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感じたのは昔懐かしい温かさ(1/2)




こいつ、人がベットの中敷きに隠しておいたライフルを見つけていたにも拘らず、その事には一切触れず、人を言葉で追いつめ楽しんでる。



最初からライフルを突きつけられれば、もう言い逃れなど出来ないと分かり切っているのにも、だ。



最後まで切り札は出さずに、言葉だけで追いつめられた挙句、まだまだ余裕だったこの男に苛立ちが隠せず、盛大に舌打ちが出た。



「さぁ?答えてもらおうか、敵か、味方か・・・・」



ダンっとライフルを私の顔の横で壁に叩きつけ、お互いの鼻がぶつかる位の距離で睨まれ、低い声で言う赤井秀一を悔し気に睨みつけた。



「・・・・・・」


「・・・・・・」


お互いに無言で睨み合うも、もうここまで来たら諦めるしかないようだ。



「・・・・答えは・・・・フィフティフィフティよ」



スッと目線を下にずらし、小さく呟けば彼は一瞬驚いた様に目を見開くがすぐさま楽し気にホォー?と呟いた。



一度目を閉じ、深呼吸して自分を落ち着かせてからスッと目を開くと、彼の目へと強い目で睨みつけた。



「私の邪魔さえしなければ敵にはならない、けど邪魔をするようなら敵にもなんでもなりうるわね」



それはあなたたち次第よ。


そう言い切れば彼は目を細め、俺・・達?と聞いてきた。



「あの外人、ジョディって言うのね?」



まぁ、知っていたけれど、フッと挑発的に笑めば彼は楽し気に口角を上げた。



「なるほど、俺が先ほどつい、口走ってしまった言葉でジョディが仲間だと気が付いたと?」



「知り合いならバスの中でそれなりに会話をするはず、にもかかわらずあなた達は他人のフリをしていた」



「頭は切れるようだな」


「フン、ついでに言わせてもらえば、何がつい口を滑らせた、よ。私を試す為に態と名前を出した癖に」



「ホォー?そこまで気づいていたとはな」



ククッと笑う男に、馬鹿にしやがってと呟くが、彼は馬鹿にはしてないさ、これでも褒めてるんだとほざきやがった。



ーーードンッと彼の胸を思いきり押し返せば彼も力を入れていなかったようで簡単に離れた。




「いけ好かない奴」



「俺は結構気に入ったんだがな?」



「はぁ?!いい迷惑よ、うっとーしい」



「クククッ・・・・」



彼の言葉に本気で嫌そうに顔を顰めれば、彼は楽しそうに笑うばかりで。



あー、もう!マジこの男腹が立つ!!



「ともかく!そのライフルの件を黙っていてくれる事、私の邪魔をしない事、その二つを守ってくれるのなら敵に回ることはないわ」



FBIのね?とクスッと挑発的に笑えば彼は大きく目を見開いた。



その様子にクスクスと笑ってやる。


やられっぱなしは性に合わないの、やり返さないと気が済まないしね?



「FBIだといつ気がついた?」



本気で驚いている彼に、その1、と人差し指を立てた。



「警察相手に特に反応を示さなかった、その2、仲間が外人であるジョディさんなら警察ではない」



「・・・・・」


「その3、携帯を持っているにも関わらず、携帯を持っていないと嘘を吐いた」


これは携帯自体、誰かの手に渡るとまずい情報が入っているから・・じゃない?


と言えば彼は面白そうに、で?と続きを聞かせろと言わんばかりに言った。



「その4、ただの感」



嘘だけど、全部知ってるからだけど、とベッと内心で舌を出す。



「俺がFBIじゃなく、お前の敵側にいるであろうヤツラだとは考えなかったのか?」



「ヤツラだったらこんな回りくどい真似しないで、怪しいと思えばすぐさま殺すでしょうよ」



間違っても、敵か味方かも分からない相手に近づいて、真っ先に手当てするヤツラには思えないしね。



そう嘲笑うように言えば、彼は目を細めた。



「お前が敵だと認識してる相手とは・・・・」


俺たちと同じ相手か?とでも続けようとしたんだろうけどその言葉は過らせてもらう。



「答えることは一つだけ、もう答える義理もない」



無表情にそう言い放てば彼は諦めたように溜息を吐いた。



「ここまできてだんまりか」



「結構応えてあげた方だと思うけど?」


そう、余計なことまで言わされた気がする。


彼の質問は、敵か味方か、それに対して私は一言、あなたたち次第と返して終わりでもよかったはずなのだから・・・




「もういいでしょう?出てってくれる?」



私、一人が好きなの。そう言って部屋から追い出すように、シッシと犬猫を払う様に手を振る。



「今日のところは帰ってやる」



そう言って踵を返し出口に向かう赤井秀一。



最後まで上から目線だなっ、おい!


・・・ってちょっと待て、今日のところは?冗談じゃない!



「もう2度と会いたくないわ・・・赤井秀一」



彼の名を呼べば、彼はバッと振り返った。



驚いたような表情の彼、なぜ、名を知っていると、顔に書いてあるようだ。



その表情にフッと見下したように笑い、ヒラヒラと手に持っていたものを見せつけてやる。



「!!?(いつの間にっ)」



私の持っているものを見るなり、すぐさま自身の内ポケットを確認し、こちらを見る彼。



「やられてタダで起き上がるほど可愛くないの、私」


フッと笑い、その手に持っていた物を赤井秀一に投げた。



それは彼の手にスポッと収まり彼はそれを確認する。



「こんな短時間で、細工なんてしちゃいないわよ、FBIの手帳なんか必要ないし、返してあげただけ」



「・・・・いつだ?」



「さぁ?手癖悪いの、私」



「(壁へと追いつめた時・・・か)フッ、益々気に入った」



ん?今嫌な言葉が聞こえんかったか?と思ったが、彼はそう呟いたきり、部屋から出て行った。



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