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友達以上恋人未満(1/2)



「すみません、いつも掃除を手伝ってもらって・・・」


「いえ、全然!昴さんが居なかったらもっとコマメに掃除に来るんで助かってるくらいなんですよ」


沖矢がバケツを置きながら蘭と園子、コナン、そして世良に対して言えば、蘭が笑顔で答え園子も同様にニコリと笑った。


「全然〜、掃除好きなんで!」


「園子・・・;」と呆れる蘭と「お前さっきまで文句タラタラだったじゃねーか」と半目で笑うコナン。世良はそんな様子を見ながら楽しげに笑っていた。


「もうそろそろお昼の時間なんで、今日はもう掃除はこの位にしてご飯食べませんか?」


「え?でも・・・」


まだ掃除が途中・・・と蘭が恐る恐るいえば「あぁ・・・」と沖矢は苦笑いを浮かべた。


「掃除なら、頼んでもいないのに押しかけてくる輩が居るのでそれにやらせます」


「お、おしかけて・・・!?」


「それって、あんたの彼女か?」


蘭と園子が驚き、世良が怪訝な表情を浮かべた。


「いえ、そういうわけではありませんが・・・まぁ、その話はいいじゃないですか」


お昼にしましょう。と沖矢が台所へと向かうのを、三人とコナンは顔を見合わせて首を傾げたのだった。


「うわー!もしかしてこれ全部、昴さんが作ったんですか!?」


机に並べられていく料理に「すごーい!」と目を輝かせる蘭と園子。


「えぇ、いつも手伝ってもらってばかりでは申訳がないので、料理でも食べて頂けたらと・・・ちょっとしたお礼がわりです」


「お礼がわり・・・にしては量が多くないか?」


蘭、園子、世良、コナン、そして沖矢の計五人で食べても十分すぎる量に世良が訪ねると「あぁ、それは・・・」と説明しようとした沖矢の声を遮り、呼び鈴が鳴った。


「来ましたね、ちょっと待っててください」


そう言って席を外す彼に首を傾げる蘭たち。しかしその疑問は「わー!いい匂い!」という子供の声ですぐに晴れた。


「おおっ!うまそう!!」


「すごい!ごちそうですね!」


「歩美達も一緒に本当にいいの!?」


元太、光彦、歩美が台所へと駆け寄ってきて、蘭たちに「こんにちは!」と大きく挨拶しながら並べられている料理を見つめている。


「えぇ、君たちにも・・・と思って沢山作りましたからぜひ」


「「「やったー!!」」」


そう言って、子供たちも席に着き、その後ろから灰原もゆっくりと席に着いた。「いただきます!」と皆で手を合わして沖矢が作ってくれた料理を堪能した。


ご飯を食べ終われば、博士の家から持参したゲームをやってもいいか、と子供たちに言われた沖矢は「えぇ」と笑顔で頷く。


元太、歩美、光彦は許可をもらうと早速ゲームをし始めた。


「そういえば・・・さっき掃除してた時読みたい本があったんだよね。勝手に読ませてもらってもいいのか?」


世良が沖矢へと尋ねればチラッとコナンへと目配せし、小さく頷くコナンに許可を得た後「多分大丈夫だと思いますよ」と返せば「やった」と言いながら書斎へと向かう世良。


「あ、僕も一緒にいい?」


彼女一人だと何かを探りそうで不安なコナンは理由をつけて一緒にそっちへと向かった。


「君はどうしますか?」


「・・・そうね、帰ろうとも思ったけど、久々に読書もいいかもね」


沖矢の問いに灰原がそっけなくそう返した後、コナンたちの後を追うように書斎へと向かう。


「昴さん・・・・」


フッと小さく笑みを零しながら灰原の背を見送ると、どこか申し訳なさそうな園子の声が聞こえてきて振り返れば、そこには蘭と一緒に苦笑いを浮かべて教科書を手に持っている姿があった。


「私が分かる事でしたらお教えしますよ」


すぐに察した沖矢はニコリと笑って彼女たちの前に腰かけた。


「「ありがとうございます!」」


「いえいえ」


それから暫く、子供たちの笑い声を背に蘭と園子の課題を教えていた沖矢だったが、ピタリと動きを止める。


「昴さん?」


「どうかしたんですか?」


「やっほー!今日も勝手にお邪魔しまーーー・・・ってあれ?お客さん?」


リビングの扉がすごい勢いで開けられ、大きな明るい声とともに部屋に入ってきた人物に、沖矢は呆れたように額へと手を置いた。


「あなたは・・・、玄関に靴がいくつもあったでしょう?」


私一人の時ならまだしも、他にお客様がいるときは勝手に入ってこないでください。と疲れたようにため息を吐かれた。


「あー、ごめん。玄関見てないから知らなかった!てへ?」


「可愛くありません」


何が、てへ?ですか・・・。


「はっきり可愛くないって言わない!女の子に向かって!!」


「女の子という年でもないでしょう?第一、玄関じゃなかったらどうやって・・・・」


「裏口の鍵ピッキングして、に決まってんじゃない」


じゃん!と針金を見せればその針金を持っている手をグキッと逆の方へと曲げられた。


「いっ!!!!?」


「馬鹿ですか、あなたは・・・。何を堂々と犯罪行為してるんですか?子供がいるんですよ?」


あなたの真似したらどうしてくれるんですか?



「へぇー!お姉さん凄い!それで鍵開けちゃったの?」


「平成のルパンみたいですね!」


「俺にもできっかな!!?」


歩美、光彦、元太が、沖矢と女の話を聞いていて、
目を輝かせながら問えば、女は嬉しそうに笑って視線を合わせるように屈んだ。


「ありがとー!お名前は?」


「歩美だよ!」


「光彦です!」


「元太っていうんだ!」


「歩美ちゃん、針金と言わず、髪留め一本あればお姉さん、鍵くらい簡単に開けちゃうよ?光彦君、さすがにルパンにはかなわないと思うなー、私。元太君、今度時間あったらおしえましょうか?」


あははー、と談笑するりゅうを後ろから叩く沖矢。


「止めてください、子供にこれ以上変なことを教えるのは」


「えー・・・・」


「えー、じゃないです」


「・・・やっぱ、りゅうさん・・・ですよね?」


呆れ顔の沖矢にりゅうが不満そうな表情を浮かべれば聞こえてきた自分の名に驚いた。


「え?あれ・・・・」


見覚えがある女の子二人、りゅうは「あぁ!」と声をあげながらポン!と手を打った。


「蘭ちゃん!園子ちゃん!」


「あー!世良さんをナンパしたりゅうさんだ!」


園子ちゃんの言葉に隣にいる沖矢になぜか小さくゴツン、とグーで殴られた。


「あてっ・・・、なにすんの?」


「お前は男だけじゃなく女の人にまで手を出すな」


「透と同じこと言わないでー」


そう言えば、真純ちゃんが秀一によく似ていたのでナンパしたんだった。と思い出したりゅうが沖矢に真純ちゃんと何か関係ある?と聞こうとすれば、騒がしかったリビングに気が付いたらしい世良たちが「なにかあったのか?」と顔を覗かせた。


「Hello!My Angel ♪」


彼女の姿を見た瞬間、ダキッと抱き着き額へとチュッと口づけを落とした。


「わっ・・・って、あれ?りゅうさん!?」


「真純ちゃん!久しぶりだね!まさかこんな所で会うなんてもう運命!」


きゃーー!と叫びながらギューーっと抱きしめるりゅうに、世良は嫌な表情一つせず、ははっと笑った。


「ははっ、おねーさん相変わらずのノリだね!」


「こんなノリ嫌い?」


「ううん、僕は好きだよ!」


二パッと八重歯を覗かせて満面な笑みを浮かべてくれる世良にりゅうはキュンっ、として「真純ちゃんっ!!もう大好き!」と言い、更に抱き着いた。


「・・・・何をしてるんですか。全く」


そんな様子を見ながら沖矢はさらに疲れたようにため息を一つ吐いた。


「っ・・・・・」


その中で、一人だけ妙に驚いたような表情を浮かべていた灰原にコナンが気が付き「どうかしたのか?」と首を傾げた。


「マティーニっ・・・・・」


灰原から出てきた単語に、コナンは驚きに目を見開く。


「なっ・・・!?まさか、あいつ奴らのっ!!?」


なんで奴らの仲間がここにっ・・・と一気に焦りを見せるコナンに、灰原はハッとして「あ・・・ごめんなさい。ちょっと驚いちゃって」と落ち着いた声色で返した。


「おまっ、なんでそんな冷静にっ・・・」


「彼女なら大丈夫よ。害は特にないわ」


「害ってっ・・・それでも奴らの仲間なんだろっ!?」


「まぁ・・・そうなんだけど、なんていうか彼女は特別・・・」


「特別・・・?」


「変なのよ」


キッパリと言い切った灰原に「・・・はぁ!?」と間の抜けた声が出た。


「おやおや?君たちも初めましてかな?」


しゃがみこんでコナンと灰原と視線を合わし、ニコリと笑う女性にコナンはどこか警戒するように身を引いた。そして二人にしか聞こえないようなほど小さな声で・・・


「ベルモットお気に入りのsilverbullet君♪」


「っ・・・・・」


りゅうの言葉に息を飲むコナンを見て、灰原は「はぁ」と小さくため息を吐いた。


「悪趣味よ、マティーニ」


「シェリーちゃんも久しぶりね♪」


「・・・そうね。ところであなたなんでここに・・・」


灰原の言葉で何かを思い出したのか、りゅうは徐に立ち上がった。


「あっ!」


彼女のそんな行動にみんなが首を傾げた。


「Good morning silverbullet♪」


沖矢の首へと腕を絡ませ、チュッと軽く口づけを落としながら彼にだけ聞こえるように言えば「きゃーーー!」と蘭や園子、歩美達から悲鳴が聞こえてきた。


「な・・・、へ?」


状況が全く分からないコナンはその出来事に頬を朱に染めながらも呆気にとられた。


「・・・・今はお昼ですよ」


「もうっ、そんな時間の事はいいの。朝早いっていうから折角お昼に来たのに・・・」


お昼に来たら挨拶忘れてたよ。とニコォと笑うりゅうに、沖矢はまた大きくため息を吐いたのだった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(あなたにしては、よくできました)
(でしょでしょ?6時っ位からめっちゃ我慢してた!)
(・・・あなたの我慢ポイントは本当に分かりませんね)

(もしかしてもしかして!二人って恋人同士ですか!!?)
(そ、園子っ!!)

(うーん・・・どう、なのかな?)
(・・・あなたの浮気癖が治れば、のお話ですね)
(や、やだなぁ・・・;ここでその話持ち出す?)
(・・・あなた、まさかまた・・・)
(ぎくっ・・・)
(((えっ!!?)))
(・・・せ、世良のねーちゃん・・・?どうかした?)
(はっ・・・)
(は?)
(はやく洗面所!!!)
(え?真純ちゃん、いきなりな・・・わわっ)






フェイト様!!リクエスト企画にご参加頂きありがとうございました!!
5万HITの時のリクエストの「いつの日かーーー」の続編です!ちょっとどこまでご期待に添えれたか心配な今日この頃・・・・
あの時から一年経つにも関わらず、今もまだ遊びに来ていただけて、そしてリクエストもここまで待って頂き、本当にありがとうございます!!
登場する子が多くて、あまり絡みができなくて申し訳ないですが・・・楽しんで頂けたら嬉しいです!ですが、書き直し依頼などございましたらお気軽にお声をお掛けください!フェイト様のみ!承ります!
このようなサイトではありますが、まだまだ更新頑張っていきますのでまたぜひ!遊びに来てくださいね!



           おまけ→


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