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戻ってきた日常(1/3)







「・・・い・・・赤井・・・」



「・・・・・・・」



ユサユサと身体を揺すられ赤井はボーっとしながら目を開けた。



「ちょっと私一回家に帰るから・・・」



りゅうの言葉に赤井は眉を顰め、時計を見た。


「・・・・まだ3時だぞ・・・」



不機嫌そうな赤井の声。



意外だがあれか?赤井は低血圧なのかな?



赤井が深い眠りについてるところをあまり見た事がないため、初めて知った事だ。



「早い時間に寝たから目が覚めちゃったわよ、それより・・・変装しないとまずいんでしょう?この時間なら人目にはつかないし、変装メイクの道具持ってくる」




「・・・・・・・そういえば変装を解いたんだったな・・・」



ふぁ・・・っと小さく欠伸をする赤井。



「・・・・・(珍しい)よく寝れた?」



「まぁまぁ・・・・」



未だにボーっとしている赤井にクスッと笑った。




「りゅう・・・・」



身なりを整えていれば赤井に名を呼ばれて振り返る。



すると、チョイチョイと手招きされた。



首を傾げながらも近寄ればグイッと一気に腕を引かれた。



「わっ・・・」



ボスッと鈍い音を立てながら赤井の胸の中にダイブした。



ギュッと力強く抱きしめられて、オズオズと自分の腕も赤井の背に回した。




ギュッとお互いに強く抱きしめられた後、りゅうは首を傾げながら、赤井?と顔を覗き込んだ。




するとスッと口づけを落とされ、ピシッと固まるりゅうは目を開いたままだった。




口づけを落とされたまま、赤井が薄く目を開けば、バチッと視線が絡み合い、一気に顔を紅くするりゅう。




「っ・・・・・」




そんな表情を目にした赤井はフッと笑い、口づけをドンドンと深くしていった。



「んぁっ・・・・ふっ・・・ん・・・」




お互いに目を開けて、視線が絡み合いながらも終わることがない口づけにりゅうの目には涙が溜まりつつ、トロンとした色気のある目に、赤井はゾクッとした。





キスをしてりゅうを真っ赤にさせて終わろうと思っていた赤井だったが、止まりそうにない自分の理性に苦笑いした。




口づけを放せば、力なく赤井に寄りかかるりゅうの身体をベットへと押し倒した。




ハァハァと肩で息をしていたりゅうだったが、突然の事で慌てて起き上がろうとするが赤井が覆い被さってきて阻止された。



「ちょっ・・赤井っ・・・私一回帰らなきゃっ・・・」




「あとでいいだろう?」



「あんた本当に今の自分の立場分かってんの!?」




その姿でいたらまずいでしょう!?と苦笑いしながら怒鳴れば赤井はチュッとりゅうの首筋に口づけを落とした。




「んっ・・こらっ・・聞いてっ・・ふっ・・・」



ググッと力を込めて放そうとするが、赤井の力に敵うことなく、口づけられるたびに力が抜けて行ってしまう。




「沖矢昴のままお前を抱いてもいいのか?」




「・・・・・・それはやだ・・・」



赤井の言葉に一瞬沖矢の姿を思い出し、赤井の面影もない姿に、なんかそれも嫌だと思った。



「じゃぁ、いいだろう・・・・」



このままで・・・と言われて、りゅうは諦めたように溜息を吐いた。



「・・・・ねぇ、お風呂入りたい・・・」



「却下だ」



「なんでっ!?」



即答された言葉に驚くりゅう。



「昨日言っただろう?覚えとけと・・・」



ドS発言を根に持っているようで・・・



「あぅ・・・赤井っ・・・」



「なんだ?」



「っ・・・・一杯愛して・・・・?」




顔を真っ赤に染めながら首を少し傾げて言うりゅうに赤井は口づけを落とし、あぁ・・と小さく呟いた。






























「もうっ!!いきなりなにすんのよっ!」



顔を真っ赤にしたまま、シーツで身体を包んだりゅうは、ズボンを履いて、上半身裸のままで煙草を吸いだした赤井に抗議する。




「お前だって乗り気だっただろう?散々鳴いておいて・・・」




「っ・・・・」



赤井の言葉に真っ赤になりながら枕を投げつけてうるさいっ!と怒鳴る。



「もうっ・・・結局明るくなってきちゃったじゃないっ・・・」



折角夜中の内に行ってこようと思ったのに・・・と文句を言いながらベットから降りた。




「ホォー?」



赤井の声に嫌な予感がして振り向けば、煙草を口に咥えたまま不敵に笑う赤井の姿。



「なっ・・なにっ?」




「先ほど、立てなくなると言ってた割に普通に立っているな、と思ってな」



赤井の言葉にギクッとした。



「あっ・・の、それはっ・・・」



実際足腰立たなくなる前にやめてもらえなければこの後の行動に支障が出ると思い、大げさに言ったのを忘れていた。



「なるほど、後の行動の事を考え支障が出ると・・・・演技か?」



「演技って・・・そんなことはないけどもっ・・・」




実際思い出すだけでも恥ずかしいし、何度も達した身体は怠さが残っているのは確か。



「ようは最中にも後の事を考えるだけの余裕があり、俺に加減させるために大げさに演技した・・・と?」




「うっ・・だから・・・演技じゃないってばっ・・・」



真っ赤になりながら何を言わせるんだと言う目で睨むも、赤井の方がなんだか黒いオーラを纏いながら笑んでいるので怖い。




「だが余裕がなさそうであったことは確かだろう・・・?」



「あぅ・・・・・」



有無を言わせない赤井の言葉と雰囲気に言葉を詰まらせるりゅう。



スゥッとりゅうとの距離を縮める赤井



壁と赤井にはさまれてアタフタするりゅうの耳元に赤井が口を近づけた。




「最初だから手を抜いてやったが次は容赦しない・・・」



お前が演技が上手い事はよくわかったからな、後の事を考える余裕なんて無くさせてやると囁かれ、真っ赤になりながらも耳を押さえてパクパクと口を開けるりゅうに、赤井は満足そうに喉を鳴らした。



あれで手を抜いてた!?冗談じゃないっ!今だって立って平然を装うのは必至だというのにっ・・・



多少の抵抗と言わんばかりに強がりを言ったのが間違いだったと思うが、後の祭りだ。




出来るだけ次がないように先伸ばしにしようと決めたりゅうだった。











「車借りるよ」




「あぁ・・・一人で大丈夫か?」



キーを渡されながら言われた言葉に溜息を吐いた。



「その格好で出るわけにはいかないでしょうよ・・・;」



呆れながら言えば、赤井はそうだが・・と言いつつ、チュッとりゅうの額にキスを落とした。



「行ってきます」



「あぁ・・・いってらっしゃい」



こんな普通のやり取りが、嬉しくて嬉しくて心が温まった。



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