シモンの力。 大空と夜空に対をなす、大地の7属性と四季の5属性。 炎真はこちらを睨み、言う。 炎真「この力ゆえシモンはボンゴレの兄弟ファミリーたりえた。そしてこの力ゆえボンゴレに恐れられ裏切られた。この炎はシモンの誇りを取り戻すための炎」 ツナ「お前は間違ってる」 だがツナは炎真の言葉を真正面から否定した。 ツナ「お前たちの辛い過去も、怒りの理由もわかった。だが人を傷つけることは、誇りを取り戻すことじゃない!!」 炎真「……アーデルハイトさがっていて。僕1人で充分だ、ツナくんと守護者を潰すのは。知花も、さがってて」 知花「え!?」 炎真「シエロだって僕1人で十分だ」 炎真はこちらの言うことに対して聞く耳を持たなかった。 鈴音「(いや、持ちたくないの間違いなのかも。全ての言葉をシャットアウトして身を守ってるような気がする。 現実を受け入れたくないだけの、哀れな子供にしか見えない)」 了平「ほう、言うではないか古里炎真」 獄寺「てめーじゃ無理だぜ」 了平と獄寺がそう言った直後、フォン、という微かな音がして、ヴン、と2人の体が動いた。 ―――ガッ!ゴッ! 凄まじい音がして、両側を見渡すと大きなクレーター。 そして、その中央には2人の体があった。 一瞬で壁に叩きつけられた…? きょとんと目を瞬かせていれば次の被害者が。 クローム「…あっ」 亞琉「!!」 その直後ドカァ!と音がして天井からパラパラと何かが降ってくる。 上を見上げるとそこには、先ほどと同じ様に叩きつけられているクロームと亞琉の姿があった。 そしてクロームが作り出していた山本と亞琉の作り出した瑠香が霧のように消えてゆく。 アーデルハイト「やはり山本武と満樹瑠香は幻覚か」 見破られていた。 そう気付いた次の瞬間だった。 琉輝「ぐあっ…!!」 鈴音「っぐ…ぅ…!」 雲雀「!!」 3人が後方の壁に叩きつけられたのだ。 ツナ「…!!」 芽埜「…え、うそ…、ッ皆!! …やめて!!皆を、…皆を傷つけないで!!!!!」 炎真「ツナくん、信じかけてたんだよ」 芽埜「…っく、何で聞いてくれない!!! …っ!!?」 その瞬間、芽埜の体が浮き、後方へ飛ばされる。 「…ッ!!」 来るであろう痛みに対して、目を瞑る。 だが痛みはいつまでたっても来なかった。 芽埜「(体を包み込む……、氷?…これ、は……)」 鈴音……?」 鈴音「…っは、…はあ…!!…う…なん、で…… (体が、勝手…に!)」 ―――パキィ、ピキィ…ッ 氷にヒビが入っていく。 氷で叩きつけられる痛みを和らげてくれたようだが、これ以上は期待できないだろう。 炎真「そんな氷、僕の敵じゃないよ」 押し潰される感覚がなくなったと思えば、浮遊感が身を襲う。 ツナ「何をする気だ!!」 炎真「信じかけていたのに…。なのに君は…」 ツナ「やめろッ!!」 ツナの声が遠くに聞こえる。 頭に物凄い激痛が走っているのだ。 芽埜「(な……にが、起き…て…?)」 ツナ「みんな!!」 ツナの悲痛な声が響く。 そんな、こえ……聞きたく、ない…かな。 芽埜がぐっと体に力を入れて立ち上がろうと拳に力を入れる。 大丈夫だよって、綱吉を安心させなきゃ、護らなきゃ。 ただそれだけの思いで立ち上がろうとする。 炎真「なぜ君にだけ攻撃してないかわかる?」 ツナ「!」 炎真「ツナくんには初代シモンがI世に受けた苦しみをしっかり味わって欲しいんだ」 ツナ「……!!炎真!!」 了平「まだだぞ古里!」 炎真「!!」 獄寺「そう簡単にいくかよ!!」 雲雀「…………」 芽埜「この位…!」 亞琉「こんな攻撃、赤ん坊に……叩かれたの、と、変わりません、よ…!」 琉輝「そうだな…ッ、と」 鈴音「べつに……へーき、だし」 痛みに顔を歪めながらも立ち上がる。 グッ、と足に力を入れてツナを護るように立ちはだかる。 だが―――。 炎真「いくよ」 炎真の一言で、ガクッ、と体が床に倒れた。 亞琉「(な、何…なんだ、これ…!!!)」 壁に体が叩きつけられた時と同じ様に床に叩きつけられる。 床がクレーターのようにへこみ、体が押しつぶされそうになる。 クローム「ああっ」 了平「ぐああ!!」 ―――ビキ、ベキャ、パキ、ビシャ! その時、何かが割れる音が響く。 希望が消えていくような音がして、意識が段々と薄れだす。 芽埜「つな…よ、し」 圧倒 ツナ「止めろ!!!」 その叫び声を最後に芽埜の意識が完全に途絶えた。 戻る |