×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

忘れた頃に発動中(1/3)






一角岩に行くことになった私たち。


そこへ向かう最中、違う船が近づいてきて大声で声をかけてきた。



なんでも一角岩に近づくと沈められるぞ!と心配してくれたらしい。



だが、子供が乗っていると分かる否や、すぐさま方向転換をした。




「・・・・誰か探してるみたいだね」




「その様ですね」




呟けば沖矢が答え、井田さんが最近この辺でダイビングしている一行だと言う。



「海は皆の物とは言うが・・・漁師たちの事も少しは考えて欲しいものだ」



と、どうやら彼らに迷惑している様だ。




「まぁそれに引き換えこの一角岩は子供たちの岩!思う存分楽しんでくれ!」





「「「はぁーーい!」」」



一角岩に着き、元気よく降りる子供たち。



「りゅう」



手を差し出す沖矢。



「私パス」



そう言って座ってる場所から動かずに夕日へと視線を戻した。




「・・・・・」



そんな様子を見ていた沖矢だったが、歩美の写真を撮りたいの言葉に降りていき、じゃぁ私の携帯で撮りましょうか。と提案していた。




「・・・・・・」



そんな様子を船から見ていたりゅう。




・・・・案外子供が好きなのだろうか?扱いに慣れているというか、沖矢の姿では違和感はない。



ただ、中身が赤井だと思うと、あの行動は全て赤井だと想像して・・・




「・・・・似合わない・・・;」



そんな言葉しか出てこなかった。




そして写真を一枚撮ろうとして、沖矢がゆっくりと哀ちゃんへと近づく。



その様子に哀ちゃんは少し怯えていた。




「・・・・(ワザとなのか何なのか・・・)」



その様子を呆れながら見れば、なんでも哀ちゃんの後ろの岩に何かが彫ってあるとの事。




聞こえてきた声を復唱した。



「サバ、コイ、タイ、ヒラメ・・・ねぇ・・・」



そして元太が何かを見つけたようだった。



「これは・・・フィンですね」



光彦の言葉にりゅうは何かを考えて近くに居るボウヤに声を掛けた。




「ボウヤ!この岩誰かいるんじゃない?」



その言葉と同時にコナンは小さく頷き一角岩の周りを走った。




暫くするとボウヤを追いかけて子供たちも走って行った。



「・・・あんたも早く行ったら?子供たちだけじゃぁ何かあったら困るでしょう?」



チラッとこちらを見る沖矢に言えば、「こないんですか?」と言われた。




「・・・・遺体があっても嫌だし、ここにいる」



最近色々あって忘れかけていたのだが、事件ホイホイのボウヤが一緒なのだ。



何かがあるに違いない。それが死体じゃないかもしれないが何らかの事件になりそうなのは違いない。



今日もブレずに発動中ですね・・・・



沖矢はりゅうを気にしながらも子供たちを追いかけた。




するとすぐに子供たちの悲鳴が聞こえた。



「(ビンゴ・・・・;)」



死体でも発見したんだろう。



行かなくてよかったと思いながら、多少痛む足首を摩った。



先ほど転んだ時に少し捻ったようで足を着くたびにツキンとする痛みに、こんな岩場を歩けば悪化すると思い降りなかったのだ。



沖矢の様子から少し気がついているかも知れないが、哀ちゃんが気にしないように二人とも何も言わなかった。





暫くすると警察がきた。



その事に顔を嫌そうに顰めつつ、その場から一切動かないりゅう。




「眉・・・寄ってますよ」



相変わらず嫌いですね。と小さく笑う沖矢。



警察が来るという事をすぐに教えてくれた沖矢、内容を聞けばどうやら脱水死した女性が居て、殺人事件だという事を説明された。




「うるさい・・・」



ムスッとしたまま答えれば、沖矢は苦笑いしながらちょっと行ってきますと声を掛けてボウヤ達の方へと向かった。





少しすれば先ほど見かけたダイバーたちを乗せたクルーザーが見えた。



光お嬢様!と叫んでいる辺り、亡くなっている女性の関係者だろう。





耳を澄ませていれば聞こえてくる波音と、反対側で話している話し声。




「・・・大戸・・・開田・・・青里・・・」



聞こえてきたのは刑事がダイバーたちを呼ぶ名。



「青里・・・ねぇ・・・」



フッと笑いながら海を眺めた。



ボウヤと沖矢・・・赤井がいるのだ、放っておいて大丈夫だろうと思い、犯人が分かっても知らないふりをした。





ボーっとしていれば聞こえてくる歩美の悲鳴に眉を顰めた。



スッと立ち上がりながら船から降りようとすればこちらへと背を向けながら後ずさる男の姿に歩美を抱えているのが目に入った。



「・・・・・」



「0.12%・・・」



聴こえてくる声は沖矢のもので・・・哀ちゃんが怯えているのが目に入った。



「・・・・;(歩美ちゃんを助けるためとは言え、警戒されてるのに更に警戒されるようなことするなよな;)」



「なに!?」



「犯罪者が高跳びに成功した確率ですよ・・1000人に一人の割合だ。だが悪魔の加護を受けたその者たちの中から、正体を隠して何かに怯えながらに暮らすのに疲れ果て自首するものや自殺したものを除外すれば・・・成功者と言えるのは限りなく無に等しい・・・果たしてあなたはその孤独と圧力に耐えきることができるかな・・・?」




沖矢の言葉に怯える犯人。



これに怯えて沖矢に向かって行けば挑発に成功なのだが・・・



男は投げやり気味に後ろへと後退り、離れろっと歩美にナイフを近づけた。



「チっ・・・」



沖矢はその出来事に舌打ちした。




「へっ・・へへっ・・・そんなもんっ・・・脅しさっ・・・」




ゆっくりと後ずさる男は歩美へとナイフを当てる。



「ひっ・・・うわぁーーーん!!」



大泣きする歩美にうるせー!とナイフを持った手で殴ろうとする。



「!!」



その事に驚くコナンや沖矢たち




歩美は殴られる!と覚悟してギュッと目を固く閉じた。



next

back