×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

警察嫌いは健在(1/2)







二時間ほど、コナンや服部の話し声に耳を傾けたり、外の景色を見たり、小五郎と舞妓さんの遊びを見て呆れたりしていたりゅうは立ち上がった




「どこ行くの?」




「・・・・お手洗い」



「あ・・;行ってらっしゃい・・・」



首を傾げるコナンへと言えば彼は気まずかったのか苦笑いした







お手洗いを済ませば、「桜はん?」という声が聞こえてきてビクッと肩を揺らした



「っ・・・・・」



思い出すのは11年前に殺された親友「緋色桜」の笑顔



桜の景色を見ながらやはり思い出すのは桜のことで、一緒に笑い合えていた日々と同時に真っ赤に染まるあの光景



ギュッと拳を握り締めて、深呼吸をした



落ち着け・・・と自分に言い聞かすように



無理やり呼吸を整えれば、声のする方へと足を向けた



「どうかしました?」



「桜はんがいないんです」



そこに居たのは女将さんで・・・



そう言えば九時になったら起こしてくれと言って寝に行ったな、と思い出し、女将と一緒に探し出した



そして女将と一緒に地下へと降りる階段で下に行けば女将は浴室の扉を開けて名を呼んでいる



「ん?」



電気が漏れている部屋に首を傾げてその扉を開けば



「っ・・・・!?」



ガタッと後ずさり声にならない声を上げれば女将さんが「お客はん?」と不思議そうに近寄ってきた


そしてりゅうが見たものを女将も見れば「ひっ・」と息を呑み、顔を真っ青に染めながら「きゃぁぁあああああ!!!」と叫び声を上げた




その声に茶屋に居た者たちが地下へと集まってきた



「どうしたの!!?」


「桜はんがっ・・・」


女将が指差す方向には首を鋭利な何かに切り付けられ事切れている桜さんの姿



「蘭!早くこの事を警察に!」



「はい!」


小五郎の言葉に蘭は頷きその場から去っていく



そして服部と小五郎の指示で先ほどの部屋に戻って待っているようにと言われた


決して外には出ないようにと言われて・・・



「・・・・・」



皆が部屋へと戻る中、りゅうも顔を伏せたまま一緒に部屋へと戻っていった



「・・・・」



そんな姿をコナンはチラッと見て心配そうな表情を浮かべた










それからコナンと服部は警察が来たのを確認した後、桜の店へとバイクを走らせて行った



「・・・・・」



その様子をただジッと見つめるりゅうの表情はどこか暗かった







コナンは服部とともに桜の店に行き「義経記」を見つけ、例の絵のコピーを見つけ、更には桜は伊勢三郎ということを突き止めた




そして寺に戻っていた小五郎たちと合流し、そのことを小五郎にも話した


服部とコナンは犯人は龍円さんか西条さん、水尾さんか千佳鈴さんの誰かだと言った



そこで身体検査をされたことと、凶器が発見できなかったことを蘭たちは説明した


園子が川に捨てたんじゃないかと言うコナンの言葉に私もそう思う!と便乗した


なんでもポチャンという音が聞こえてきたそうだ



「あれ?そういえばりゅうさんは?」



顔色悪かったし寝たの?とコナンが言えば蘭と園子、小五郎は困ったような顔をした



「なんや?」



なんかあったんか?と言う服部に和葉が言った



「あんたたち二人が抜けた後、身体検査された言うたやん?」



「それがなんや?」


「あ・・・まさかりゅうさん・・・それ断った・・とか?」



和葉の言葉にコナンがギョッとしたように言えば「そうなんよ!!」と和葉が言葉を発した



「私びっくりしたわ〜・・あの人、警察の人に対してごっつぅ喧嘩売んねんもん・・・」



和葉は眉を八の字にして言えば服部は一人首を傾げた



「断った?喧嘩?なんのこっちゃっ・・・?」



「あー・・・実はね・・・」





・・・・・・・・・


「身体検査です」



「断る」



「なにかされたらまずいことでもあるんちゃいますか?」



「だったらなに?」



りゅうが身体検査を断り続ければ綾小路警部と呼ばれていた男がりゅうの前に来た



「りゅうはん・・・言いましたな?なんでも第一発見者とか・・・」



「・・・・・・」



「その時のお話も聞きたいんやけど・・・」



「却下」



「どないして?」


「女将に聞いたでしょう?だったら私のはいらないはず」



「いらないことないんですわ」



「それでもあんた達警察に協力する義理はない」



淡々と答えるりゅうに、警部が徐々に言葉を強めていった



「せやったらあんさんが犯人ですな?」



「随分と低脳な推理だね」



「なんやと?」



「調べたいんだったら令状持ってきたら?まぁそんなもん出せないだろうけど?」



「自分の立場悪ぅするだけでっせ?」



「私の言葉がないと解決できないほど警察は無能だって言いふらしてるもんよ?」



はっ、と馬鹿にしたように見下し笑った




「おいおい・・・りゅうちゃんは犯人じゃねぇよ・・・」



そんなやり取りを皆が見ていてどこかハラハラしている



小五郎が仲裁に入るも、警部は怪しいと言った



「だっ・・第一りゅうさんはずっとここに居たじゃないですか?!」



蘭が言えば警部は笑った



「共犯者である可能性が高いと言ってるんですよ」



身体検査を拒否すると言うことは何か持っていると言うこと・・・犯人が桜はんを殺し、その凶器をアリバイがある彼女に渡した




警部が説明すれば蘭は「そんな・・・あんまりです!」と言うが聞き入れてももらえなかった




「とりあえず署まで同行してもらえますか?」



「それって任意でしょ?だったら断る」



連れて行きたきゃ令状もってこいって言ってるだろう?



フンッと鼻で笑い、警部の横を通り過ぎようとすればグイッと腕を引っ張られ、咄嗟に振り払った




と同時にその警部が大げさに後ろへと吹っ飛んだ




「・・・・・・(なるほどね・・)」



その行為を目を細めて見れば警部は立ち上がりながら手錠を出した



「公務執行妨害で逮捕させていただきます」




「公務執行妨害?テメェは公安か!転び公防だろ」



キッと睨み付ければ警部はおや?と笑った



「ご存知でしたか、だったら軽率な行動ですな、我々警察に対して手を出せばどうなるか・・・ご存知だったのでは?」



カチャッと手錠をかけられるりゅうに蘭が慌てて止めに入った



「ちょっと待ってください!!そんな横暴すぎます!!」



「そうだぞ!彼女が警察に協力しないからってっ・・・」



小五郎も庇うが、綾小路警部は聞き耳を持たず




「ふん・・・だから嫌いなのよ、警察って・・・」



「なんやて?」



「無能で法の下でしか動けない頭が固いばかがっ・・・」



ドガッーーーっと警部の横の柱を殴りつけた



「っ・・・・」



パラパラと木屑が落ちるのを横目で多少青ざめさせて見る綾小路警部



「・・・悪いけど、警察につれてった所で黙秘、絶対何も言わないから・・・」



フンッと手を外し、警察官が連れて行こうとすれば触るな、と低い声で睨み付けた



「っ・・・」



にらまれた警察官も息を呑み手を咄嗟に外す



「・・・一人で歩ける」




そう言って歩き出したりゅうを蘭が呼び止めた




振り返り彼女の顔を見れば心配そうな悲しそうな顔に苦笑いするりゅう




「・・・ごめんね?どんな状況だろうと私は警察に手を貸すつもりも証言するつもりもない」




「っ・・・りゅうさんっ・・・」



「まぁ警察が本当にクズで馬鹿で阿呆の集まりばかりじゃなきゃ、すぐに無罪で釈放されるから・・・あなたのせいじゃない、これはただの私の意地・・・そんな顔しないで?」



笑って蘭へと近寄り頭を撫でるりゅうは振り返ってそのまま茶屋を去っていった






・・・・・・・・・・・



「なんや、それ・・・身体検査くらいやればそんなことには・・・」



服部が言えばコナンが難しい顔をした



「俺たちにとって、身体検査くらいでも、りゅうさんにとっては違うんだよ・・・目暮警部が言ってたっけ・・・」



りゅうさんはどんなに自分が不利な状況になろうと決して警察へと協力することはないと・・・



「最近のりゅうさん・・・柔らかい雰囲気になってたからすっかり忘れてたぜ・・・」



警察嫌いなの・・・とコナンが呟けば蘭がしょぼんとしていた



「私のせいよね・・・」



「え?」



「私が・・・りゅうさんを京都に誘ったから・・・」



「らっ・・蘭ねーちゃんのせいじゃないって!」



「そうよ!りゅうさんだって言ってたじゃない!蘭のせいじゃないって!」



コナンが言えば園子も声を大きくしていった



「・・・うん」



「・・・まぁりゅうちゃんの事は心配だが、彼女は無実なんだ、明日になれば釈放されるさ・・・今日はもう休んで明日迎えに行こう」



小五郎が言えば蘭も頷き、服部と和葉は帰っていった



帰り際、服部がコナンへと声をかけた



「なぁ、りゅうさんって・・・・」



「・・・・五反田大輔・・・」



「え?」



「調べて見ろよ。まぁけどりゅうさんには絶対言うんじゃねぇぞ?」




コナンが言えば服部は頷き、和葉も後ろで首を傾げていた



「(五反田・・大輔?)」



next

back