「…知りたがっていたな……私がルキアを殺す理由を」
「!」
「罪ある者は裁かれねばならぬ。刑が決すれば処さねばならぬ。それが掟だからだ」
「…掟だから……殺すのかよ。てめえの妹でも…」
「…肉親の情か…下らぬ」
「何…だと…?」
「掟に比すればあらゆる感情に価値など無い。そんな下らぬ感情などもとより持ち合わせてはおらぬ」
暫く黙りこんだ白哉が口を開く。
それは自身の家の事。
「我が朽木家は四大貴族の一、全ての死神の規範とならねばならぬ存在。我らが掟を守らずして誰が掟を守るというのだ」
「!
………悪い…やっぱり俺には分かんねえや…。俺が、俺がもしあんたの立場だったとしてもやっぱり俺は掟と戦うと思う」
「!
(……此奴の敵は最初から私ではなかった。此奴は最初からこの尸魂界の掟そのものと戦っていたのだ。―――似ている、あの奔放さが疎ましかった、あの男に)」
どれだけの言葉を紡いだら(伝わるかな、この想い)
「…黒崎一護。私の刃は……貴様のその奔放さに砕かれた。私は最早ルキアを追わぬ」
「!」
「この勝負、兄の勝ちだ」
告げられた、勝利―――。
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