第十訓 1



「赤コーナー!主婦業に嫌気がさし〜結構生活を捨て職場に居場所を見つけた女〜鬼子母神春菜ァァ!!
青コーナー!人気アイドルからスキャンダルを経て殴り屋に転身!『でも私!歌うことはやめません!!』戦う歌姫!ダイナマイトお通ぅぅぅ!!」






総悟に連れられてやってきたのは女子格闘技の大会、大江戸女傑選手権大会会場。
うちは特に興味ないんだけど、総悟が『デート行きたくねェのか』とか言うから!
この後どこ行く予定もないんだろうからデートって言えるかは分かんないけど、総悟といられるならどこでもいいや♪

(……って、思ってたんだよ?)






「感動したぞォォ!!」

「おぉーっと、リング上に乱入者が!何者だァァ!?このチャイナ娘、どこの団体だァァ!?」






なんでここに神楽ちゃんが?






「何やってんだァァ、ひっこめェェチャイナ娘ェ!目ェつぶせ、目ェつぶせ!
春菜ァァ!何やってんだァ、何のために主婦やめたんだ、刺激が欲しかったんじゃないの!?」






総悟も喧嘩売るようなこと叫んでるし。
お花見の時から因縁めいたものあるよね、この2人。

これはしばらくここから動けそうにないなぁ。

溜息をつきながら顔を背けたら、バチリ。
銀ちゃんと新八くんと目があった。






「なんでいるの?」

「こっちのセリフだっつーの!!!」






夢は拳で掴め








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