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弟と妹を通してあなたを想う(1/2)










「りゅう姉!!」



ダキッーーと後ろから抱き着いてくるのは赤井の妹である世良真純ちゃん。



「こら、真純、姉さんは今料理中なんだから邪魔しない」



抱きついてる真純ちゃんを引き剥がそうとしているのは羽田秀吉、赤井の弟で真純ちゃんのお兄さんだ。



「大丈夫ですよ。私妹とかいなかったからこんな風に姉さんと言って懐いてくれる真純ちゃんが可愛くて・・・」



フッと優しく笑うりゅうに、真純は益々笑みを深くしてギューッと抱きしめた。




「姉さんは真純に甘いですよ」



やれやれと苦笑いする秀吉にりゅうは苦笑いした。



「秀吉さん・・・その姉さんって呼び方やめませんか?」



秀吉さんの方が年齢的には上ですし、なんだかこそばゆいですと言えば彼は笑った。




「兄さんの彼女なんですから僕からしたら姉さんですよ?」




「いや・・・そうなんでしょうけど・・・別に結婚してるわけでもないですし・・・」



それに赤井にどことなく似ている彼にそのように呼ばれるのはなんだか・・・こそばゆい以上に・・・嫌だ・・・;




そんな表情が出ていたのだろう。彼は苦笑いして「じゃあ、りゅうさんで」と言った。




呼び捨てでも全然構わないのだが、先ほどの呼び方よりは幾分かマシだと思ってもう何も言わなかった。




「りゅう姉!僕何か手伝うよ!」



「そう?じゃあ真純ちゃん、このキャベツ切っておいてくれる?」




「分かった!!」




りゅうの言葉に真純は元気よく返事を返してトントンと音を立てて切り始めた。




「あ、じゃあ僕も・・・これ盛りつけたらいい?」



「あ、はい。なんかすいません;折角お客様で招いたのに手伝わせてしまって・・・」




「僕がりゅう姉の手伝いがしたくて居るんだからそんなこと気にしなくていいんだよ!」




「そうですよ。僕たちが勝手にやってることですから気にしないでください」




そう言って笑う二人の笑顔が似ていてやはり兄妹だなと思い、フッと笑った。




タンタンタンタンーーーー




「・・・・・」



タンタンタンタンーーーー




「・・・・・・」




タンタンタンタンタンタンーーーー




「あの・・・真純ちゃん?」



「真純?」



ずっと聞こえてくる音に、りゅうと秀吉は心配そうに真純を見た。




「え?」



ザクッーーーー



名を呼ばれて振り返る真純、そして包丁の音は嫌な音を立てて止まった。



「いっ!!!?」




「きゃーー!ちょっ・・・えぇー!?秀吉さん!救急箱ーーー!」




「え?わ・・わかりました!!!」



包丁で指を切った真純に慌てるりゅうと、それに釣られて慌てて部屋を出ていく秀吉。




「だっ・・・大丈夫だよ!この位!舐めときゃなおるって・・・」



あははっと笑う真純の指にグルッと清潔な布を巻き付けるりゅう。



「結構深く切ったでしょう?傷が残ったら大変・・・女の子なんだから・・・」



「女の子・・・僕結構男と間違われるからさぁ!こんな傷くらい・・・」



「だめ!真純ちゃんは可愛いのにこんなトコに傷残しちゃダメでしょ!?」




「か・・・かわいい・・・?」



りゅうの言葉に顔を赤くする真純。



「真純ちゃんが気づいてないだけ、あなたは可愛い・・素敵な女の子よ」



フッと笑うりゅうに真純は顔を赤くしたままへへっと笑った。



「りゅう姉、ありがとう」




「んー?何が?・・・って言うか秀吉さん遅くない?」




どこまで行ったんだろう・・・?と思って待っていると息を切らした秀吉さんが救急箱を持って帰ってきた。




「はぁっ・・・はぁっ・・・」



「だっ・・・大丈夫ですか?」



っていうか、なんでそんなに疲れてるんですか?と秀吉に問うりゅう。



「どこにっ・・あるかっ・・・分からなくてっ・・・・」




買ってきましたと言う秀吉に、真純とりゅうはキョトンとした後、顔を見合わせて笑った。




「あはははっ・・・・」



「ふふっ・・・・」




「え?あ・・・・はははっ!」



二人が笑い始めて秀吉も一瞬戸惑ったが、楽しそうな二人に一緒に笑い始めた。






「・・・・随分と楽しそうだな」




入口の秀吉の後ろから聞こえてきた声に3人はそちらを向いた。



「赤井・・・」



「秀兄!」




パァッと顔を明るくさせる真純。




「丁度よかった。真純ちゃんの手当て私するから、秀吉さんと赤井に盛り付け頼んでいい?」



と言いながら秀吉の手にある救急箱を受け取り、キッチンにある椅子へと真純と一緒に座った。




「え?兄さんって料理できるの?」



りゅうの言葉に秀吉が意外そうに呟く。




「料理自体は出来ているんだろう?」



盛り付けるくらい出来ると言ってキッチンへと入る赤井に秀吉も着いていく。




「・・・・・・」




「・・・・・・・」




無言で盛り付け始める赤井と秀吉に、真純がボソッと呟いた。




「シュールな図だな」




真純の言葉に消毒液を持っていたりゅうはそちらを向いた。




「・・・・っ」



無言で盛り付けを黙々としている男二人を見た瞬間、りゅうは顔を逸らして肩を震わせた。





「ちょっ・・・りゅう姉っ・・・笑わないでっ・・・僕も釣られちゃうっ・・ははっ・・」




「だってっ・・ははっ・・・やだっ・・真純ちゃんっ・・・笑いすぎっ・・・あははっ・・・」




お腹痛いっ・・・と腹を抱えて笑う二人に赤井と秀吉は顔を見合わせた。




「なんか楽しそうだね。二人して・・・」



出来上がったものを運びながら笑顔で聞いてくる秀吉にりゅうと真純は顔を見合わせて、ふふっと笑い内緒、と口元に指を置いた。




「えー・・・・」



そんな二人を見ながら楽しそうな秀吉。





「・・・・・・・」



そんな三人を赤井は無言で見ていた。



それからパパッと手当をすまし、料理を運んでいる秀吉にお礼を言って座ってもらう。




「あとは私やりますから・・・赤井も座ってていいよ」




「・・・・あぁ」



横を通り過ぎる際に返事を返す赤井にりゅうは首を傾げた。




「赤井?」




「・・・・・なんだ?」




「なんか・・・機嫌悪い?」



「・・・いや、そんなことはない。りゅう・・・」




「うん?」



「・・・楽しいか?」



「うん!楽しいよ!こんなに賑やかで落ち着くの、久しぶり」



赤井の言葉にニコッと笑うと赤井もフッと笑った。



「そうか」




ならよかった。と赤井はそれだけ言うと真純ちゃんと秀吉さんが座っている方へと向かった。




「〜♪」



鼻歌交じりで残りの料理を手早く終わらせるりゅうの姿を見て赤井は優しく笑った。





「秀兄!」



「どうした?」



「りゅう姉すっごいいい人だね!僕に頂戴?」



へへっと笑いながら言う真純に不機嫌そうな表情を隠しもせずに赤井は「やらん」と呟いた。




「ちぇー」



っと真純は口を尖らした。



「ははっ、真純、それは無理だと分かって言っているだろう?」



「えー?」



そんなやり取りをしていればりゅうが残りの料理を運んで、一緒に食べ始めた。




「りゅう姉!」




「りゅうさん」




真純と秀吉が彼女を呼ぶ声と、りゅうが「真純ちゃん、秀吉さん」と名を呼ぶ声。そんなやり取りを赤井は無言で聞きながら黙々とご飯を食べていた。





「いつも無口だけど今日は一段と無口ね?」




「秀兄はあんまり話さないよなー、笑うこともあんまないし・・・」



だから僕こんな性格になったんだよ!と笑う真純にりゅうは首を傾げた。




「ほら、秀兄が笑わないから僕が笑わせてやるーって思ってね!」



ニッと笑う真純にりゅうもフッと笑った。







暫くして、今日はもう遅いからと真純と秀吉は帰って行った。




カチャカチャと食器を片付けているといきなり後ろから抱きしめられた。




「わっ・・・赤井・・・?」



びっくりしたー・・と水を止めて振り返りながら手を拭くりゅう。




「どうかした?」




「・・・・別に」



そう言いながらギュッと抱きしめてくる赤井にりゅうは少し困ったように微笑みながらそれに応えるように抱きしめ返した。




「今日なんか少し変だよ?」



疲れた?と問えば赤井は小さく首を振った。




「・・・・随分と仲良くなるのが早かったな」





「んー?あぁ、真純ちゃんと秀吉さんのこと?」




りゅうの言葉にピクッと反応する赤井。




「赤井?」



首を傾げて顔を覗き込むりゅう。




その彼女の顎をクイッと掴み、口づけを落とした。




「んっ・・・・」



いきなりの口づけに驚きはしたものの、それに一生懸命応えるように彼の舌に合わせるように絡みつかせる。




「ふっ・・・はぁっ・・・んんっ・・・・」




ドンドン深くなる口づけにりゅうは立っていられなくなり、ギュッと赤井の胸元の服を握りしめた。




口づけが離れるころ、ズルッと力なく崩れそうになるりゅうを「おっと・・・」と難なく支える赤井。




「はぁっ…はぁっ…」




「ベッドに行くか?」



耳元で囁かれた言葉に一気に顔を赤くするりゅうがいたとか・・・










・・・・・・・・・・・・・・
(っ・・・・何?真純ちゃんと秀吉さんにでも妬いたの?)
(・・・・・・)
(図星ですかー?・・・あんたねぇ、兄妹でしょうが・・・妬く必要がどこにあるの・・・;)
(・・・二人のことはもう名で呼ぶんだな)
(えっ・・・・;)






若宮様!五万HIT&映画記念リクエスト企画にご参加いただきましてありがとうございました!


すいません;羽田さんがあまりわからなくて・・・一人称とか違っていたら申し訳ないです><


世良ちゃんと仲良くなる夢主ちゃんにそれを微笑ましそうに見ている秀吉さん、そしてどこか面白くなさそうな赤井さん(笑)

混ざれなくて嫉妬する赤井さん、うまく書けなくて・・・このような出来になってしまいましたがよろしかったでしょうか・・・?

違う話がいいなどのご依頼がある場合、若宮様のみ!書き直し依頼をお受けいたします!


難しいお題でしたが、新しいジャンルを書かせていただく場を頂きありがとうございました!
このようなサイトですがまた遊びに来てくれたらうれしいです!


本当にありがとうございました!!




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