晴グローブの攻撃を食らい、大量の血を噴出した嵐蛇は雄たけびを上げその場に倒れた。




バイシャナ「バカな!嵐蛇のウロコが砕かれるなど!!」

山本「すげえ!あの炎をモノともしてないぜ」

獄寺「一体…どうなってんだ?」

山本「なあ、カンガルー!お前何か知ってんじゃねーか?」

獄寺「なっ。バカかお前は!!匣兵器に聞いてどーすんだ!!」

山本「なんかあいつ知ってそうな気がしてさ」

獄寺「このっバーカ!!野球っバーカ!!」

芽埜「まーまー隼人くん…(苦笑」




能天気に了平のカンガルーに問うた山本に対してバカバカ言う獄寺を芽埜が宥める。




了平「フ、確かに我流も知っておるぞ」

獄寺「!」

山本「ハハッ、ほらな!」

了平「我流の腹の袋には晴の<活性>の力をチャージする能力があってな。
そこから射出される武器は特殊な植物で編みこまれ、ものすごい勢いで新しい細胞を次々と生み出す事ができる。
言い換えれば、この晴(セレーノ)グローブは

―――高速自己治癒能力を備えている!!」




嵐属性の炎は確かに効いていた。
だがそのグローブは、その嵐の分解を上回るスピードで細胞を再生した、ということらしい。




獄寺「砕けぬ拳…」

山本「やるな!先輩もカンガルーも」

バイシャナ「後方支援向きの軟弱な能力も使いようというわけか。下等なボンゴレ風情にしてはよくやった。

だがすでに汝の攻略法見つけたり」




何処までも強気なバイシャナはリングに炎を灯し首周りの匣を開匣してゆく。
そして、縦笛を吹いた。


すると、匣から8つの炎を灯した<ナニカ>が飛んできたではないか。




山本「虫…?…!、クワガタだ!!」

獄寺「アゴに嵐の炎が灯ってやがる!!」

バイシャナ「さよう。

この嵐クワガタ(C.V.テンペスタ)のアゴにも嵐蛇のウロコと同様の分解能力がある。
たしかに嵐蛇より火力も破壊力も劣るが、汝の能力の泣き所をつくのにはこやつらがむしろ好都合なり」

了平「何?」

バイシャナ「自慢のフットワークは通用せぬ。食らうがよい!!

―――8連クワガタ(チェルヴォ・ヴォランテ・ベル・オット)!!」




自分に向かってくる嵐クワガタに了平は拳を降るがかするだけで終わる。




山本「捕らえきれてない!!」

獄寺「あのクワガタ共調教されてやがんだ!!」

芽埜「え、そんな!!何で?」

獄寺「絶妙な時間差で突っ込んできやがるから1匹に集中できず、大振りも許されねぇんだ…」

芽埜「先輩…!」




バイシャナ「フォホホホ、どうした?汝の退路は徐々に絶たれておるぞ」




敵の言う通り了平が避ける場所が徐々に狭まり、逃げ場がなくなってゆく。
それを悟った了平は叫んだ。




了平「我流ゥ!!!」




了平に名前を呼ばれた我流は再びお腹から<ナニカ>を射出。
そんな時、2匹のクワガタが了平へ攻撃を仕掛けようと向かっていく。



だが、クワガタの攻撃は当たらず先輩は一瞬にして―――消えた。




山本「!!」

獄寺「あいつ…飛んでやがる!!」




了平はシューズに炎を灯し、空に浮いているではないか。
芽埜は<自分のブーツと同じ仕組みか?>と首をかしげた。




バイシャナ「だが汝、我が術中にあること何ら変わらず」




その言葉と同時に了平へ向け嵐蛇が向かってゆく。




バイシャナ「フォホホ、いよいよ準備は整った。この時を待っておったぞ。
汝のたった2つの拳では嵐蛇の炎の壁と、嵐クワガタの8点同時攻撃を同時に防ぐ術はなし!!!



死せよ晴の守護者!!」




一斉に向かっていく匣兵器たち。
バイシャナはこれで了平が死ぬと思ったらしい。


だが……




―――ドドゥッ!!




「なっ!!」




…嵐クワガタの突然の自爆が起こり8匹全てが消えたため、了平は嵐蛇を避けるだけに終わった。




バイシャナ「バ…バカな!!
嵐クワガタが全機墜とされるなど…!!そんなバカな!!」

山本「触れてもねーのに…」

獄寺「あのクワガタ…自らの炎で爆発したように見えたぜ」




了平「その通りだタコ頭」




獄寺「!」

了平「奴らのアゴの炎は暴走したのだ。晴の<活性>の力によってな」

芽埜「ねえ、それって<活性して制御不能となった>って事…なのかな?」

獄寺「そーいう事だろ」

芽埜「でも拳は当たってないはず……


えっ、でも…!そんな……!!もしかして微かに掠っただけでもそんな風になるの!?」

了平「そうだ。

とうの昔にクワガタの勝負はついていた。俺が翔んだのは貴様とツチノコにとどめを刺すためだ」

バイシャナ「(この男…つ…強い!!)」




     *     *     *




チェルベッロ「入江様!やっとバイシャナ氏が見つかりました。展示室より通信です」

正一「開いてくれ」




司令室に来たバイシャナからの通信。
やっと見つかったかと思えば……




バイシャナ《我、救援を所望す!!》




…彼は救援要請をしてきた。




正一「!!

何!?敵か!?もう展示室にまでに来ているのか!?」




画面に非常に焦ったバイシャナが映し出される。
だが詳しく聞くことも出来ず画面が砂嵐になってしまった。




正一「ニゲラはどうした!?」

部下「ハッ、未だに連絡がありません。幻騎士殿もまだ……あっ、まずいです!!
この地点には栗丘瑞樹殿以外現在味方がおりません!!」

正一「なんだって!!
じゃあ、瑞樹に連絡を入れろ!!!」

部下「通信が繋がりません!!!」

正一「な…っ!」

チェルベッロ「入江様…!!」

正一「……(まずい…まずいぞ…)」




笹川了平VS.バイシャナ




正一「このままでは奴らが研究所に!!」




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