×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

狙撃事件発生(1/3)







「行かなくてよかったんですか?」



「へ?」



朝ご飯を食べていれば急に前に座ってる沖矢に言われた言葉に首を傾げた。



「園子さんからお誘いがあったのでしょう?」


なんでしたっけ?あの新しくできた・・・と考え込む沖矢に「ベルツリータワー?」と聞けば「えぇ」と頷いた。



「新しくできた場所・・・まだ一般公開してない・・・物凄く混みそうじゃない?」



どこかげんなりした様子のりゅうに沖矢はニコッと笑った。



「結構貴重な経験だと思うんですけどね」



「興味があるなら昴だけでも行けばよかったのに」



「まぁ興味がないと言えば嘘になりますが・・・そこにあなたが居ないのであれば意味はないですので」



ニコリと笑い言う沖矢に呆れたような溜息を吐くりゅう。




「はいはい」



「釣れないですね・・・それよりもりゅうは興味はないんですか?」



「何が?」



「タワーというか、高い所というか・・・」



「あぁ、あれよね。ベルツリーくらいの高さがあれば狙撃も楽よね」



「・・・・・何の話ですか・・・;」



「狙撃の話?」


高い場所は好きかどうか聞こうとしたにも関わらず、なぜか基準が狙撃の話で、沖矢は呆れたように溜息を吐いた。



「ベルツリーから狙ってくる狙撃手を迎え撃つなら昴だったらどこから?」



りゅうの質問にフムっと考えてからフッと笑った。



「「浅草スカイコート」」



二人が声を揃えていえばお互いに笑い合った。



「なんだかんだ言って昴だって基本狙撃でしょう?」



「否定はしませんが・・・仮にもあなたは女でしょう・・・;別の所に興味持ってください」



「仮にもってなんだ、仮にもって・・・;」



そんな話をしていればテレビから独特の音が流れた。



「速報・・・?」



二人してそちらに目を向ければ驚き、りゅうはすぐさま立ち上がった。



そしてガサガサとあるものを探しイヤホンを付ければ隣に沖矢が立った。



「はい」


「どうも」


もう片方のイヤホンを渡せば彼も耳につけた。



「ベルツリーで狙撃・・・あれかな?狙撃の話なんかしてるから・・・」



「それは関係ないでしょう」



「うん、知ってる」



そんな変なやり取りをしながらイヤホンに集中すればボウヤ一人でスケボーで犯人を追っているようで・・・



「・・・相変わらず一人で無茶するわね」


今からバイクで駆けつけても・・・遅いでしょうね。と呟けば沖矢はコクッと頷いた。


「大丈夫、FBIの方でも動いていることがあるらしい。もしも今回の狙撃がFBIが追っている事件と接点があるとしたら・・・・」



「私たちが駆け付けなくてもあんたの仲間が駆けつける・・・?」



「えぇ」



そう言えば最近、彼は携帯を頻繁に触っていたな、と思い浮かべて彼へと問いかけた。



「最近携帯触ってたのはその事?」



「えぇ。ただ組織とは関係なさそうでしたのであなたには言わなかったんですが・・・」



「あぁそう。それにしても・・・相変わらず危ないことするねー・・・道路をスケボーで暴走中って・・・?」



「やれやれ、怖いもの知らず・・・ですね」



「怖いもの知らずっていうか、出来ない事はないって信じて真っすぐって言うか・・・」



いつかその行動力が命取りになる時が来そうで・・・気が気ではない・・・





≪灰原、聞こえるか?おいっ・・・くそっ!このオンボロっ・・・≫


「・・・・探偵団バッジって結構いい機能がついてると思うんだけど・・・;」



オンボロって・・・;



「ホォー?興味ありますね。今度見せてもらうとしますか」



「あぁ、多分子供たちの分と博士の分があるから博士の分借りたら?」



そんな話をしていればボウヤが追っているバイクのナンバーと共に今どこに向かっているのかを哀ちゃんにバッジで指示している様だ。



暫く黙って聞いていればどうやらバッジの通信できる距離から出てしまったようで、哀ちゃんとの連絡は途絶えたようだった。



その後、聞こえてきた音に眉を顰めた。



「銃を町中で発砲してるわけ?」



「これは・・・コナン君だけ完全に標的にしているようですね」



「っ・・・ボウヤっ、引きなさいっ・・・このままだと分が悪いのはあんたなら分かるでしょう?」



聴こえてくる音に、この場に居る私たちには何もできない。


ただただ無事を祈るだけーーー



そしてなんらかの危険がボウヤに迫っているのだろう。ボウヤの焦った声が聞こえてくる。


すると直後にバイク音がした。



≪どうしてお前が・・・世良のねーちゃんがここに・・・?≫



≪説明は後!飛ばすよ!!≫




チラッと沖矢を見れば、彼は困ったものだと小さく呟き溜息を吐いていた。



「あんたの妹ってもんよね」



「・・・・それはどういう意味で?」



「無茶ばっかり・・・」



性格は違うけれども根本的なものはやはり兄妹。似ている物がある。



≪え?ベルツリーに居たの?≫



≪あぁ、あの男を尾行してたのさ。探偵としてな!≫



≪じゃああの時も居たんだね・・・≫



≪あぁ、まさか狙撃されるとは・・・見えた!飛ばすよ、しっかり捕まってて!≫



「ねぇ昴」



「はい?」



「君の妹ちゃん、ボウヤが工藤新一君だって・・・気づいてると思う?」



「・・・・・何とも言えませんね。鋭いと言えば鋭いですが・・・まだまだ甘いですし・・・」



「まぁまだ18歳だからねー」



甘いのはいいんじゃない?それで・・・と呟けばなぜかは分かんないけど頭を撫でられた。



ポンポンーーー



「・・・何?」



「・・・・・お前もまだ若いとは・・・思うぞ?」



・・・・・・・



沖矢の言葉にジトッと睨んだ。



「なんの慰めよ?それ・・・」



ってか口調を戻すな!とそんな話をしていればいきなり聞こえてきた爆発音。



「「!!」」



お互いに驚きイヤホンに手を当てた。



ボウヤも妹ちゃんも無事な様でホッとしたけども・・・



「この音・・・・手榴弾・・・?って・・まさか、軍絡み!?」



「ご名答。今FBIが追っているのは元米軍海兵隊所属だった凄腕の狙撃手と名高い男です」



「組織も厄介だけど軍だって相当厄介っ・・・これ以上の深追いは命取りになるわよっ・・・」



ボウヤの事だ、手榴弾を使ってきた犯人に、軍人だとすぐに察するだろう。



ただ心配なのはその後ーーー



深追いしないように発信機を付けたようだけど、応援も援護もなしの状態で音がするバイクで近づくのは危険・・・なのにっ・・・・



「なんで向かうかなぁっ!!?」



ドンッと台を叩きながら言えば沖矢に「落ち着いてください」と宥められた。



「微かに聞こえてくる車の音ーーー」



沖矢の言葉に冷静になった頭。冷静になれば確かに聞こえてきた車の音。



「これって・・・確かジェイムズさんの車の音?」



「えぇ、何かがあれば逐一報告が届くようになってます。それにこれだけ身近にいれば子供二人くらいFBIが護り通す」



沖矢の言葉に「あら頼もしい」とフッと笑った。



「ねぇ、その届く資料って、私も見せてもらえるの?」



「・・・気になるんですか?」



「ここまで聞いちゃったら気になるわよ。別に上司に了解取ってからでもいいけど」



そう伝えれば「構わないと思いますよ?」と笑って彼が答えた。



next


back