第九訓 5



「あの〜、どうもすいませんでした〜」






後日、赤い着物の女の人が屯所の庭の木に逆さ吊りの刑になっていた。
勿論やったのは亜希と総悟の2人。

赤い着物の天人は所謂蚊みたいな天人で、会社の上司との間に子供が出来ちゃったらしく子供を産むために必要なエネルギーを求めて、ここに忍び込んだらしい。
傍迷惑な話しだよねー。






「……ったくよォ、幽霊にしろ蚊にしろ、傍迷惑だってのに変わりはねーな」

「傍迷惑なのはテメーらだ。報酬なんぞやらんと言ってるだろ。消えろ」

「オメー俺の一撃がすべてを解決したことを忘れたか?」

「何言ってんだ。テメーの前に俺の一撃ですべて決着ついてたんだよ。テメーなんざいなくても俺だけでどーにかなったんだ」

「ビビりまくってたくせによく言うぜ。まさか鬼の副長と恐れられる男がオバケを恐れてるとはお天道様でも思うめェ」

「アレはお前、ビビってたんじゃねェ。びっくりしてただけだ。大きな間違いだぞコレは。お前は明らかにビビってたけどな」

「アレはお前、企画に乗ってやっただけだ。むしろ俺はこーゆうの好きだぜ。これから毎回やろーか…」



ガララ



「あの、土方さん……そろそろ書類を……、?」

「銀ちゃん、そろそろ帰…、!」






銀さんと副長は軒下に顔を突っ込んでいた。
何してるんだろ、あの人ら。






「…何やってるアルか、2人とも」






神楽ちゃんが訊ねると、銀さんと副長は揃って答えた。






「「いや、コンタクト落としちゃって」」








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