深夜11時並盛中。
そこにはツナ達の姿があった。


だが今回戦う当人の姿はない。




ツナ「(琉輝さん…なにしてんだろ、)」




昼間会っているツナは余計心配になる。




獄寺「まさかアイツ、修行に失敗したんじゃ…?!」

ツナ「そ、それはないよ!だって俺、昼間会ってるから……」

山本「そーなのか?」

ツナ「うん。大丈夫だって、言ってたし」




指を立ててみせた琉輝顔に嘘はなかった。

集合に遅れているのはきっと、隣町から来ているから。

ツナはそう思い、信じて琉輝を待った。
すると……




琉輝「痛い痛い痛い!!痛いって!!!」

ツナ「!!」

琉輝「そんな引っ張るな!!


あ゛〜〜〜っ!!!」

亞琉「貴方が!あんなに遅くまで!あんなことをしているから!身支度が整わなかったんでしょう!?」

琉輝「うあっ…、やめ…っ!」




苦しみながら琉輝がやってきた。
亞琉はその後ろで何かをしているようだ。




亞琉「できましたよ」

琉輝「亞琉さーん。俺になんか恨みでもあるー?


なんでコルセットそんなに締めるかなぁ?!」




そういう琉輝の格好は黒曜の時とよく似た格好だ。


白いシャツに細身の赤いリボン、コルセット付きのふんわりした膝上5cm程度の紅のスカート。
スカートの中にはやはりたくさんのフリルがあしらってある。
足元は薄手のストッキングに黒のパンプス。

頭は一時的に黒に染められ、ウィッグをつけられた。
サイドでふんわりとしたお団子ヘアーにされ、髪に止める形の帽子がちょんと乗せられている。



お嬢様学校の服は鈴音により大穴があいたので処分し、亞琉に似たような服を買ってこさせたらこうなったのだ。




亞琉「黙っていればお人形のようですよ、琉輝」

琉輝「お前は俺が嫌いか!!なんだこれ!原型全然とどめてねーよ?!」

亞琉「ほら……なんかあちらはお揃いのコートなどを着ておしゃれしていらっしゃるじゃないですか。それなのに制服で同じ土俵に立つおつもりですか?


<見劣り>しますよ、<確実>に。」

琉輝「うるせ――!!お前は俺にばっかり毒吐きやが…むぐ?!」

亞琉「言・葉・遣・い・は?」

琉輝「ぐくぅ……。


あ…、あな……おほん、


貴方、わたくしにばかり毒を吐いて何か恨みでもありまして?
そんなのただの逆恨みですわ。いい加減にしていただきたいですわね」

ツナ「(Σ誰―――!!?)」




「こんばんは。


今回のフィールドはあちらです」




校門前でギャーギャーやっていればチェルベッロとヴァリアーがやってきた。
今日の戦いは昨日行われた塔とは違う塔の屋上で行われる。


ツナ達が屋上へ着くと、そこはデコボコとした地面でクレーターを描いたようになっていた。




亞琉「これはまた……お金が掛かっていそうですね」


チェルベッロ「それでは戦闘のフィールドの説明に移りますがその前に怪我のため我々の1名が交代となりましたので報告させていただきます」

チェルベッロ「よろしく」

チェルベッロ「今回のフィールドはここ、B塔の屋上です。屋上から出ない限りどこを使っても許されます」

芽埜「どこを使っても?」

チェルベッロ「つまりフェンスを足場にするもよし、空中を足場にするもよしということです」

了平「空中だと?!」




意味がよくわからないがとりあえずそういうのも有りらしい。
琉輝は首をかしげているが<ナニカ>を閃いたらしくうなずいてみせた。




チェルベッロ「フィールドは月をイメージして作らせていただきました」

山本「足場が悪いだけに見えるのな」

チェルベッロ「いいえ。そのような生易しいフィールドではありません。何故なら……」




―――ドウッ!!




ツナ「!?、今の…なに?!」

チェルベッロ「両者には<擬似マグマ>の上で戦っていただきいます」

芽埜「擬似、マグマ…?」

バジル「そのようなもの聞いたことがない」

チェルベッロ「我々が作り出したマグマに似た液体です。マグマと似たような性質を持ちクレーターに似せた穴から吹き出すと同時にあたりを溶かし尽くします」

チェルベッロ「15分もすれば全足場が失われてしまいます。ゆえに今回の足場は<どこでもいい>のです。」

リリア「そんな……!!」




ラッド「〜♪、あーんな素人倒すのに15分もかからないよ〜」

アイス「……油断は、しないほうがいい……。戦ったことが、ある…から…わかる。


あの女………何を考えてるか、わからない…から」

ラッド「……?」





了平「よーし、ではいつものいくぞ!!」

琉輝「ごめん、悪いけど俺今それできない」

ツナ「あの……そういわずにやりませんか?琉輝さん…。

な…なんていうか、上手く言えないけどこの勝負はみんな繋がってるっていうか…。
誰一人欠けてほしくないからしっかり団結した方が……いいっていうか」

獄寺「十代目…!そこまでファミリーのことを。自分わかってませんでした!やりましょう!やらせて下さい!!テメェもさっさと来い!!!」

琉輝「……いや、マジできないんだって。ワケ合って肩組めないからさ、円陣はできないんだけど、手つなぐんじゃ…ダメか?」

芽埜「手?」

亞琉「私がいろいろ服を改造したもので何が飛び出てくるかわからない仕様になっています。肩を組んだら危ないかもしれません」

山本「じゃあ仕方ないのな。
なら琉輝さんだけ手つなげばいいんじゃね?ツナと俺がこうやって琉輝さんとつないで後の全員で円陣組めばいいだろ?」

了平「よーし!ではそれでいくぞ!!」




琉輝以外が肩を組もうとしたとき、琉輝の背に<ナニカ>があたる。
それは白い虎だった。




了平「ぬわ?!と、虎ではないか!」

琉輝「どっから来た?!」




白い虎は琉輝に口にくわえていた紙袋を押し付けると屋上から飛び去る。
芽埜が慌ててそこを見たが白い虎はどこにも存在していなかった。


琉輝が受け取った紙袋を開くと中には……



琉輝「これ鈴音の財布じゃねーか!!なんであいつが……って、中身が全部札…?!」

芽埜「お金盗まれたの!?」

琉輝「いや元々そんなに入ってねーんだけど」

リボーン「まだ紙が新しいな」

琉輝「ああ。それに<それ使って頑張れ>って手紙も入ってる。

(アイツ……起きたのかな…)」




琉輝が札だけ取って亞琉に財布を託す。
その時ツナがリボーンからちょん切れたランボのしっぽの布を渡した。



ツナ「ランボ…」

リボーン「それをみると思い出すなぁ。アホ牛の在りし日々の姿を」

ツナ「死んじゃったみたいにいうなよ―――!!!」

山本「でもいいと思うぜ。ランボも円陣にいれよーぜ」

獄寺「ま、アホ牛とはいえ何も無いよりは音羽もちったあ心強いかもしれませんしね」

芽埜「なんかランボくんがいなくても一緒にいるみたいだね♪」

了平「いなくても心は1つだ!!…だは音羽姉はどうするのだ?」

リボーン「亞琉の持ってる財布で代用しろ」

了平「おお、そうだな!少し借りるぞ」

亞琉「どうぞ」




了平は亞琉から財布を受け取る。
そして……



了平「よし、ではいくぞ!!


琉輝ッ、ファイッ!!!」

ツナ・獄寺・山本・芽埜・琉輝「オ――!!!」




円陣を済ませる。



ラッドはそれを見て思った。




ラッド「(きらきら」

シエラ「あら?ラッド…どうし(ラッド「うーも<アレ>やりた〜〜〜い!!!」え」

ヴァリアー「!!??」

ラッド「…だめ…?」

シエラ「ダメなんて言うわけないじゃない!!!(可愛いっ)」




―――ぎゅうっ!!




シエラ……ヴァリアー最強の人物がOKしてしまった。
その為やることになったのだが……




スクアーロ「ら……らっ……う゛ぉ゛おおい!!!出来るわきゃねー…ゴフッ!!?」

シエラ「さっさと声張りなさい、スクアーロ。永遠にお昼寝したい?」

XANXUS「早くやれカス!(後でシエラに怒鳴られるだろうが!!!)」

スクアーロ「ラ、ラッドファイッ!!!(こ、こうかぁ゛?)」




後で何か言われることがないのでここが案外一番得な役回りである。




シエラ・ラッド「オーッ!!!」

アイス「おー…!」




アイスは常にテンション低いためこれでいい。
だが問題は残りだ。




ファレス・ベルフェゴール・マーモン「お、おー」




声出さなかったら後でシエラが怖いので出した3人。
多分もう少し出たわよね?と後で小言を言われる。




XANXUS「おー」




小声なボス。
多分後で小言を言われるが、面倒くさい。
怒鳴られないならいいや思考。




レヴィ「オーーーッ!!!」




動機、シエラに褒めてほしかった。




シエラ・XANXUS「うるせー!!野太い声出すな!!!」

レヴィ「!!?」




▼レヴィ は XANXUS と シエラ の <飛び蹴り> により ダウン した。




ツナ「やっぱヴァリアー怖ぇーッッ!!!!」

獄寺「ケッ、真似しやがって」

山本「面白い奴らなのなー♪」

芽埜「そうかなあ…?」




チェルベッロ「今回は勝負が妨害されぬよう観覧席とフィールドの間に赤外線感知式のレーザーを設置しました。沢田氏側はこちらに移ってください」



そういうチェルベッロが用意していたのは屋上から出っ張る観覧席だった。
屋上全体を使うため中に人がいると巻き込まれる可能性があるのでそういう配慮がなされている。

ヴァリアーたちはツナ達とは反対側の観覧席に入っていた。




亞琉「琉輝、言葉遣い戻ってます。集中してください」

琉輝「!、あー…おほん、あなたに言われずともわかっていますわ。このわたくしを誰だと思っていまして?」




この琉輝の言葉遣いは亞琉が課したある<修行>なのだがそれを知らないツナ達は違和感を感じるばかりだ。




チェルベッロ「それでは月の守護者、音羽琉輝Vs.ラッド・ホワイツ…


―――戦闘開始!!!」




チェルベッロの合図で開戦した月戦。
お互い構えを解かずにらみ合う琉輝とラッド。

場に緊張感が走ったその時、ラッドが大きく距離をとりながら何かを投げる素振りを取る。


そして着地と同時に腕を右に素早く引く。
すると、琉輝の左二の腕の衣服が切れた。
まるで刃物が通ったようにぷっつりとまっすぐに切られたそこからは軽い出血があるが大した傷ではない。




ツナ「一体…なんで?!」

ラッド「反撃まだ?」




ニヤ、と子供らしくない笑みを浮かべたラッド。
子供でもやはりヴァリアーはヴァリアー。
ツナと芽埜はその笑みにゾクッとした寒気を感じる。



琉輝「っ…ふふふ…面倒なお方ですわね。見えない攻撃、難儀しそうですわ。


けれど、わたくし、死ぬわけにはいきませんの」




琉輝が手を下に振るとシャツの袖口からドス程度の刃物が現れた。
亞琉の言った仕込みとはこれのことなのだろう。




琉輝「いきますわよ!!」




それを刀のように持って戦うのかと思いきや琉輝はそれを飛び道具として扱った。
投げると次の刃が出てきて、再びをそれを投げる。


繰り返しそれを続けていればラッドが反撃に転じてくる。




ラッド「一般人にしては強いのかもしれないけど!!



弱いよ、貴方!!」




屋上のタンクを利用して、高く飛び上がったラッドに向けて琉輝が刃を放つ。
ラッドはそれを意に介さず片手で弾く。




山本「刃物を素手で…?!」

シャラン「いえ、あれは……」

リボーン「簪…だな」




ラッド「これで、終わらせよっか!」



そのまま降下してきたラッドが簪から刃を出す。
彼女は簪を振りかざして……




琉輝「っっ゛…あがっ…!!」

ラッド「(いける…!!!)」




庇うように出された腕に、深々と突き刺し、引き抜く。
痛みで顔を歪めた琉輝が目を細めた一瞬を利用してリングを奪……




マーモン「違う。あれは……」



ラッド「ぎゃ?!」




…えなかった。
琉輝が霧のように消えさってしまいラッドは宙に投げ出され、顔面からフィールドに落ちる。


ラッドは落ちた衝撃で痛む鼻を押さえた。
ぼたぼたと鼻血を流して起き上がり、周囲を見渡す。
すると……




琉輝「い゛……ったぁ…。

よくも利き腕を潰してくれましたわね……?」




タンクの上に琉輝が立っているではないか。
そう、確かにあの時ラッドは傷をつけた。


だがしかし、<何らかの方法>で逃げられたのだ。




ツナ「琉輝さん…!!」

芽埜「よかった!!」

獄寺「でも間一髪って感じっすよ。大丈夫っスかね?」

ツナ「あ………」




琉輝「いっつ……」




ひらりとスカートを翻して降りてきた琉輝の足元でガタガタと振動が起こる。
ラッドもそれを感じたらしくお互い出てくる場所を察知しようと感覚を鋭くした。


その時……




―――ドォッ!!




ツナ「琉輝さん!!」

バジル「直撃した…!?」



琉輝の足元近くから<擬似マグマ>が噴出。
ツナ側の観客席からは見えないがヴァリアーからは見えた。



琉輝が<一瞬>で安全な場所を捉え移動したのが。




スクアーロ「だが残念だったなぁ…。それはうちのラッドも得意だぜぇ゛」

ファレス「動物並みに鋭いからな」

アイス「…………。」




スクアーロのニヤリとした笑み。
その視線が捉えるのは移動中のラッドの小さな姿。


そして………




―――グサッ!!!




琉輝「!!!」

ラッド「動けないでしょ?」

獄寺「!、いました十代目!!


ですが……」

リリア「刺されて、ますわ。あれは…確実に、」




移動中の琉輝の前に現れ、腹部を突き刺したラッド。
簪は刃の部分が根元まで深く突き刺さり、白いシャツを真紅に染めあげる。

それを見てラッドは薄く笑んだ。




ランド「(今度こそ、リングを…)…っ?!」




―――ドゴォッ!!!!




ラッド「がっ!!」




ラッドが殴り飛ばされ扉横の壁へと背中から激突。
幼い子どもにも容赦なしなその攻撃を繰り出した琉輝が腹部から簪を抜き、床に放る。

足元がふらふらしているがまだ戦意は失われていないようだ。
にこりとほほ笑みを浮かべ、尚も亞琉に課された<修行>を続ける。




琉輝「(集中……集中……)う…っ゛……」




だが腕と腹部が痛むらしく腹部を抑えたままその場に座り込んだ。
顔には汗がにじみ、息も荒く、血もたくさん溢れ出している。


長期戦には望めない。


そのことは誰だって理解しただろう。



琉輝「……っ、くすん……


………痛い……痛い、よ…。




助けて……、……たすけ、て…」




まるで今までの琉輝が別人のようだった。
ただ泣いている。
幼い子が迷子になったように、助けて、と呟いて。




獄寺「しっかりしやがれ、音羽!!」

了平「諦めてはならんぞ!!」

亞琉「諦めてはいませんよ」

獄寺・了平「?」

亞琉「<修行>ですから」




亞琉の言葉を理解するのはその直後だった。




ラッド「うーと立場交代でもする?泣いたって、子供は怒られないよ??」




ラッドが拾った簪を持って琉輝へと近づいていく。
今度は確実にリングを取るために。




ラッド「助けてあげる。うーにリングをくれれば、すぐ終わるよ?


ほら、」

琉輝「ホント…?じゃあ、……これ、」

バジル「ああっ!」



そう言ってラッドに差し出される手。
首からかかったチェーンが切れていることからして、手にリングが持たれているのは確かだろう。


そう、思ったのが多数。
そんな中XANXUSとアルコバレーノの3人は気づいていた。



―――にやりと笑んだ、琉輝の口元に。




琉輝「ありがとう、ラッド。



(―――お前がバカで助かったぜ。)



《擦り燃ゆ木々よ》《風に溶け薫れ》《大地に刻め、


―――硝綺炎鳥(しょうきえんちょう)》!!」

ラッド「!?、何を、…っあ゛…っつ!!!?」



ラッドの手の中から硝煙のような煙が出始める。
するとラッドが熱を感じ、手を離した。


落ちたのはリングではなく折られリングのように丸められた<札>。


札は炎上して、火の鳥の形を作るとラッドを包み込んだ。



ラッド「あ゛あっ…!!!やめっ、…あつ…熱いぃっ…!!」

琉輝「先人はこう言った。油断大敵。


わたくし……あー、もういいか。

俺は不良で喧嘩好きで、鈴音を守るためならなんでもする<化け物>なんだぜ?簡単に信じちゃいけねーよ?


それにイタリアにあるかは知らないが、こう言う言葉もある。

<泣き落し>…って、ね」

ラッド「う゛…っ、」




炎に包まれていたラッドが解放される。
隊服のおかげで大きな火傷はないが、相当消耗しているのは間違いない。




琉輝「さあ、終わらようぜ?


残念ながら立場は交代できないけど、子供は泣いていい。俺は怒らないからさ、」




琉輝の瞳は凄く冷たい。
口元には笑みすら浮かんでいなかった。




ツナ「うそ……あれが琉輝さん……??」




琉輝「(これで、いいんだ。今日、改めて思った。


これ以上、綱吉の傍にいたらいけないんだ…って。



―――俺はもう、あんな思いをしたくない。



それに、これ以上誰にも信頼されたくない。
俺は<裏切られる>のが…)」





ラッド「怖いの?」





琉輝「っ!?」

ラッド「誰かを信用したくないの?」

琉輝「な…に、言ってんだ?」

ラッド「裏切られたくないんでしょ?だからわざとこうやって嫌われようとしてるんでしょ?


わかるよ。うーには、わかる。」

琉輝「……、黙れ!」




動揺し、焦りだした琉輝はラッドめがけナイフを投げる。
だがそれは当たることなく頭を動かしただけで避けられてしまった。




ラッド「人を信用する心を忘れてる」

琉輝「うるさい…」

ラッド「人を信用するなんてこと馬鹿げてるって思ってない?」

琉輝「…思って、ねぇよ」

ラッド「思ってるよ。その目は見たことある!!昔のアイ姐と同じ目………!!
わかるよ、わかっちゃうよ。




―――それは、うーを殺そうとした、あの日のアイ姐の目だもん!!




疎ましいんでしょ?沢田綱吉たちの<信頼>が。
でもそれ以上に怖いものがあるんでしょ?アイ姐とは少し違うもん。



貴方は人を<信用>して<裏切られる>のが<怖い>ただの<普通の人間>なんだよね?


不良だったとしても<化け物>なんかじゃない!!!」





琉輝「黙れ!!!!!」





苦しそうな顔で琉輝が叫んだ。




ラッド「裏切られるのが<怖い>なら沢田綱吉なんかについていかなきゃいいのに!!!
あれは<裏切りの塊>だよ!!?」

ツナ「え…?」

獄寺「アイツ…!!」

ラッド「<仲間を守る>って言ったって絶対守れっこない。
<マフィアになんてならない>って言っておきながら手にしてるのは何?


<>でしょ?


<力>だよね?
あの人の言葉は全て嘘だ。



マフィアにならないなら修行なんかしないで力も得なきゃいいのに!」

ツナ「ーっ!!!」

琉輝「は、はは…っ、確かにそーだ」




琉輝が薄く笑って肯定した。
ラッドの言葉を、すべて。




獄寺「Σんなっ!!?あのヤロー!!!」

芽埜「そんな…っ!どうして…!!」



琉輝「でも………そんな<裏切り>がどうした?その言葉で人生が転落でもするか?》

ラッド「はあ?」

琉輝「人生どん底まっしぐらになるか?ならねーだろ?

1人の人間の行動で誰かが闇に落ちる…それがどれだけ暗いか教えてやろーか?」




琉輝が面白おかしく<過去>を話し始めた。
それは、2人の抱えた<秘密>。




音羽琉輝Vs.ラッド・ホワイツ




琉輝「昔、昔、あるところに……」




それは1人の少年と2人の少女の物語。





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