBI赤井秀一だ」



それからボウヤの名前も聞き、今後の作戦や組織を追う際は協力を惜しまないとFBIとCIAが手を組んだ瞬間だった。






・・・・・・・・・・・・
(りゅうさんと赤井さんってどういう関係?)
(え・・・?うーん、上司と部下?)
(それってライが上司なのよね?)
(ちょっと、本堂。それどういう意味かな?)
(くくっ・・・・)
(何笑ってんのよ、赤井・・・)




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ちょっと中途半端になってしまったような・・・;このような出来になってしまいましたが気に入って頂ければ嬉しいです!

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本当にありがとうございました!








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